おわりに
私にとっての「第三の居場所」とは、家庭と役割の場の往復だけではなく、“仮面をかぶらない本来の自分”としていられる場所です。
家庭や職場では、大人に囲まれてどこか窮屈に感じることがあっても、第三の居場所には「ナナメの関係」や「近所のお姉さん」のような存在がいて、同年代の子どもたちと安心して過ごせる——そんな貴重で大切な時間があります。
それは、人生において非認知能力、つまり人としての根幹を育てるかけがえのない体験だと思っています。そうした時間を持つ子どもや大人が一人でも多く増えていったら、きっと社会はもっと優しく、しなやかになるのではないかと、私は信じています。
フリーランス保育士という生き方が示す可能性
なっちゃんのようなフリーランス保育士の働き方は、これまでの“保育”のイメージを大きく変えてくれるものでした。その一方で、活動の実情としては「移動時間が長い」「依頼の時間が重なる」といった難しさもあることを率直に話してくれました。
なっちゃんは、他のフリーランス保育士に「自分と同じようにやってほしい」とは思っていないと言います。
「無理に型や枠にはめることなく、それぞれが自分のやり方でいい」という考えのもと、子どもも大人も「今日はいい一日だったな」と思ってもらえるような関わりを目指して活動しています。
そうした「なっちゃんの概念」に共感してくれる仲間が少しずつ増えていくといい。保育の現場にいなかった人たちも、「助けたい」という気持ちさえあれば関わることができる。
その可能性が広がっていけば、社会全体で子育てを支える新しい仕組みがきっと生まれる——そんな未来に向けた大きなヒントを、なっちゃんの姿から受け取ることができました。
感謝の気持ちを込めて
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
特になっちゃんには、突然の連絡にも関わらず温かく対応していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
今後も、保育や子育てについて感じたことを、言葉にして発信していきたいと思います。「こういう形もあるんだな」「自分にもできることがあるかも」と、誰かの気づきのきっかけになれたら嬉しいです。
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