チョールフォント荘の「恐怖」かあ~
私くらいになるとコロシ一件くらいで
びくついたりしないよ。(本の中では)

ある晩、チョールフォント荘で開かれたパーティの夜、
館の主人のリチャード・エルトンが庭で殺された!
応援要請を受け、ヤードから駆け付けたフレンチ主席警部は…

今回相棒として駆け出しの見習い刑事を連れていくことになった
フレンチ警部、
新人教育を押し付けられて会う前はとても憂鬱そうだった。

私も、誰一人不愉快な人間が出てこなかったフレンチシリーズに
いよいよ嫌な奴が現れるのかな?
頓珍漢とか、または責任感のない今どきの若者とか、
それとも勘違いエリート気取り男とか(フロストシリーズの坊やみたいな)?
と期待と不安で胸がどきどきしたけれど、

新人ロロ君たら現れてみたら、長身のすらりとした恰幅、
正直そうな眼差しの美男の青年…、
一緒に行動しても非の打ちどころのない振る舞いで、あれれ?
拍子抜け!
なによりロロ君というなんだか呼びたくなる名前も良いじゃないの!

クロフツさんのお話に優しい人ばっかり出てくるのが特徴だと
思っていたけれど、ここまでくると
意地悪な人を描けないっていう「短所」なのかも?という気もしてきた!
でも安心して読めるから私はこれで良いと思ってるよ!

えーと、実際の事件について、
こんなに「うーん、誰が犯人でも良いやあ~」と思っちゃった事件は
初めてだね。

どの人も何となく肩入れ出来ない人たちなの。

でもだんだん「この人が犯人だとこの人が可哀そうだな」
という風になってきて、心の中で勝手にペアが作られて行って、
そうやって考えると一人余って(!)

そしたら案の定…!
これもクロフツさんの優しさのあらわれなの?
(この人が犯人でも大丈夫的な…)

なんだかでもね、執事を見れば屋敷が、そして主人がわかる、
そんな気がしたよね。(あくまで勝手なイメージ)
でもさ、「あしながおじさん」でも「月長石」でも
そうだったもん!(すべてフィクションです)

事件自体はごめんね、あんまり打ち込めず、
またこの感じラスト、ヤードの責任問題は大丈夫なの?って心配になった。
あと、その後みんなでワイワイ幸せにやり過ぎて、
ご近所の方々はうるさくないのかな?って。
私が他人の目を気にしすぎるのかな。

そんなこんなで色々あったけど、
フレンチ警部とロロ君のやりとりで十分楽しかった!

フレンチ警部って出世をしたいって言う気持ちを隠さないから、
はじめはなんだか戸惑ったけど、本気で刑事やって頑張って活躍していたら
普通そうだよね!と納得だ。