現大統領であるバイデンさんですが、次の大統領選から撤退するとのことです。次期大統領候補としては副大統領のカマラ・ハリスさんを推薦しています。
撤退はしたくなかったのかもしれません。しかし、そうせざる得ない状況だったと言えるのではないでしょうか。できれば、もっと早くにバイデンからの民主党としては切り替えをしたかったところかもしれません。
バイデン大統領については、その発言などにおいて、高齢化の影響を感じさせるものが多く起きていました。そのため、このまま大統領この人で大丈夫なの?と思う人がいてもおかしくはなかったと思います。
しかし、それでもトランプがまた大統領になるよりはましと思っている人も少なくなかったはずです。トランプはプロレスであり、支持している人も多い一方で、アンチも多い人でしたから。
だからこそトランプになるなら、バイデンでもという選択肢というのは当初はあったわけです。一方で、トランプもバイデンもどちらも支持しないという意見も1/4あるなど、非常に苦しい状況だったというのも確かです。
そんな中、トランプが公演中に撃たれるという事件が発生しました。
犯人はすぐに取り押さえられ、トランプも奇跡的に怪我で済んだものの、そこからのトランプのパフォーマンスは非常に印象的なものだったように思います。
星条旗の前でSPに支えなられながらも、拳を強く掲げるトランプ、今年の代表的なフォトの一つになるであろう完璧な構図のトランプの写真は、強いアメリカを彷彿させ、これは、大統領選の流れを変えるには十分な出来事だったように思います。
方やボケた発言をしてしまう、大統領、方や、撃たれた翌日にゴルフに向かうところを見せるトランプ、この対照的な構図というのは、民主、共和などではなく、どちらに任せたいかと思わせる上では十分な違いというのを見せつけたものでした。
この出来事がなければ、あるいは、高齢化の進むバイデンもまだ、やれると思ったかもしれません。
しかし、この出来事は明確に二人の違いというのを印象付けるものであり、それは、民主党、バイデンにとって、このまま自分がトップで大統領選に向かうことのリスクを感じさせるには十分なものだったように思います。
もともと、アンチトランプは多く、民主党側の心配事は、バイデンの歳というのは一つあったように思います。(まぁ政策への批判ももちろん多くあったわけですが。)
その上で、バイデンのリスクというのを下げることができれば、アンチが少なくないトランプ相手となると、勝機はあるという判断になったのではないかと思います。逆にバイデンでは無理だという判断になったということでもあります。
実際に次期大統領候補が誰になるかはわかりませんが、ハリスというのは当然立場上の選択肢になりますし、妥当な線をつける人選でもあります。
黒人女性で副大統領になったハリスさんは、人種、性別の面で、民主党らしいアピールをするには有効な人材だと言えます。
トランプが白人中心的というところがあるので、それに対して、多くの人種を受け入れ、そして女性の社会進出をアピールできる存在だからです。黒人女性での大統領とでもなれば、それだけで非常に大きな話題となるでしょう。どこかの誰かが黒人で大統領になっただけでノーベル賞を取るくらいなわけですから。結果がどうなるかはこれからであり、まずはそれだけのアピールできる存在であるということが非常に大きいのです。
トランプは今回のバイデンの撤退に対して批判をしていますが、正直なところトランプとしては撤退なんてしてくれるなというところだったかと思います。
なぜならば、バイデンであれば、少なくとも今の状態であればトランプが勝てた可能性がかなり高いからです。
トランプが撃たれた後、円高に進みましたが、トランプが大統領になる可能性が高くなったのも遠因にあったと言われるほどです。
しかし、相手が民主党らしい答えである、黒人、女性であり、トランプやバイデンより一回り以上若いとなれば話は別です。
トランプはアンチが多くいる状態ですし、民主党の政策に対しても少なくともアメリカ国民は納得をしていないところが多くあるのは確かです。
そういった状態ででは、誰にするか。一つは、強いアメリカを、アメリカ中心のアメリカにとトランプを支持する人たちがやはり出てくるかと思います。他国のことよりまず自分の国のこと、そこを優先してくれるというのは生活に苦しい人にとっては魅力的です。
一方で、ハリスであれば、性別によりアンチな票もあるかもしれませんが、多くの層を受け入れやすい存在とも言えます。人種のるつぼであるアメリカにとってこれは大きなポイントとなりそうなところではあるんですが、実はハリスあまりアメリカ国内での評判は高くないようです。
日本では石丸構文と話題になりましたが、ハリスもまた同じことを繰り返していって、何をいっているのかわからないなどと言われたりすることもあるのだとか。日本だと副大統領のハリスがどういう人物かというところではイメージがわかないですが、アメリカ国内での評判からすると、ちょっと一人歩きした存在みたいな感じのところがありそうですね。
まぁ、実際、そもそもハリスが十分に可能性を感じさせる人物であるならば、そもそもここまでバイデンを党として引っ張る必要があったのかという話にもなるわけです。
ヨボヨボとした動きに、ボケているのではないかと指摘されるような発言をしてしまうバイデンをここまで引っ張るという選択肢になったのは、本人がどうのというよりは、他にめぼしい候補者がいなかったからというのが正直なところでしょう。
それならば、バイデンで労働者層からなどの支持を獲得できた方がまだ可能性が高いというわけです。
ハリスは条件からすれば、黒人、女性などいかにも今の時代の民主党らしさを示すにはちょうどいい人材であったはずです。
にも関わらず、ハリスではなく老いたバイデンをここまで引っ張らざる得なかったというところあたり、現実としてのハリスの評価というのを表しているとも言えます。
とはいえ、ここで民主党は、崖っぷちでの立て直しの機会を得たとも言うことができます。
一度は、トランプが圧倒的に有利な状態かと思われた大統領選ですが、ここにきてバイデンが撤退をしたことによって、状況がわからなくなりました。
ハリスでなくても、バイデンよりはマシとなるだけで、民主党の勢いも変わる可能性があります。
トランプが撃たれたことによってカードを手にしたのは共和党でしたが、バイデンが撤退を洗濯したことによって、状況の鍵を握るのは民主党側になったというわけです。
果たして、民主党がどういう結論をだすのか、大統領選がどうなるのか注目です。