安部政権は、巨大与党の力によって、熟議の府であるはずの参議院で、


衆議院以上の強行採決を委員会でし、今日にも、本会議でも通そうとして


います。再三、申し上げているように、外交上の秘密を守る規定は必要だと


しても、今回のずさんな法案では、秘密の範囲がはっきりせず恣意的に


指定される恐れがあること、チェックする第三者機関がないこと、知る権利


が担保されていないこと、など多くの問題があります。法律を作ることに


賛成する人でも慎重審議を、という人が多数を占める中で、なぜ、このように


急ぐのでしょうか。国会を抗議の人たちが手をつないで取り囲み、各地でも、


反対の集会やデモが行われています。これだけの反対を国会に対してする


のは、最近ではないこと。日本科学者会議などの学者・研究者、日弁連など


の法律関係者、宗教界、アムネスティなどのNGO・市民団体、国連人権高等


弁務官などの国際機関、沖縄県議会などの議会、日本ペンクラブや日本映画


監督協会などのメディアや文化芸術関係、新聞労連や日本放送労働組合など


のマスコミ関係など、多くの人達・団体が、反対や懸念を表明しています。


諸外国と比較しても、秘密指定の乱用を防止するための制度がなく、欠陥は


明らかです。アメリカでは、監視する特別委員会が上下両院にあります。


イギリスやドイツでも議会がチェック機能を持っています。フランスには裁判官や


国会議員で作る独立行政機関の国防秘密査問委員会があります。日本では、


最終盤になって、安部総理が、いくつかのチェックの仕組みを打ち出し、官房


長官が、修正合意した野党のために、さらに新たな機関を提示するなど、混乱


の中での採決です。とても第三者とはいえない、政府の中の仕組みですが、


それを実現するなら、法案を書きなおして、さらに審議すべきです。


あと2年半以上、解散までにはあるので、国民は忘れると、たかをくくっているの


かもしれませんが、忘れずに必ず覚えておきましょう。政権の枠組みを変えれば、


悪法も変えることができます。