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東横線・桜木町駅が消える日の夜が明けた。今日(平成15年2月1日)の深夜、正確には31日午前零時44分、桜木町発元住吉行きで横浜・桜木町間が廃止になる。いざとなると限りなく淋しい。(これは我が人生の大きな<節目>の思い出話。3年前の日記です)。では……

1997年6月20日は金曜日でした。会社から我が家に電話、家内と桜木町駅の改札口で待ち合わせをしました。思い出の場所でランデブー。なんかトキメキました。実は1963年11月17日(日)にもランデブーしていたのです。二人だけで初めて会ったのがこの日。3年半後に結婚。33年後のランデブーは「定年」の日でした。

会社で贈られた大きな花束と「記念品に・・・」と会社を描いた額入りの大きな水彩画を抱えていました。後輩の日曜画家から突然渡されてしまったのです。重かったけど、一生懸命この日のために絵筆を取ったといわれては受け取らないわけには行きませんでした。

生涯、ただ一度しかない日。重い荷物を持っても、家内と「みなとみらいでワインで乾杯」と気取りたかった。入ったのはイタリア人楽士が生演奏を聴かせてくれるイタリアン・レストラン。赤ワインがおいしかったが、気に入ったのがカンツォーネの粋な演奏。ギター、アコーディオンにヴァイオリンというトリオでした。思い入れたっぷり、テーブルを回ってヴァイオリンのソロが大サービスをしてくれます。酔うほどに興に乗って、思わず「オオ・ソレ・ミオ」をリクエスト。

家内が「およしなさい」と止めるのも聞かず、「ケ・ベラ・コーサ、ナイゥナータ・エ・ソーレ・・・」と歌い始めてしまいました。イタリア人トリオも郷里の言葉を聴いて大喜び。
一段と演奏に気合が入りました。

いつの間にか、周囲はしーんとなり、演奏ばかりが盛り上がる。最後に一段と声を張り上げて、息の続く限り伸ばして歌い、一気に終わり。途端に満座の大拍手。うーん、最高にいい気分でした。ついぞ、やったこともないチップなども弾んでしまい、ワインも杯を重ねて、みなとみらいの夜は夢のように更けました。

この投稿をと思い始めてから、突然、あの大拍手は熱演したイタリア人トリオに来たものでは、と思い始めてしまいました。酔っ払いによく付き合ってくれましたネ、と。

あの頃はまだ、ノドも舌もよくまわったけれど、最近はカラオケもカラキシだめ。年はとりたくないものです。

さらば、桜木町駅・・・。