元同僚との話で、マネジメントに関する話。
元同僚は、学習意欲の研究をしていた。
教育現場において、学生の学習意欲を引き出すための方法を明確にするために、人が学習する意欲は何によって向上するのか、という研究だ。

その同僚からすると、人が学習に意欲を持つ要素として大きなものは

・学習する対象に、興味を持てていること
・学習する内容が、自身ができると思えていること

だそうだ。
まあたしかにね、と思う。
ちなみに

・誰かの(社会、人)役に立つ
・評価をされる

は、学習意欲向上の要素としては小さかったようだ。
褒めるとか認めるって、あんまり依存しないのね、という話をしたが、その元同僚の現在の見解としては、褒めるとか認めるというのは、自身ができるという実感の度合いを高める要因の可能性がある、ということだった。
もちろん褒めるとか認められるという自己承認欲求が意欲になる場合もあるのだろうが、学習意欲向上の要素としての影響度は、少なくとも小中学生では小さいようだった。

この結果を、その元同僚は自身のマネジメントにも活かしているらしい。
あるpjをチームで行った際に、メンバーに対してタスクを振ったことがあったとのこと。 
その際に、
・そのメンバーが何に興味をもっているか
・何ができると思っているか
を、タスクを切り出してインタビューしながら割り振ったとのことだった。

これを聞いて素晴らしいと思ったのだ。
・その元同僚の研究は学習意欲だったが、仕事でも活用できるのではと実践してみたこと
・さらにそれを各メンバーの興味対象やできると思えているか否かを実際に聞き出してタスクを振っていること
・さらに、できるを実感させるために、メンバーの力量に合わせてタスクを分解していること
これらに対してだ。

私は今まで多くのマネジメントを受けてきたが、このように体系的に理論に基づいてマネジメントされた経験はない。そして私自身、組織をマネジメントした際にも、感覚的にタスクを割り振っていたと感じる。なんとなくその人のスキル、センス、特性を感じ取り、そこからこのタスクかなあと割り振っていく感じだ。

元同僚は、タスクの割り振りを、
・そのメンバーの興味
・そのメンバーができると考えていること
という二軸で分けて考え、かつ双方の期待値をヒアリングで揃えるということをしていたのだ。

マネジメントに関連する本は世にたくさんあるが、自身の研究、しかも全く違う領域からマネジメント手法を自分なりのナレッジとして活用していたことは、とても素晴らしいと感じた。

また、マネジメント手法には

・成果で管理しましょう
・プロセスで管理しましょう
・モチベーションを管理しましょう

などいろいろ論があるが、人材も不足していて、人材が自社のビジネスを生き残らせる存在で、人材の成長が自社のビジネスの発展を担うのだから、人材のモチベーションをマネジメントして向上させることは、自社のビジネスの発展の根幹に関わることだと感じる。