CDプレーヤーの遍歴を振り返ってみたいと思います。

 

初代:ソニー CDP-701ES

1980年代中頃のCD黎明期は、レコードショップに売っているCDが3800円と高いうえ品数が少なかったことから当時CDプレーヤーを導入する考えはありませんでしたが、会社に出入りしていたソニーの営業マン(昭和の時代は何でもありでした)に「10万円値引きするから」とそそのかされて購入してしまった記念すべきCDプレーヤーの第1号。当時はアンプ等を買いそろえたばかりでお金が無く苦しい思いをしましたが、いざ使ってみると「デジタルレコーディング」や「デジタルマスター」のCDを積極的に購入するなど気づけばデジタルオーディオの魅力にドッブリはまっていました。音楽の好みのジャンルも洋楽ロック一辺倒からジャズやクラシックにも興味を示すようになるキッカケとなったことでもCDプレーヤー導入の影響は大きく思い出深い1台でした。ただ、この701ESの実力がどの程度のものなのかは良く分かっていなかったと思います。

 

2代目:NEC CD-830DS

当時のCDプレーヤーの技術は日進月歩だったことから、それに乗り遅れまいと思い買い替えた1台。8倍オーバーサンプリングの周期を半分遅らせ16倍相当のサンプリングにする技術やDACを4個使用しノイズをキャンセルさせSN比を改善させるなど新開発の技術がてんこ盛りで、音も元気で弾けるようなサウンドは自分好みでした。ちなみに、この830DSの後継となるNECのCD-10は、故長岡鉄男氏がその性能を高く評価し値段も手頃だったことから長岡派の所有率が高かったといわれているようです。

 

701ES、830DSともに写真もカタログも無かったことから当時のCDをアップしてみました。上2枚がデジタルレコーディングのマルタさんのCDとデジタルマスターのGRPレーベルのCDです。下の3枚は、ソニーの営業マンからもらった非売品のCDとなります。

何のCMだったか覚えていませんが、タモリさんがターンテーブルを手で逆回転(反時計回り)に回しレコードをクリーニングしているシーンを見て「なるほど」と思いました。普通はターンテーブルのスタートスイッチを入れ、時計回りの状態で優しくクリーニングするのが一般的と思ったからです。通常の再生とは逆方向でクリーニングすることでノイズの元となる微細な塵が取れやすいということなのかもしれませんが、そこまで拘るやり方があるとは恥ずかしながら知りませんでした。

 

レコードのパチパチノイズ対策としては、スプレーで静電気を防止が一般的ですが、私の場合レコードを入れる薄い袋の内部にもしっかりスプレーします。これにより新品のレコードの場合はほとんど塵は付着しませんが、中古レコードを入手した場合は入念にクリーニングしなければいけません。プレーヤーのターンテーブル上で力を込めてクリーニングすることは回転軸を痛めてしまいそうで怖いので、クリーニング用のターンテーブルを自作しクリーニングしています。材料となるターンテーブルは300円均一にあった回転台に薄いべニア板を円盤状にカットし使っていないターンテーブルシートを張り付けただけという簡単なものです。これによりゴシゴシと力を込めて盤面をふき取ることが可能となりそこそこ効果があると感じています。

初代:アントレー EC-15

二代目:DENON DL-311LC

三代目:オーディオテクニカ AT-OC30

四代目:    〃     AT-OC9ML/Ⅱ

 

アナログディスクの音を左右する最も重要な装置がカートリッジではないでしょうか。私の場合は今まで4個のMCカートリッジを使用してきましたが、現在はDENONを楽しんでいます。ヘッドシェルは、プレーヤーのアームがストレートなので専用のものをネットオークションで収集。プレーヤーを手に入れた当時の専用ヘッドシェルの値段は2000円でしたが、時が経つと入手が困難なうえ高額となってしまいましたが、なんとか2個(ひとつはロゴが「TRIO」)手に入れることができました。

