第23話 『遠距離恋愛』
ウヨンの家
贈り物を持って現れたスに、ウヨンは話があるの と切り出すが、迎えに出た父に促されて、
話は中でしようと 結局 新しい仕事の依頼の話は出来なかった。
【今回は付き合いを申し込む訳ではないが、同じような事になるわけで、
こうした常識を備えているイ・スに感心する。
一方、そんな必要あるの?と聞いたウヨンの見識にはどこかまだ迷っているってこと?
作者はスをウヨンへの愛に目覚めた理想の男に描くが、ウヨンはというと、?なのである。
それはともかく、かの国での男女の付き合いの儀式のようなものが見れて興味深い場面】
スからの贈り物に喜んだウヨンの両親、まずは食事をしようと食卓に招く。
が、やっと、ウヨンは「私は行かない、行けないの」と言うことが出来た。
車の中の二人の会話
もう決めたことなのか? ウン、怒ってる? まさか! 私一人で決めたから。
怒れるわけないだろう。俺だって同じように夢を追いかけているんだから。
俺も行くのを止めて一緒に居ようか? あなたは行って。 俺と離れても平気?
平気な訳ない。でも、お互いに相手の夢を代わりに叶えることは出来ない。
片方が諦めたら、ずっと後悔することになる。それは嫌なの。 「黙り込むス」
別れることになりそうで不安? そうじゃないけど、タイミングが…
「ウヨン、スの手を取りながら」 愛はタイミングだとか、そんな言葉は信じない。
今私達は一緒に居る。 それが全てよ。
すぐに帰ってくるよ。 そうして。余り待たせないでよ。
流れる曲 『今日も私はそこに居る』
毎日一緒に歩いて あなたとは違う道を歩いて あなたを見ながら笑っても
私の心の片隅に 別の自分がいる もう一度自分を突き放してみても、
今日も私はそこに居る
あの時 私たちが共にした時間 私を笑顔にしたあなたが
どんな夢よりも 私には大切だから 今はもう一歩後ろであなたを見つめることに
しばらく あなたを後ろで待つことに 慣れてしまった私が待つことにするわ
今までそうだったように
空港で別れを惜しみ抱き合う二人
気を付けてね。 元気でいて。 「搭乗の案内」 飛行機に乗り遅れちゃう。早く行って。
先に行ってくれないと行けない。 着いたら連絡して。
スは旅立った
流れる曲 『今日も私はそこに居る』
こんな私が明日また、あなたを見たらバカみたいにまた笑うでしょう
愛だわ隠せないのは もう一歩近づきたいのに あなたと向かい合って笑いたいのに
バカみたいに 私はもう一度足を止めるの
翌朝、眠っているウヨンに電話が鳴り耳に当てる 「やぁ、俺のウヨンは耳まで可愛い❤」
電話にスの顔が! 「おはよう、マイ・ス My SU」 「やり直しだ、My UYON」
ウヨンが歯を磨いている時、出勤で街を歩いている時、ドラマ撮影で待機している時、
「明日は何をするの?」 また、飛行機に乗るよ。 どの位? 長旅になる。
一日に数回彼から電話が掛かってきた。 「見て!結構書くことが多いのよ」
お互いの日常を共有して
「サマンサみたい」 誰? SF映画に出てくるAIよ。あなたも画面の中に居るから。
アンニョン、 俺はスマンサだ。
変わらない愛を伝えあった。 「キョン・ウヨン 愛してるよ」 ナドゥ、サランへ~
私達は遠距離恋愛を乗り越えて・・・空港で抱き合う二人 HAPPY ENDの文字が・・・
なんて、嘘だ。
時間の流れはゆっくりで、やっと二カ月が経った。 カレンダーは11月。
朝、家を出るところのウヨンにスからの電話。向こうは夜だ。
「帰ってきたの? ご飯はもう食べた?」 まだ。 早く食べないと!
夜、帰路の途中のウヨンに
「まだ疲れて眠っているかと思ったわ」 仕事で忙しいかと思って。
待ってたの・・・もう 家に着くわ。 ウン、・・・
朝、ウヨン 「連絡するのも大変でしょう?」 向こうは夜のス 「少し忙しい」
疲れて見える。 今日は早く寝て。 もう少し話そう。 明日も忙しい?
一日に数回あった電話は朝と晩に一回ずつ、ある日は一日に一回だけ、
そして、 スのメールが
「昨日は徹夜で撮影して今日は一日中寝てた😢」 大丈夫よ。
ある日は簡単なメッセージのやり取りだけ。
「会いたいな」 俺も会いたいよ。来なきゃよかった。ウヨンと居ればよかった。
そうね。 ゴメン 平気だから謝らないで
”会いたいという言葉が憎らしい”
今日は何をしたの? いつもと同じよ。あなたは? 俺も。 何かあった? アニャ。
平気だよな? ウン、平気よ。
掘り下げる話題が無くなると沈黙の時間が流れた。
ス「何か嫌な事でもあった?」 「ううん、疲れているだけ」
じゃぁ、休んで おやすみ愛してるよ。 ウン、おやすみ
回想、スの部屋で、
スが言う「愛してる、ずっとそばにいて」 ウヨン「あなた次第よ」
選択権はウヨンにあるという訳だ。
そして、遂にその時がやってきた。 バスの中、スからの電話
「何してたの?」 家に帰るところよ。 今から飛行機に乗るよ。何日か連絡できない。
大丈夫よ。
呪文のように唱えてきたけど、一瞬でも大丈夫な時は無かった。いつも嘘をついていた。
「話があるの」 どうした? 「私達、、、もう止めよう。別れたい」 なんで?
ただ、あなたを憎んでしまいそうで辛いの。 ・・・空港の中、立ち尽くす ス。・・・
分かった。 別れよう。 泣かないで。 ご飯をきちんと食べて。睡眠もしっかり取って。
元気でいて。
嘘を積み重ねるほど、私達は遠くなった。 結局、別れを選んだ。
【なるほど~ここでやっとピノキオの逸話が理解できた。
ピノキオの鼻が伸びるほどに相手と遠ざかるということ!なんだ~
決してスが嘘をついていると思ったということでは無かったね】
ウヨンは毎日泣き続けた。
ある日 雨の中、心ここにあらずで傘をさして歩くウヨンとすれ違ったジュンス社長。
雨が上がって晴れ間が出ても、 傘をさして歩くウヨンの後を同じように歩く社長。
停留所で二人 離れて座っている 【映像が綺麗だ】
どうして、一緒に歩いてくれたんですか?
一人で変な人だと思われるより他にも変な人がいれば、少しは慰めになると思って。
相変わらず慰め上手ですね。
これからもそうです。 必要なら頼ってもいいですよ。本気です。
惨めな気持ちにさせるのも上手ですね。
覚えていますか? あなたと以前の僕が似ていたから共感したんです。
あなたを見ていると昔の僕と重なるんです。
もしかしたら自分を慰めるつもりで好きになったのかも。
あなたが幸せなら僕も幸せになれる気がした。
今日みたく偶然会っても、雨が止んだ後でも、あなたとなら傘を差したまま歩けます。
そうして、一年が経った。