第74回 安田記念 回顧 | 米の心

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週末に行われた安田記念について。今回は久々に海外勢で実績のある馬の参加ということでも注目を浴びましたが、一方でマイルでの圧倒的な存在がおらず、本命不在とも言える中でのレースとなりました。

JRA開催の古馬混合マイルG1といえば、安田記念とマイルCSになりますが、このどちらのレースでも好走する馬は意外と少なかったりします。安田記念は東京の長い直線、坂があり、時期的に馬場が安定しにくいなどといったことも理由にあるのかもしれません。意外と本命の馬が勝たないことも多かったりしますね。

安田記念は時期的なもので言えば、マイル戦線の春の目標となるレースです。加えて言えば、牝馬もこのレースを目指すことが多いですね。この後に控えるG1は宝塚記念ですが、2200はマイラーには厳しいですし、馬場状態も難しいレースであり、このレースが目標となるレースとなります。

その点で言えばマイルCSは少し事情が変わってきます。秋の目標をマイルCSにするかどうかというところでは選択肢が生まれるからです。

12月の2週目には香港デーがあり、短距離、マイル路線なら香港のレースを使うというのは選択肢になりますし、中距離まで対応できる馬であれば、マイルCSより天皇賞・秋を目指すということも可能です。

天皇賞・秋の場合は、そこから香港Cやマイルを狙うというローテもできるというのは一つ大きいかもしれません。

マイルCSはその意味では、時期的に非常に難しいものがあり、強い馬であれば香港マイルなどを選択するなどといったこともできるので、出走馬のレベルが安田記念に比べると安定しにくいというのはもしかするとあるのかもしれません。

結果、マイルCSではいい走りを見せたけど、安田では掲示板止まりみたいなケースも出てしまうというわけです。

その意味ではG1でいい走りを見せたからではなく、対戦相手はどうであったか、前年の安田ではどういう走りを見せたか、東京1600との相性はどうだろうなどといったことを複合的に見た方がいいのかもしれませんね。

さて、では、その安田記念ですが、優勝したのは、香港馬であるロマンチックウォリアー。ロマンチックウォリアーが優勝したことにより、今年のG1勝利ジョッキーが全て異なるジョッキーであるというのが継続となりました。

ロマンチックウォリアーについては、これまでの実績が2000mであるというところでどうなのかというところもありましたが、見事優勝しましたね。とは言っても、香港スチュワーズCなどのマイルG1で2着などマイルへの対応は可能な馬だったように思います。

また、このレースについては稍重でのレースとなり、稍重になったということはよりパワーや体力がいるレースになりやすく、この馬が2000mを主体として活躍してきたというのが帰ってプラスに働いたのかなと思います。

前目からのレースで直線では早めに抜け出し、そのまま長く脚を使っての粘りがちであり、2000mなどを得意としてきたスタミナを感じさせるレース運びでした。

1番人気に応えての優勝となりますが、日本馬以外が優勝するのは久々ですね。これを機にもっと海外の馬が国際G1のレースに出てきてくれると面白いのですが。

2着に入ったのは武豊騎乗のナミュール。前年のマイルCSの覇者がここでいい走りを見せましたね。

VMでは8着に終えた馬がでしたが、安田ではいいところを見せました。VMでダメだった馬が安田で走るというのは割とあったりしますね。

昨年は安田16位と全くでしたので、これまでの東京マイルの実績上、安田は相性が悪いのかなと思いましたが、ここにきて素晴らしい走りを見せてくれました。

上がり3Fについて全馬中最速であり、やはりキレのある馬というのは、長い直線の東京だと一発がありますね。最後併せながら、伸び、2着を確保した勝負根性といった点も素晴らしかったように思います。

ナミュールはハーピンジャーに母父がダイワメジャーですから、マイルは非常に相性がよさげな血統背景です。

ダイワメジャー自身が仕上がりが早い馬であり、産駒もその傾向にありますが、古馬になってからは、勝ちきれないレースが続きました。その後、復活を遂げG1を4勝しています。

産駒についても、母父ではありますが、もしかするとこの鍋底型といいますか、一度古馬で苦しむもその後に成長を遂げるという傾向があるのかもしれませんね。ナミュールもまた早い仕上がりだったものの、その後苦しみ、またこうして活躍するようになった馬です。

武豊とのコンビ2戦目、こういう脚を使うレースはさすが武豊といった感じがします。

そのナミュールと最後まで競ったのが、ソウルラッシュ。2番人気の馬で、結果は人気上位で終わったレースとなりました。

ソウルラッシュは、父がルーラーシップ、母父がマンハッタンカフェという血統。ルーラーシップはキセキなどがいたので長距離で走る馬のイメージもありますが、割と重賞勝ちはマイル中心だったりします。母父マンハッタンカフェといったところでも、長距離の方がおもしそうと感じてしまう馬ですね。

実際血統的なところあって、当初はもう少し長い距離というのを意識したような使われ方をしていますね。デビューで2000mですし、その後も2000オーバーのレースを中心に使われていました。

その後マイルで勝ち星を上げてからは、マイル限定で使われています。

後ろから行くこともあれば、前からもレースのできる割と融通性のいい馬ですね。

昨年のマイルCSの2着の馬であり、結果、優勝したロマンチックウォリアーに、昨年のマイルCSの1着2着馬がそのまま馬券に絡むという、固いレースになりました。

本命不在のように言われていたレースですが、実際のところはG1での実績のある馬が結果を出したって感じですね。

そのほか掲示板は4着に5番人気のガイアフォース、5着に3番人気のセリフォスが入っており、1〜5番の人気馬が掲示板を独占するということになり、混戦模様とはなんだったんだという感じですね。

安田記念の結果でも5歳以上の古馬が中心の活躍であり、4歳世代ではエルトンバローズの8着が最上位となっています。ちょっと今の4歳世代は元気がなさすぎるので、ここからの挽回が欲しいところですね。

安田記念が終わるとJRAの春のG1は一旦落ち着きが出る感じですね。あとは宝塚記念を残すのみとなります。宝塚記念は季節的な問題もあって馬場状態などが難しく、予想が難しいレースの一つだったりしますね。私の場合は、予想の記事を書くタイミングがそもそもレースの数日前などであったりするので、余計馬場の情報とかが曖昧なところがあったりしますね。

今年前半の最後のG1となる宝塚記念も素晴らしいレースを期待したいですね。

最後となりますが、ロマンチックウォリアー優勝おめでとうございます!