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「『文明が進むほど<天災>による損害程度も<累進>する傾向がある』…。1934年、<地球物理>学者の寺田寅彦は『天災と国防』と題する随想にこんな一節を残した。昨日、大阪府北部で震度<6弱>を記録した地震の被害が明らかになるにつれ、指摘は身にしみてくる。▼今回の地震では、倒れたブロック塀や本棚の<下敷き>になって<死者>が出た他、多くの人がケガを負った。加えて、通勤の電車や新幹線が長い時間、運転を見合わせ、水道やガスなどにも影響が及んでいる」と「日経」コラム<春秋>(6月19日)――。

「『いやが上にも災害を大きくするように努力しているものは誰あろう文明人そのもの』…。寺田の忠告である。▼浮き彫りになったライフラインのもろさを教訓にして、他の大都市も日頃の備えを考えねばなるまい。しかし、難題なのは天災の被害を<忘れ去り>がちなのも人間ということだ。寺田はそれを嘆いた。『地震や津浪は新思想の流行などには委細構わず、頑固に、保守的に執念深くやって来るのである』(「津浪と人間」)」(春秋)…。

「▼一昨年4月の熊本地震では14日夜に震度7を記録、16日未明にも同じ強さで揺れた。結局は14日が<前震>、16日が<本震>とされ、後の方の被害が大きかった。こんな事実さえ、もう忘れられつつあるのではないか。列島に宿命づけられた災害と向き合い、恐れず油断せず、減災に知恵を集め、実践へと移したいものだ」(春秋)…。<減災>に知恵――。

「直下地震対策に甘さはないか」と「日経」社説(6月19日)――。「大阪府北部を中心に最大震度6弱の地震が起き、多くの死傷者が出た。2年前の熊本地震などと比べて地震の規模は小さいが、広い地域で都市機能が麻痺し、被害を広げた。直下地震への備えに甘さはないか。被災地だけでなく全国の都市で総点検すべきだ。地震は18日午前8時前に起き、気象庁によればマグニチュード(M)6.1だった。M7級だった1995年の阪神大震災や熊本地震よりも規模は数段小さいが、都市機能への影響は大きかった。

プールの壁や塀が崩れて死者が出た他、落下物などによる負傷者は数百人に達し、エレベーターに閉じ込められた人も続出した。交通機関が止まって通勤・通学が混乱、百貨店の休業や工場の操業停止も相次いだ。気象庁は今後2、3日程度は規模の大きな地震が続発する恐れがあるとして、警戒を呼び掛けている。地震で傷んだ建物や地盤が、新たな揺れや雨などで崩れる恐れもあり、二次災害への注意も怠れない」(日経)…。二次災害へ注意――。

「今回の地震は直下地震への都市のもろさを浮き彫りにした。耐震基準を満たさない建物だけでなく、古い塀や壁なども点検や補修を急ぐべきだ。ハード面だけに頼らず、通学路や避難路は危険な構造物の近くを避けるなどソフト面の対策強化も要る。医療機関でも非常用電源が使えなかったり機材が不足したりする病院があった。これでは困る。企業も物流の要やバックアップ拠点が機能したのか、事業継続計画(BCP)を点検すべきだ」(日経)…。

「事業継続計画(Business continuity planning, BCP)は災害など緊急事態が発生した時、企業が損害を最小限に抑え、事業継続や復旧を図る計画。事業継続と復旧計画(Business Continuity & Resiliency Planning, BCRP)とも呼ばれる。類義語としてコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)があるが、非常事態が発生した場合、対応策をまとめた計画だが、事業継続よりも緊急時の<初動>計画に力点をおいている」(ウィキペディア)。

「東日本大震災(平成23年3月11日発生)において、中小企業の多くが貴重な人材を失ったり、設備を失ったことで、廃業に追い込まれました。また被災の影響が少なかった企業においても、復旧が遅れ自社の製品・サービスが供給できず、その結果顧客が離れ、事業を縮小し従業員を解雇しなければならないケースも見受けられました。このように緊急事態はいつ発生するかわかりません。BCPとは、こうした緊急事態への備えのことをいいます。

「ただし、突発的な緊急事態がBCPの想定どおりに発生するはずもありません。またBCPを策定していても、普段行っていないことを緊急時に行うことは実際には難しいものです。緊急事態において<的確>な決断を下すためには<予め>対処の方策について検討を重ね、日頃から継続的に訓練しておくことが必要なのです」(日経)…。

「東電、福島第2原発廃炉を検討。知事に表明」と「日経」(6月14日)――。「東電ホールディングスの小早川智明社長は14日、福島県庁で内堀雅雄知事と会い、福島第2原子力発電所を廃炉にする方向で検討すると伝えた。東電が福島第2の廃炉について方針を表明したのは初めて。第2の4基全てが対象となる。2011年の東日本大震災で事故を起こした福島第1原発は既に廃炉作業を進めている。第1とその南側12キロメートルの太平洋沿いにある第2を合わせて、事故前に計10基が稼働していた福島県内の原発は全て廃炉になる。

福島第2を巡って将来の稼働に県民から不安が広がり、福島県など地元自治体が廃炉を求めていた。小早川社長は記者団に『地元復興の妨げになる。これ以上(廃炉決定を)延ばすべきではない』と話した。その上で『福島復興の責任を果たすことが経営最大の命題』とも強調。世耕弘成経済産業相は14日、『地元の声や福島の現状を受け止め方向性を示したことを高く評価したい』と語った。東電の原発は新潟県の柏崎刈羽原発だけとなる。経営再建と福島第1の廃炉・賠償費用捻出に向け、引き続き柏崎刈羽の再稼働を目指す」(日経)…。

「巨大地震を覚悟、準備万端!もし不発に終ったら喜びとしたい」…。これは2008年(平成20年)4月から2年、自治会長、自主防災本部長を務めた火山が掲げたスローガン――。
(平成30年7月4日)