「日本語で通用する交番は、地域の治安を支える仕組みとして海外でも評価されている。▼その安全・安心の拠点が狙われた、富山市の交番襲撃事件は余波が続いている。渡り廊下などに銃弾を撃ち込まれ、臨時休校していた奥田小学校は昨日、授業の再開を予定していた。それが突然、延期となった。新聞社宛てに『学校を襲う』との予告のメールがあったことが理由だという。何という<悪辣>な行為であろうか」(日経)…。
「交番は日本の警察が設置している施設。市街地の各所に設けられた警察官の詰め所のこと。通常は警察署地域課の警察官が勤務している。英訳語としてはポリスボックス(英語: police box)が当てられるが、音訳のローマ字で(kōban)と表記される場合もある。ある程度の人口があるが予算・人員などの都合により独立の警察署を置かない地域に設置され、各種申請・届出事務が可能なものを特に幹部交番(または地区交番)と呼ぶ(通常、交番所長は警部補か巡査部長だが、幹部交番の所長は警視や警部)」と「ウィキペディア」――。
「ただし、警察本部によっては同様の経緯によって設置された施設を『警察署分庁舎』『警部交番』などと呼んでいる場合もある。なお、長の呼称が『交番長』ではないのは正式名称が『派出所』であった時代の名残り(トップは『派出所長』)。警察署の所在地付近の区域は警察署の地域課にその区域を管轄する交番としての機能を持たせ、パトロールや巡回連絡などを行っている場合がある。これは『署所在地』と呼ばれ交番の一つとみなされる。ただし、警察本部や警察署によっては署所在地がない場合もある」(ウィキペディア)――。
「富山市の交番で警察官が刺殺されて拳銃を奪われ、近くの小学校にいた警備員が射殺された事件で、現場となった市立奥田小は2日に授業を再開する予定だったが、急きょ取りやめ引き続き臨時休校とした。朝日新聞社に『奥田小を襲う』という趣旨のメールが届いたためで、富山県警は事件との関連を調べている。同校に通う児童からは『友達と会いたかった。残念だ』などの声が漏れた」と「毎日」(7月2日)…。
「▼奥田小学校は事件を受けて通学路を見直し、保護者や地域の人たちは見守りの活動を強化するなど安全対策を進めている。警察と学校、保護者、地域が手を取り合って事件を乗り越え、1日も早く子どもたちが安心して通える小学校に戻ることを祈りたい。取り組みの要になるのはもちろん、日本が世界に誇る交番である」と「日経」コラム<春秋>――。
「『個の力』引き出す労働改革をさらに前へ 」と「日経」社説(6月30日)…。いささか<異例>だが火山、「KOBAN」の巡査を「働き方」改革の目で眺めたくなった――。「働き方改革関連法が成立した。日本の生産性や成長力を高める改革の前進を歓迎したい。法の成立後も課題は多い。たとえば伸びる産業に人材が移りやすい柔軟な労働市場の整備は先進諸国に比べ遅れている。雇用・労働分野の改革に政府は更に力を入れる必要がある。
働き方改革関連法の柱は3つある。一つは残業時間の上限規制導入、次に正社員と非正規社員の不合理な待遇格差をなくす『同一労働同一賃金』の制度化。そして一部専門職が対象の職務や成果を元に賃金を決める『高度プロフェッショナル制度(脱時間給制度)』の創設だ。いずれも、個人の働きやすさややりがいを高める改革といえる。残業規制は事実上青天井で延ばせる時間外労働を制限し、健康を守りやすくする。同一労働同一賃金はパート社員らのモチベーションを上げ、脱時間給は労働時間規制に縛られずに働ける制度だ」(日経)――。
「個人が能力を発揮しやすい環境をつくることで、生産性の向上が見込める。長時間労働の是正は女性や高齢者の就業意欲を高める効果も期待でき、労働力不足を和らげることにもつながろう。今後の課題は個人の力を引き出す仕組みを更に整えていくことである。一つは働き方の選択肢をもっと広げることだ。働き方改革関連法からは、仕事の時間配分を自分で決められる裁量労働制の対象業務拡大が、厚生労働省の調査データ不備問題で切り離された。できるだけ早期の対象拡大の実現を求めたい」(日経)――。
「人が柔軟に仕事を移っていける流動性の高い労働市場づくりも急がねばならない。民間の職業紹介サービスを個人が利用しやすくするための規制改革は急務だ。新しい仕事に転じるためには能力開発が重要になる。公共職業訓練の見直し、在職者が受講しやすい短期のコースを拡充するなど、社会人の学び直しの支援を工夫して進める必要がある。女性の就業促進を阻んでいるものもある。今は年収が一定以上になると、夫の配偶者控除が満額適用されなくなったり、社会保険料負担が生じたりする。
『専業主婦モデル』を前提としない制度への見直しが求められる。労働分野の改革と税制や社会保障の改革を一体で進めることが欠かせない。年金制度の見直しには高齢者の就業を促す視点も要る」(日経)――。「KOBAN」勤務の巡査、たぶん「働き方」では<高プロ>でしょう。高度の<自律>が求められる。「企業は<自己実現>の場。人生は一人一人が<主役>」。火山のモットーです。<個>を大切にする<組織>は生きがいに満ちている。
(平成30年7月3日)