ミステリ小説を読んでは、
「あ~ぁ、私もヤードの一員となって…」とか
「気のいい呑気な相棒を引き連れて…」とか
そんなんで「難事件を解決したかったなー」
なんて叶わない前提で気楽に想像したりなどしているけど、
実はこの本みたいなことは、今この瞬間から私でもできること。
(なので言い訳無用!)

主人公は犯人を追ってマンホールに落ち、怪我をしたため
ベッドで横になっているしかないグラント警部。

入院中の暇つぶしに、ふとしたことから
リチャード三世が世間で一般的に言われているような
「悪辣で無慈悲な」男なのかを
様々な資料を通して検証していく…

グラント警部の彼女が人気女優と言うのがなんだかとても嬉しい。
舞台上でなくても持ち前の演技力で
看護師さんを虜にして、傅かれているところが面白い。
でもグラント警部の家政婦ミセス・ティンカーは
一枚上手のようなそうでもないようなところがまた楽しい。

いつしかグラントの助手となって、動けない彼のかわりに
あちらこちらへ調査へ行く真面目で気さくなキャラダイン青年、
もしやるならこの役やりたいな!(性別を超えて…)

ただ申し訳ないのはリチャード三世に対するイメージが
良くも悪くもほとんど無いもので、
あんまり驚かなかったんだ、ごめんね。
(日本のそれも平安時代と江戸の町人文化しか興味ないもんで…)
でもロンドン塔に幽閉の上殺された王子二人については
なぜだか知っていたな。(死ぬほど有名な話だからと察する)

でもこの本がとても面白かったので
今からリチャード三世についていろいろ読もうかな?というところ。

要するに、歴史上でこうじゃないか?と
ほとんどの人が信じてしまっているあるエピソードなり
人物像なりがあるけれど、本当は…って言うお話の訳さ。

そう言うのなら私も何個かあるの。

そのうちの一つは「安徳天皇は実は女の子だった」って言うの。

『平家物語』の安徳天皇が生まれたシーンで
ちょっと不思議な記述があったでしょ?
(はじめ「女の子が生まれた」って言ったのに
「やっぱり男の子でした」って言うところ)

ま、証拠というかなんというか、データはそれだけなんだけど。(少な!)

でも、とは言え、結構「女の子だった」と思って読むと
色々辻褄が合うっていうか…。
もはや壇ノ浦に沈むっきゃ無いって感じ…に、なるよね?

「女の子だった」だけじゃ弱い(?)のならさ
「両性具有だった(またはどっちでも無かった)」でどうかな?
それで生き残ったことにして山岸涼子先生に
漫画にしてもらって…!うーん、面白そう!!

この本の最後に歴史ミステリについて
「提供されるデータはすべて史書に記載されているものだけを使う」
という決まりがある、だって。

つまり創造するとまた違った話ってことだね、すみません。