第91回 東京優駿 回顧 | 米の心

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日曜日に行われた3歳の集大成となるレース東京優駿、日本ダービーについて。圧倒的な1番人気にジャスティンミラノがなる中どの馬が勝つか注目のレースとなりました。

牝馬のレガレイラに乗るという選択をルメールがしたという点も一つ焦点だった様に思います。

その日本ダービーですが勝利したのは、ダノンデサイル。(予想の時にダノンデザイルと記述してしまってました。すみません。)

皐月賞で横山騎手が違和感を感じとり、除外へ、その中から建て直しのレースとなりました。まず、優勝出来る様に調整した厩舎も素晴らしいですが、その騎手の違和感に対して大事をとって除外を許した馬主の判断も素晴らしいですし、きちんと信頼関係を構築できているんだなというのを感じました。

この馬は切れ味が圧倒的にあると言うタイプというよりは脚を長く使えてこそ面白い馬なので、前目でのレースが出来るかどうかというのは一つ焦点だった様に思いますが、その点ダービーでは自分たちのやりたいレースがきちんと出来ていた様に感じますね。

エピファネイアはこのレース勝ちきる事が出来ませんでしたが、仔の代で見事優勝する事が出来ました。

エピファネイア産駒はデアリングタクトなどの世代前後の時に非常にいい結果を出していたため、話題になりましたが、その後一時期G1から遠ざかっていましたが個々に来てまた復活して来ていますね。

今年はキズナ産駒がいいと言われていました。それはキズナが種牡馬場としてデビューした1世代目から活躍をしたため、結果いい馬が当てられる様になったからと言われています。

しかし、その意味で言えばエピファネイア産駒も同様と言えるのかもしれないですね。エピファネイア産駒も17年産のデアリングタクトが牝馬三冠を達成し、翌年にはエフフォーリアが年度代表馬となる活躍をみせています。

元々エピファネイア産駒は期待はされていたもののやはり走るまでは分からないので、1年目は多く種付けされて2年目、3年目と徐々に少なくなったり、相手が悪くなっていくというのが一般的な流れです。

そして、その第1世代が活躍した事によってやはりエピファネイア産駒はいいということで評判になり、また種付けが増えたり、質が上がったりというわけです。

特にエピファネイアの場合は、父がシンボリクリスエス、母父がスペシャルウィークという血統です。ミスプロとも合わせる事が出来れば、サンデー系の産駒も今は3世代目以降となってきているので無理ではなくなって来ています。

今年は、古馬になってからテンハッピーローズがVMを勝つなど古馬になってからの成長力がどうだと言われていたところも否定できる結果をだしつつあるので、この後もいい相手に恵まれる可能性は高そうですね。

蓋を開けてみればキズナの世代というよりは、エピファネイアが再び強さを示した今年の前半といえるのかもしれません。

現役時代に火花を散らした二頭が古馬になってもライバルとしてしのぎ合うというのはいいですね。

2着になったのは皐月賞馬ジャスティンミラノ。強さも示しましたし、割とやりたい競馬は出来ていた様に思いますが、最後の直線でダノンデサイルに及びませんでした。

戸崎騎手の責任ではないですが、やはりダービージョッキーとは誰もが慣れるものではないと言うのを感じさせるところがありますね。

ジャスティンミラノの父キズナと、ダノンデサイルの父エピファネイアの日本ダービーの結果の逆となってしまいました。

ただ、この馬が強いというのは示す事が出来たので、やはりこの世代を現状引っ張っていく存在の一頭であるのは間違いないかと思います。

ただ、エピファネイア産駒はおそらく菊花賞でも走りそうな距離の様に思いますが、キズナ産駒で距離が長いところで活躍したのは融通性のあるキングヘイローを母父にもつディープポンドくらいなので秋の選択肢がどうなるのかという点はちょっと気になりますね。

3着に入ったのは、シンエンペラー。

外国産の馬初の日本ダービー制覇とはなりませんでしたが、前走の5着からの巻き返しでの3着となりました。この辺り矢作さんのうまさを感じますね。

シンエンペラーは父がヌレイエフ系のシユーニ、母父がガリレオという血統。シユーニ自身はマイルくらいまでを中心に活躍した馬ですが、20年の凱旋門賞のソットサスなどを排出しています。

ソットサスはシンエンペラーの全兄に当たる存在ということもあって注目されていた馬ですね。

まぁ、母父がガリレオでシユーニ自身もヌレイエフの流れを持ち、母父はダンジグ系のデインヒルの流れというわけですから超良血馬なのは確かかなと思います。

欧州血統の馬はスタミナがあるため日本だと距離延長で走る事も多いですが、シユーニ産駒もソットサス以外はマイル前後を中心に活躍する傾向があるので菊花賞の3000などへの適性がどれだけあるかはちょっとわからないですね。

兄のソットサスは古馬になってから凱旋門賞やガネー賞を取っていると言うところからするとこれからの成長に期待できる馬かもしれませんね。

2番人気となったレガレイラはどうにか掲示板確保の5着。

スタート後の位置取りなどからして、ちょっと内側での待機となるのは後方からの競馬となるこの馬にとっては厳しかった様に思います。正直直線入った段階では無理かなと思っていましたが、そこから掲示板に載ったという点からするとやはり実力はあるのかなと思います。

上がり3Fは33.2で全体の最速を記録していますし、ハマれば強い競馬を見せられるのではないでしょうか?

ただ、レガレイラがこの後どのような選択を選ぶのかは一番予想がつきにくいですね。父のスワーヴリチャードは2500までしか走っていないですが、母系統が母父ハーピンジャー、母父父がダンスインザダークといったところでいえば3000はこなせる可能性はありそうです。

しかしながら菊花賞に挑戦して菊花賞を取りたいと陣営が思うかは疑問です。同じクラシック三冠でもやはりダービーは特別なものですし、3000という距離が嫌われるのもあって、牡馬ですらこのレースを回避して秋天に向かう馬がいるほどですから、積極的に狙いにいくかというと別な気がします。

かといって、ここまで牡馬を相手に戦って来て、秋華賞を果たして狙うのかと言うとその点もどうなのか、となると古馬を含めて秋天を狙いにいくのかなとも思ったりとちょっと秋の使い方に幅ありそうです。

結果として勝てなかったという点から、牝馬レースでまずは結果をともなるかもしれませんし、強気にこのままレースを狙っていくかもしれません。その辺りどうつかうのかは気になるところです。

3歳のクラシックはこれで一旦落ち着きをみせ、ここから秋に向かいさらなる成長がどうなるか楽しみなところですね。

ダノンデサイル、優勝おめでとうございます!。