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「オーストリア首都の『ウィーン』と大分県の湯布院を、寅さんがつい聞き間違え、ウィーンへ行くことになるのは『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』。あまり似ていない気もするが、そそっかしい寅さんならさもあらん▼寅さん、同じ映画の中で、もう一つ、地名を混同している。帰国後、ウィーン製と称するバッグを売るのだが。その口上が『オーストラリアはウィーン製のバッグだよ』。案の定、客に『ウィーンはオーストリアの首都じゃろが』と指摘されるが、言い返す」と「東京」コラム<筆洗>(6月14日)…。

「『そういうこともありました。昔は』。▼ややこしい地名の話題に寅さんなら『カンベンしてくれよ』と言うか。旧ユーゴスラビアのマケドニアが名を『北マケドニア』に改めるそうだ。▼1991年の独立以来、その国名を使っていたが、まかりならんと主張したのが隣国ギリシャ。何でもマケドニアはアレキサンダー大王の昔からギリシャの北を意味する地名であり、それを使うのはギリシャ領土への野心の表れとまで批判。マケドニアのEU加盟にも反対するなど、こじれていた」(筆洗)…。

「▼遠い国から見れば、そんなことでと思うかもしれぬが、当事国のこだわりも分かる。今回、古代マケドニアと区別、北と加えることでギリシャも折れた。▼漢字なら一文字で済んだ話に20数年。ともあれ、その対立も『そういうこともありました。昔は』になればいい」(筆洗)…。笑える。BSジャパン「やっぱり土曜は寅さん!『男はつらいよ』」を土曜の都度、観る火山、竹下景子がマドンナ役、第41作・ウィーン編「寅次郎心の旅路」をデジカメで撮影した。「私、生まれも育ちも葛飾柴又、人よんでフーテンの寅と発します」――。

「今や米国は世界の深刻な不安要因である。トランプ大統領がいそしむ秩序破壊の後には混乱が広がる。そのつけは自身に返ってくることを悟るべきだ。米国の威信低下が著しい。米ギャラップ社が昨年、134の国・地域で実施した<世論調査>によると、米国の指導力を<評価>する人は<30%>と、オバマ政権時の2016年から<18>ポイントも<下落>した。しかも同盟国・友好国で評価しない人が多い」と「日経」社説(6月15日)…。

「ノルウェーは評価しない人が83%と最も高く、カナダとメキシコも7割超――。<同盟国も『敵国』扱い>…。「自由、人権、民主主義という共通の価値観で結ばれた同盟国・友好国とのあつれきは、カナダで先週開かれたG7サミットを引き裂いた。米国の金利上げに伴う新興国の通貨安、イタリアの政治不安、欧州市場の動揺、中東情勢の混迷…。リスク要因に事欠かない状況、G7は結束できなかった。はらわたが煮えくり返る思いだろう。

議長国カナダのトルドー首相は総括記者会見で『第一次大戦以来、われわれは米軍兵士と肩を組んで異国の地で戦ってきた。米国が安全保障を理由にすることを軽く見るわけにはいかない。これは侮辱だ』と述べた。トランプ政権がカナダはじめ欧州連合(EU)や日本という同盟国に導入した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限の理由に、よりによって安全保障を挙げたことを批判した発言だ」(日経)…。

「敵国同然の扱いをされたと怒るカナダと欧州は報復する構えだ。貿易戦争に発展しかねない雲行きである。第二次大戦の欧州戦線の先行きが見え始めた1944年7月、米国東部のブレトンウッズに連合国が集まり、米ドルを基軸通貨とする国際経済の仕組みを固めた。国際通貨基金(IMF)と世界銀行の創設も決まり、ブレトンウッズ体制は産声を上げた。米ホワイトハウスの西側にはIMFと世銀の両本部が付き従うように立つ。米国が事実上支配した戦後の世界経済体制を象徴する光景である」(日経)…。

「48年には関税貿易一般協定(ガット)ができた。29年の大恐慌によって各国が保護主義に走り世界経済のブロック化が進んだ。それが第二次大戦の遠因になった反省から生まれた自由貿易推進のための協定。95年にガットは発展的に解消、世界貿易機関(WTO)が発足。米国自身が大きな恩恵を受けたこうした経済体制を、トランプ氏は壊しにかかっている。

<大国に求められる自律>…。「輸入制限には米国内でも、鉄鋼の大口消費者である機械メーカー、アルミ缶を必要とするビール業界などが反対を唱える。コスト上昇や雇用喪失につながるからだ。米製品の競争力もそがれ、世界経済も混乱する。貿易戦争に勝者はいない。独善と身勝手で米国を孤立に追いやるトランプ氏。それでも最近、支持率は持ち直し4割台に乗った。大国が身勝手な振る舞いをすれば、他国とのあつれきを生む。誰も国際規範を守ろうという気をなくす。混乱が広がり、そこにつけ込んで自分の利益を図る者が現れる。

だからこそ大国は自ら律する意思が求められる。超大国の米国であっても力には限界があり、難しい国際問題には他国との協調対処が必要となる。昨年、北朝鮮に最大限の圧力をかけるよう各国に呼び掛けたのは、トランプ氏ではなかったか。一方、G7サミットと同時期に開かれた上海協力機構(SCO)の首脳会議。ホスト国の習近平中国国家主席がロシアや中央アジアなどの各国首脳らを前に、SCOは『世界の統治を完全なものにする重要な勢力だ』と述べた。国際舞台では米国の退場で生じた空白を中国やロシアが埋めにかかっている。

「G7サミットに出席したトゥスクEU大統領は『ルールに基づく国際秩序が試練に立たされている。その元凶が秩序の保証人たる米国であることには全く驚かされる』と語った。◆秩序の保証人のはずが、その上で『秩序を損ねるのは無意味なことだ、と米国を説得する。民主主義も自由もない世界を望む連中の思うつぼになるからだ』と力を込めたが、トランプ氏は耳を貸さなかった。破壊した後にどんな世界をつくる考えでいるのか」(日経)。


トランプ氏の場当たり的で一貫性に欠ける言動からは、そんなビジョンはうかがえな