第25話  『後ろ姿』 続き

「世界の果てー扉」 写真展 会場

スの両親が訪れ、母が花束を差し出し、「チュッカヘ、ウリ アドゥル」

父「チュッカハンダ」  「コマウォヨ」 そして入口の方を気にするス。

 

スの自画像写真の前で 

「すっかり、やつれたわね」  「何かあったのか?」 

「別れたみたい、泣いていたわ」  「あいつにも悲しい感情が?」←どれだけクールだと?

「私が一度彼女と、、、」 「タンシン、ウリオンマが 君を訪ねた時、、、」

「なんでその話を?・・・あぁ、、、」   「そういうことだ」 ←無駄だということですね?

【この逸話は母は自分の経験から何が無駄だったのかを母は知っていたということだと

 示唆しているのだと思う。何でも経験って大事だね~後の役に立つ】

 

入口に立つス。

写真展 受付係 「今日も来られてますね」 「ああ、作家本人が毎日来るなんて珍しいわ」

 

流れる曲 『モラソッスルカ どうして気付かなかったのだろう』

どうして気付かなかったのだろう 君は覚えているかな

僕が付けた傷を もう忘れたかな

僕にくれた 君の気持ちを

君を突き放したのに また 君を探している

君を愛していることに気付いたのに 

全ての季節に君がいた事に気付いたのに

こんな僕の気持ちを伝えるよ 君の隣で

 

ウヨンの教室

”恋しさから咲く花” とカリグラフィックされたカップにお茶を入れ、ヒョンジェに出すウヨン

「オッパ、何かあった?」 ヒョンジェはヨンヒに渡すものをウヨンに託そうとやってきていた。

「直接渡せばいいのに」  「受け取らないよ」

「愛って何だと思う?」  「なんで?」

「気になって、私ならもう諦めてるのに、今も彼女を愛し続けてる、だから」

「見返りを求めずどこまで出来るか。何を犠牲に出来るか。命を掛けられるかを考えて、

 その人の為に捧げられるかどうか」

「羨ましい」  「ヨンヒが?」 「二人とも。そんな風に愛し愛されることが、私には縁がないから」

「そうやって、ひねくれていたら誰と出会っても愛されないよ、 スの写真展は行った?」

ヒョンジェはウヨンに「ヨンヒは喜ぶと思うよ」と促されて直接渡すことにする。

【何か迷ったり勇気が無かったりする時は誰かに背中を押して貰いたいものなのかもしれない。

それが間違った相手なら困るけど、この人と思える関係性があれば一人で鬱々としているよりいい。そんな関係性を日頃から持っているって素敵だなぁと思う】

 

会場の外でウヨンを待つスが目にしたのは、写真展の受付嬢が仕事を終えて電話をしている。

「さっきも電話したじゃない。晩御飯が気になって電話してきたの?」

ーー人は幸せを簡単に感じてしまう。 だから、(それを失ったら)空しくなる時がある。ーー

スは回想する。かつてウヨンと交わした他愛のない日常の会話を。

ウヨナ~ 何よ~ この時間が嬉しくて。 ーー 全部直すから~ーー 心から愛してる。 

愛してるわ ーー おはよう、私のス ーーおはよう、僕のウヨンーー チャンと歯を磨いてる?

 

スの心の声(自宅駐車場の車の中で) 

 俺はそれ(簡単な日常的な会話)が出来ずに君を失い、ずっと後悔してる。

 この後悔はいつまで続くのか、まったく見当も付かない。

突然 母が外から 「大丈夫?」

自宅  冷蔵庫におかずを入れながら「栄養の事も考えて食事しなさい」

「何でこんなにカレーを?」 

「カレーは体にいいのよ。免疫力も高めてくれる。辛い記憶にも効くのよ」  

「辛さを癒すために作ったんだろ?」  「バレた?」

「ずっと待ってるあの子は来たの?」  「来ないよ」  「じゃあ、行きなさい」

「無理だよ、気持ちが分かるから行けない」 

そして続けた言葉が 「辛い思い出じゃないよ」 だった。

【この言葉を聞いて、なんて成長したんだろうと思った。自分中心じゃなく、相手の気持ちを第一に考えられるようになったんだね~どれだけ深く愛しているんだろうって思うよ】

 

ウヨンの教室を訪ねるスの母

「本当に感謝の気持ちを伝えたかったの。 スは幼い頃からいい子でいようと

 我儘を言ったことがないような子だった。けど、大きくなって私たちの元を去っていった。

 それで息子を失ったと思っていたけど、あなたと出会ってから息子は変わったわ。

 だから、感謝している」

「これは受け取れません。実は彼と別れたんです」 

「ええ、知ってて来たの。関係がどうあれ、感謝の気持ちは変わらないわ」  

「彼が努力したんです。私は何もしていません」

「人は簡単には変わらないわ。でも、愛する人がきっかけで人は変わるの。

 素晴らしいことよ。 息子と出会ってくれてありがとう」  

「本当にーー私が変えたんでしょうか?彼にとって私は本当にそんな存在だったでしょうか?

 ずっと彼が好きでした。本当に大好きでした。でも、ずっと気になってました。

 以前は何で私を好きになってくれないのか。

 別れた後は本当に私を愛していたのか? 分からないんです」

「二人の問題だから口出しは出来ないけど、私にはそう見えたわ。

 ウヨンさん、あなたの事を心から愛していたと思う」  

「それが一番の問題ですね、信じられないんです、

 まだ未練が残ってるのかもしれません。まだ好きなのかも、この先もずっと続くのかも」

「だけど? 愛し合ってるはずなのに、なぜか歩み寄れない。愛を求めれば相手は遠ざかる。

 そうして人の心はすれ違う。分かるわ。女性として”それでも・・・”なんて言いたくない。 

 だけど、母親としては”もう一度…”と言いたいわ。 ごめんなさいね」

プレゼントされた箱の中には絵とともに写真展の招待状が同封されていた。

「写真家は観る景色が全てよ」と言ったスの母の言葉。

【写真展の写真を見ればスの心が分かると言いたかったのでしょうね】

 

第25話 続く