リモートレジの話 | 米の心

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インフレがすごいですね。日本なんかはまだマシの方で、海外などはさらにインフレが進んでいるそうです。それもあってか、今日本はインバウンド特需となっていますが、いつまで続くのかもわからないところがあります。

日本のレストランが外国の方には非常に人気だそうですが、その理由の一つが質と値段どちらも魅力的だからだそうです。

日本人の食へのこだわりは凄まじく、チェーン店などでも安く美味しいものを提供するお店は多いですね。安いお店が美味しいということは、当然それより高い価格のお店もその価値にあったモノを提供しなければなりません。そこに日本人の味へのうるささ、こだわりなどがあって今の日本の食文化というのは構築されてきたと言えます。そもそも外食産業がここまで発達した国というのはあまりないかもしれません。

まぁ、その意味ではこの値段が上がっていくというのは、実は好ましくなく、それは外食の利用についてより厳しく、回数も減るということになります。そうなると気軽に利用していたお店などが経営が難しくなり、倒産などにもつながってしまうわけです。ラーメン屋の倒産の理由には、値段の高騰の中、日常的に使う日本人のお客の客足が遠のいたり、より精査してお店を選ぶようになったというのはあるように思います。

日本ではラーメン1000円は壁とも言われたりもしますが、海外だと3000円も当たり前。となると、海外の人からすると日本のラーメンに惹かれるのも無理はないかもしれませんね。

アメリカでマクドナルドで食べようとすると、3000円近くになってしまうそうです。レジの自動化なども導入がありましたが、その中でチップなどが組み込まれていて、そのチップを払うということに対して抵抗を覚える人もいるのだとか。

さて、ではアメリカで3000円と言われて、マクドナルドをみんなが頻繁に利用しているかといえば今はそうではないというのが現状だそうです。

昔は貧困層が高カロリーなものばかりを食べていたから太ったなんてことが言われたりもしましたが、現状マクドナルドの3000円は貧困層には届かないというわけです。よって、外食というのは以前ほどに気軽に使えるものではなくなりつつあるというのは日本だけではなく海外も同様のようです。

そんな中アメリカで導入されているのがリモートレジだそう。

リモートレジの特徴としてあるのは、レジの対応をするのがリモートであり、そのリモート先はアメリカ国内ではなく、海外であるということ。

海外であることが重要なんですね。海外在住のままであるというのがポイントです。

アメリカ国内であるとなぜ行けないか、それは各国が定める最低賃金などがあり、それを上回る必要があるからです。物価高のアメリカでは人件費も上がっており、アメリカ国内の人を使うとレジ員のコストが非常に高くなってしまいます。

一方でそこまで最低賃金が高くない国であればどうでしょうか?別に最低賃金で支払う必要はなく、それよりある程度その国の国民にとって魅力的な時給であれば、レジ員をやりたいという人は出てきます。

家でもどこでも、繋げることができればできますし、下手に国内の外で仕事を探すより、安全や快適さすら確保されるかもしれません。

東南アジアなどは人種のるつぼであり、英語を話せる人なども珍しくありません。レジの対応くらいであれば、少し話せる人であればできるでしょう。

アメリカ企業からすれば、人件費を安く抑えることができ、海外の人からすれば安全な場所で仕事ができるというわけでどちらにとっても魅力的というわけです。

もちろん、このサービスには穴があります。

リモートレジで対応するということはその場にいないわけですから、勘定が合わないだとか、利用者の悪質な行為に対応できないからです。

日本でもセルフレジがある程度普及しましたが、一方で初期コストはかかりますし、万引きなどのリスクがあることを指摘されています。セルフレジの場合は万引きが意図的かどうかはわかりにくいというのはややこしい点ですね。

リモートレジにしろ、リモート環境となるとカメラ等での確認になりますから、自然死角などが発生することがありますし、万引きが増えているアメリカにおいてリモートレジでレジを通さないなんて人がいても珍しくありません。

まぁ、ただそれはリモートレジの欠点というよりは、今のアメリカ社会の欠点ともいうべきかもしれませんが。

ただ、このリモートレジの考え方は日本とのマッチングも面白いのではないかという気がしますね。

日本も最低賃金が上がってきていますが、東南アジアなどではより安いところはまだあります。

そして日本人は英語を苦手とする人が少なくない一方で、近年は外国人旅行客が増えています。

そういったとき、リモートでの外国人対応を外国にいるままでしてくれるというのは魅力的です。

これはレジにこだわる必要はそもそもありません。その意味で言えばIT系のエンジニアなどをインドなどに発注するということは以前からあった話です。

今は、それをより様々なことについてお願いできるような時代になってきました。

もちろんマニュアル等の作成は最初必要かもしれませんが、日本人が苦手とする外国人対応を外国にいるまま誰かが対応するそのような時代ももうきているのかもしれません。