カートリッジの固定ボルトは付属品がアルミ製だったため重量感のある真鍮製に変更。ただ、真鍮は仏壇の「おりん」のように独特の響きが出やすいというデメリットがあるとのことから現在はチタン製に交換しています。

シェルリード線も糸のように細いものからしっかりとしたものをいくつか試していますが、これが決定版といったものは正直分からず現在も試行錯誤といったところでしょうか。

ところで、シェルリード線の交換はみなさん苦労されていると思いますが、私も最近失敗がありました。5000円ほどのシェルリード線を購入し取り付けようとしましたが、取付部分のシェルチップの穴が狭くうまくピンに挿入できません。穴を広げるなどして力づくで挿入しようとしたところ、シェルチップを折損させてしまい結局使用できずに処分してしまいました。ガッカリこの上なしです。今後シェルリード線を購入する際はシェルチップの構造もちゃんと確認していこうと思います・・・

昇圧トランス:オーディオテクニカ AT2000T(中古)

プリアンプ(フォノイコアンプとして使用):テクニクス SU-C3000(中古)

MCカートリッジは何らかの方法で昇圧しなければいけません。以前は、プリメインアンプ内蔵のフォノイコライザーで対応していましたが、一度は昇圧トランスを使ってみたいという欲望が沸き中古のオーディオテクニカAT2000Tを5万円ほどで入手。これによりMM並みの出力となることから、フォノイコライザーはシンプルにMMのみ搭載のプリアンプを探したところ、運よく中古のテクニクスのSU-C3000を8万円ほどで手に入れることができました。このC3000を贅沢にフォノ専用でコントロールし、プリメインアンプのサンスイAU-α607Mos Limitedにダイレクトインした音は、SN比が高くレンジも聴感上はフラットに感じます。ダイレクトカッティングや最近発売された高音質レコードを聴く限りにおいては、SACDやハイレゾ音源にも充分対抗できる素晴らしい音で、改めてアナログの良さを認識させられます。

 

ところで、レコードの音は「温かみがある」といったような表現でテレビなどで紹介されることが多いように思いますが、温かみのあるアンプやスピーカーの評価ならいざ知らず、プレーヤーの役目はレコードの音を忠実に再生することであり情報量が落ちた音には基本ならないはずです。なので、このような表現をするテレビの制作サイドは、実はレコードをちゃんと聴いたことが無いのでは?または知ったかぶりして印象操作しているのでは?と勘ぐってしまうのは私だけでしょうか・・・

CDはデジタル方式のレコードともいえるので長岡派の中には「レコードプレーヤー」ではなくアナログディスク(AD)を再生する「ADプレーヤー」と言っている人も多いのではないでしょうか。そこで、あえて以下「ADプレーヤー」と表して紹介したいと思います。

 

社会人になり初めてアンプとスピーカーを手に入れ次に導入したがADプレーヤーでケンウッドのKP-770Dとなります。オーディオショップの勧めでアントレーのMCカートリッジとセットで6万円ちょっとだったと記憶しています。この770Dは、ターンテーブルの回転軸のブレが少ない「超精密回転メカニズム」が売りのハイCP機ですが、実は今も稼働していて、かれこれ40年使い続けています。故障知らずで音もカートリッジの能力をしっかり引き出してくれる頼れる相棒といったところですが弱点もあります。キャビネットの強度不足と振動に耐えうる重量が足りないことです。その対策が次の写真となります。

まずはべニア板3層のベースに鋳鉄製の脚をリジットに取り付け。さらに重量増加と防振対策として鉛砂粒を敷き詰め本体が動かないよう密着させました。少々強引で邪道にも思えますが、ベースと本体(カバー無)を合わせた重量が倍増の18kgに達し、本体のトランスや音圧による振動を抑え込むことは出来ていると思います。その他の改良点としては、ターンテーブルシートをパイオニアJP-501に交換し、電源ケーブルを太目のものに変更、フォノケーブルを昇圧トランスに最短となるよう切り詰めました。ここまできたら完全に動かなくなるまで付き合おうかと思います。