大工さんと、道後のお屋敷で打ち合わせ。
古くて朽ちてきた土塀の改修について。
建て替えせずに、足元の改修。
いつも一緒に仕事している大工さんは、こういう技術に長けています。
市道に面しているので、通行人に怪我をさせないような補強工事も必要です。
大工さん、しきりに頭を捻っていました。
たぶん、もう頭の中には、イメージできていると思います!
しばらく更新していませんでしたが、こちらのブログも更新していきますので、宜しくお願い致します!
道後温泉の玄関口。からくり時計前に、「道後うどん おとら」がオープンしました。
この仕事の依頼を受けたのは10月末。
現場に訪れ、改修案を計画をスタートしたのが、11月初旬。
貸主の御当主、借主の事業者と打ち合わせを重ね、建物をできるだけ現状で残すことで一致しました。
特に、厨房部分は、鴨居・天井を耐火ボードで包み残すことになりました。
改修前の板間続き間。この部屋は、食堂として使われていた部屋です。
柱・天井板・鴨居など、建築当時のものなので、そのまま残すことになりました。
床組みを解体してみると、土台が白蟻被害を受けていました。
柱の足も被害を受けていたので、痛んでいる部材を取り去り、束石に固定しました。
土間床下地作業
配管作業
柱・鴨居を残しながら軽量鉄骨を組むために、鉄骨で骨組みしました。
そこへ軽量鉄骨組み。
改修後の厨房。天井板を残しているため、ダクトが天井裏に抜けないので苦慮しました。
あまり時間の無い中、職人さんたちは一生懸命頑張ってくれてました。
お屋敷を飲食店にすることで、御当主もかなり迷われたそうですが、建物は使うことによってこそ価値があると思います。
今回、店舗になって、いろんな人々がこのお屋敷を訪れること、とても有意義なことだと思います。
設計監理させていただいた、「道後うどん おとら」さんが、12月27日にオープンしました。
この建物は、築127年、道後温泉が建立された同年に建築された、歴史ある建物です。
当時、併設されていた久保医院の邸宅として長年使われていました。
かつては、夏目漱石や後藤新平伯爵が度々立ち寄っていたそうです。
お座敷席には、後藤新平伯爵による直筆の書が掛けてあり、必見です。
今まで、一般公開されたことがなかったこのお屋敷が、店舗になり多くの方が足を踏み入れることができるようになりました。
建物が古いだけに、難しい部分も多々ありましたが、建物の保存重視で形にできたと思います。
私は、古い建物を保存するあまり、非公開で窓を閉ざしてしまう考え方は違うように思います。
古民家に風を通し、人が歩き、人の目に触れることによって、その建物の価値はずっとずっと上がると思います。