まさか。

こんなところにあるなんて。


崖を下ったところにあった、謎の遺跡。

彼の言うままに来てみたものの、見てびっくりだよ。

だって、テレビで以前ちらっと見たことがあった、あの遺跡なんだから。


あのときは、どこにあるかなんて聞いちゃいなかったし、すごいものがあるんだな、くらいにしか思ってなかったからなぁ。


それにしても、すごい。

何がすごいって、遺跡から発するエネルギー。

見えないよ、たしかに見えるもんじゃないけど、伝わってくるんだ。

その、なんとも言えない威圧感というか、存在感。

ドーンとここに居を構えて、まるですべてを見通しているかのような凄さを感じるんだ。


感じる、うん、それが一番ぴったりくる言葉だな。

何かしたわけじゃないけど、伝わってきちゃう感じ。


『おい、そこのおまえ。』


わ、来た。


『氣づかぬふりをしても無駄じゃ。』


ですよね〜😅


『頼みがある。』


いきなり、何でしょう?


『酒をくれ。』


言われると思ってましたよ。

ほら、ちゃんとここに。


『おお、ありがたい🎵

しばらく干上がっていたからな。

ありがたい、ありがたい。』


そんなに嬉しいんですか。


『我が為に用意してくれる、その氣持ちがありがたい。』


なるほど。


『物怖じせんやつじゃな。』


あ、慣れましたんで。


『分かるぞ。

あいつにからまれたら、それはさぞ面白かろうて😁』


ご存知なんですか?

わたしに話しかけてくる方を。


『筒抜けじゃ。』


あ、そうなんですね、やっぱり。


『見たいか?おまえの扱われ方を。』


いや、結構です。

ケチョンケチョンでしょうから😅


『そんなに卑下せずともよいものを。』


それで、わたしを呼ばれたのはどんな理由で?


『うむ、渡したいものがあっての。』


わたしに?


『うむ。』


何でしょう·····



これは、見たことがありません。

わたしの人生になかったものです。

初めて見ました。


いいんですか?

こんなものをいただいても。


『分不相応、とおまえは言うだろうが、すでに用意してあったもの。

受け取る時期を見定めておっただけじゃ。

それに、渡す役目を仰せつかるのも、わしじゃなくても良かった。』


名乗り出られたわけですか?😁


『嬉しそうに言うな。』


(笑)

ありがとうございます😊


『大事にせい。

一生の宝物じゃ。』


はい、重々承知しています。

こんなものをいただけるなんて、とても嬉しいです。

ありがとうございます✨


『爽やかな風となり、人の心に波立てよ。

心地よい風は、人の心を開く。

その風の強弱をつけるのに、役立つだろう。』


分かりました。

大切にします。


『うむ。

それじゃあの。』


まだしばらくここにいてもいいですか?


『もちろん。

ゆっくりいたせ。』


はい😊


そうかぁ、これを渡すためだったんだ。

そういえば、彼はどこに行ったんだろう。

お~い。


「さっきからいますって。」


え?

氣づかなかったよ。


「ほんと、鈍すぎ😞」


そんな言い方しなくても😅


「良かったですね。

あの方にお会いできたし、いいものもらえたみたいだし。」


あぁ、そうだね。

思いがけないものをいただいたよ。


「俺、知ってましたから😁」


言ってくれないのも、そうなんだね。


「人の感動を奪っちゃいけないんで。」


うん、そうだったね。


「じゃ、次行きますよ。」


あぁ、分かった。

次は?


「華の都🎵」


おお〜。