この仕事で、ミスをしてはいけない。
でも、人はミスをするもの。
完全無欠の獣医はいない。それはVTさんも同じ。
ミスも大小ある。
大きなミスを起こす時は、
その前に小さなミスを幾つかしている。
その小さなミスをしっかり検証しないで、
なあなあで済ませたり、
反省しなかったり、
チームとして改善策を取らなかったり。
その結果、大きな、取り返しのつかないミスが生まれる。
例えば、血液検査。検査項目は血糖値。
採血後、直ぐに遠心分離。
血糖値は、長引くと値が変化してしまうので、分離後は即測定。
ここで、検体をこぼしてしまったVTさん。
残りを再遠心して検体を取ろうとしたが少な過ぎ。
それを発見した院長に言われる。
これじゃ少なすぎるし、
時間が経ってしまっているので、
値の信頼性が落ちるから、もう1回採血し直し。
この時間、飼主さんを待たせてしまっている。
動物にも、もう1回負担を掛ける。
こぼしてしまったのは仕方がないとしても、
報告は直ぐにしないといけない。
ミスを取り返そうとしたのだろうが、
同時に報告も入れなければ、間違いの元。
間違った測定値で診断を下せば、正しい治療は出来ない。
ミスをいかに少なくするか。
ミスをしたら、いかに早くリカバリーするか。
ミスをしても、それを隠し、
どうしようもない状態にする事は、絶対にあってはならない。
何故ミスしたのか?
ミスをした後、どうしたら良かったのか?
周囲のスタッフは、気付かなかったのか?
動物病院はチーム医療。
獣医だけで出来るものではない。
VTが勝手にやってもいけない。
獣医とVTが、
共通の認識を持ち、
同じ方向を向いて仕事をしなければならない。
自分の役割を認識し、
今何をするのか、
その後どうすればいいのか、を考えて仕事する事。
大きなミスをしてしまった時、
動物にとっても、飼主さんにとっても辛い事が起こる事もある。
そして、してしまった本人にとっても後悔が残る。