マナーセミナー3 | 富士の裾野で想うVet

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地方獣医の徒然記

マナーセミナーの中で、クレーム対応についての言葉。


「クレームはチャンス」


飼主さんは、不満があっても言わない事の方が多い。

一人の飼主さんが持つ不満の後ろには、

300人の不満を持つ飼主さんがいる。

これを、ハインリッヒの法則と言う。


自分でも、そうだと思う。

不満があっても直ぐに言う事は少ないかな。

そのくせ、後で文句言ったりしているし。

その辺は日本人だからか?


クレームはまた、ポイントカード論でもあると言う。

日ごろの不満が溜まって、一杯になった時にクレームにつながる。


確かに、もう我慢できないって時に、クレームを言うのかな。

もっと早く、不満があったら、その場で言えば良いのだけれど、

なかなか言えなかったりするからな。

でも、言わないで、自分の中で悶々としているのは、

精神衛生上も良くないし。


クレームの一番は接遇についてだと言う。

コミュニケーション不足から起こると言う事。


分かっているだろう、とか、

当たり前じゃん、と言わないで、丁寧に説明する事が大事。

これはどの仕事でも同じ事だな。

特に、この仕事は、飼主さん個人直接ではなく、

飼っている動物が対象。


でも、病気について、治療について、分かってもらう対象は飼主さん。

そこが難しい所だ。


分かってもらう為には言葉で説明する訳だが、

その説明の仕方が悪いと、診断に不審を持たれたり、

治療を継続してくれなかったりするから。


そこでクレームが出た場合、

接遇改善のキーポイントになる大切な情報と思えば良い。

そう思えば、今より良い方向(環境)に近づける可能性がある。


クレームは嫌なものだが、逆に「声のないクレーム」の方が恐い。

不満(問題)を指摘してくれなければ、スタッフは気づかず、

その不満は解決されないまま。

不満を残したまま、その飼主さんは2度と足を踏み入れず、

同じ不満を持った飼主さんが増え続ける事になる。


クレームは、期待の裏返し。

期待が大きければ、その対応が期待に反して小さければ不満が出る。

期待してもらえる病院でありたいし、

良くなる為の貴重なヒントを頂いたと考え、

感謝の気持ちで、真摯に対応する事が大事。


なかなか難しい心の持ち方ではある。