ドック | 富士の裾野で想うVet

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地方獣医の徒然記

人間ドックは一般的になっているが、

犬猫の定期健康診断は、まだまだかな。

行っている動物病院は多くなっているけど。


まだまだ、やって欲しい子がやらなかったり、

健康診断より、既に治療をするレベルだったりと、

犬猫ドックの目的・意義は達成できていない。


成熟してからの犬猫は、人の4倍のスピードで歳を取る。

だから、健康診断は人以上に犬猫の方が必要。


若い若いと思っていても、人の年齢に換算すれば、

直ぐに自分と同じ年齢になり、追い越して行く。

白髪が増え、目が白くなってくる。

顔付も歩行も年取ったな~となってくる。


老齢になって、具合が悪くなったから動物病院に行く。

その時には、既に心臓が悪い、腎臓が悪い、

ここが悪い、あそこが悪いとなっている。


それでは遅い。


悪くなる前に、病気にならないようにしないと。


治療より予防。


これは人も動物も同じ。


その為には、定期的な診察が必要。

最低、年に1回の定期検査をした方が良い。


老齢になったら、年に2回の定期検査。


これでも、人に換算したら2年に1回。

それを補うのは、月に1回の定期診察。


ドックでは、どの動物病院でも、

診察・尿検査・検便・血液検査(CBC+生化学)・

レントゲン検査・心電図と言ったところかな。


定期的にやって、その子の健康時の値が分かっていると、

ちょっと調子が悪いからと、動物病院に行った時、

どの位悪化しているのか、あるいは悪くないのかが分かる。


例えば、貧血があった時、

例えば、血小板減少症があった時、

健康時の値が分かっていれば、

その値からの変化の幅により、

疑うべき疾病が絞られてくるし、対処の仕方が違ってくる。


今は、動物も高齢化社会。

老齢になったが故の病気も増え、

若い時は病院に掛る事もなかった子でも、

寄る年波には勝てません。


普段から目を配り、手を掛け、注意をしていれば、

長く家族として暮らしてきたその子を、

苦しませなくても済むのです。


後になって、ああしてあげれば良かった、

こんな事しなければ良かったと後悔しない為にも、

家族としてやってあげられる事は、やってあげて下さい。