第85回 優駿牝馬 予想 | 米の心

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さて、ついに3歳牝馬の集大成となるレース優駿牝馬、オークスの開催となります。今年については、2歳牝馬女王がNHKマイルに向かい、レガレイラは牡馬クラシックに挑戦となかなか3歳牝馬のローテについてもそれぞれの選択があって面白いですね。その中で桜花賞を制覇したステレンボッシュがクラシック二冠を達成するのか、はたまた他の馬が勝つのか非常に注目のレースとなりました。

ちなみにここ数年は桜花賞組の結果が素晴らしいですね。牝馬の場合、それまでに1600以上のレースというのが多くなく、古馬になってもVMのようなマイルのレースが多いですから、使い方としてもマイルを中心にしたものになりやすい傾向があります。それを考えるとその年の実力のある馬が桜花賞に集結するというのは自然の流れであり、その桜花賞で結果を出した馬がそのまま、オークスでも有利になるというのは当然の流れかもしれません。

たまに2400で強い牝馬というのが勝つこともありますが、スローペースの流れになることも多く、意外とスタミナが問題で大負けするということは最近あまり見ない気がしますね。

特に最近のオークスの勝利馬を見ると、アーモンドアイやデアリングタクト、リバティアイランドといった三冠牝馬が出ており、スターズオンアースも二冠ながらに古馬で牡馬相手に好成績を残すなど強い牝馬が続いています。一昔前はかつてはメジロラモーヌがとった後は、03年のスティルインラヴまで長く現れることがありませんでした。

しかしその後10年代になると、アパパネが牝馬三冠となり、ジェンティルドンナからリバティアイランドまで4頭現れています。10年からの13年間で4頭というのはなかなかの割合ではないでしょうか?

コントレイルが20年に牡馬三冠をとりましたが、その前はオルフェーヴル、その前はディープインパクトであり、さらにその前となるとナリタブライアンとなり、10年に1頭現れるかどうかというペースからするとかなりペースが早いように感じますね。

これは牡馬で3000mの価値が減る中でそこに向かう馬が減っているというのもあるのかもしれませんが、流石に皐月賞とダービーの二冠をとった後は三冠を狙いに行くということがほとんどでなわけで、皐月、ダービーの二冠を取っている馬そのものがあまり出ていないということが言えます。20年代ではコントレイルのみ、10年代では、オルフェーヴルの他はドゥラメンテですが、ドゥラメンテは怪我で菊花賞に出ておらず、00年代もディープの他はメイショウサムソンとネオユニヴァースがいるくらいです。二冠そのものの達成が近年牡馬では難しいという傾向が表れていると言えます。

牝馬の場合は特にマイルから2400までこなし、結果を出せるのであれば実力で言えば世代トップであるのは間違い無く、そのまま秋華賞でも結果を出せているということなのかもしれません。

オークスは桜花賞組以外では忘れな草やフローラSなどが絡むこともありますが、原則としては桜花賞組が強い傾向があります。ただ、最近ではローテも多様化しており、桜花賞に出れなかった馬が直接というケースもあるので、この辺りは広く見る必要があるかなと思います。

では、今年のオークスの予想はというと、

◎ ステレンボッシュ
◯ タガノエルピーダ
▲ ライトバック
△ アドマイヤベル
× ミアネーロ

としました。

本命はステレンボッシュ。血統背景で見ると父がエピファネイアで母父がルーラシップ。ルーラシップは華麗なる一族であるエアグルーヴが母であり、エピファネイアの母シーザリオもオークスの覇者というオークスで結果を出している馬の血が張り巡らされているような血統です。

現状として実績上はトップクラスの実力であり、安定感があり、また血統的に2400は十分対応できるというところからすれば本命になるのは当然かなと思います。

ただ、個人的に疑問というか不安要素があるとすれば鞍上でしょうか?ルメール、モレイラが乗ってきた馬ですが、今回は戸崎騎手。ジャスティンミラノで皐月賞を勝利しましたが、オークスの勝利はまだありません。また日本ダービーの勝利もなし。クラシック戦線で騎手のテン乗りが続くといった点は少し気になりますね。特にステレンボッシュの場合はスタートが決していい馬というわけではないのでこの点も含めて言えば、不安要素が全くないという感じでないですね。

また、後ろからのレースでマークされる立場となると、脚を十分に活かせないという展開も発生するかもしれません。

かといって対抗候補に誰がいるのかといえば難しく、本命にするしかないのかなといった印象です。

対抗はタガノエルピーダにしました。桜花賞2着のアスコリピチェーノが距離適性もありNHKマイルに向かったということで、逆に2着候補、対抗を誰にすればいいのかといった点が難しくなったように感じます。

その中で、直接の対戦成績がないながらも、朝日FSで3位の好走、OP忘れな草の勝利してここに向かったこの馬は面白い存在かと思います。朝日FSの勝利馬であるジャンタルマンタルはその後NHKマイルでアスコリピチェーノに勝利、それを踏まえると3着という結果は期待ができるものと思います。

血統背景からすろとタガノエルピーダは父キズナ、父父ディープインパクト、母父キングカメハメハという血統。

キズナは当初あまりいい馬が集められておらず、結果を出したためにいい馬が集められるようになったのが今の3歳世代からと言われています。そのためかキズナ産駒はこの世代でいい成績を残しています。キズナは日本ダービーの覇者であり、産駒としては、アカイイトがエリ女を、ソングラインがVMと安田記念を、ジャスティンミラノが皐月賞を勝利しています。

ディープインパクトがマイルを中心に活躍する産駒傾向がありましたが、血統背景からすれば2400は対応可能で、距離延長はプラスと見ます。大外な点は不安ですが、鞍上のデムーロは、オークス、日本ダービー共に2勝しているジョッキーであり、騎手の面での信頼も高いと評価しました。

ただ、前目から行くスタイルという点で言えば大外がマイナスでありこの点どうレース展開に影響するか注目したいところです。

▲は桜花賞3着のライトバックにしました。

桜花賞入賞組というのはやはりオークスでも馬券に絡むことが多く、アスコリピチェーノがいない中で言えば、ステレンボッシュに次ぐ最上位の馬となります。こちらもタガノエルピーダ同様に父はキズナとなっています。母父ははデインヒルの血統。デインヒルは中距離からクラシックで活躍する旨を出している超種牡馬であり、母父としては日本だとフェノーメノなどがそれにあたり、距離延長はこちらもプラスではないかなと思います。

前走は後ろからのレースとなりましたが、上がり3F最速で3着を確保。直線が長い東京でその末脚はより発揮しやすい環境になるのでないかと思います。鞍上の坂井騎手は勢いを感じる騎手ですし、脚質の兼ね合いからすれば枠の影響もなく、自分の競馬に徹することができるのではないかなと思います。ハマれば、ステレンボッシュを破れる馬としては、この馬は可能性は高い馬の一頭と言えるのではないでしょうか?

△はフローラS組からアドマイヤベル。

個人的にはフローラS組はあまりオークスで活躍するといった印象はないのですが、馬券に絡むこともあるので注意が必要とは見ています。その中で最上位となったアドマイヤベルはこれまで複勝圏内を外したことがない安定感があり、真ん中前後から仕掛けができる分レース展開に合わせた戦い方ができるというのは強みかなと思います。

アドマイヤベルの父は、注目の新種牡馬のスワーヴリチャード。スワーヴリチャードがJC勝利馬であるあたりからすれば距離は問題ないのではないでしょうか?

ただスワーヴリチャード自身はこの時期の日本ダービーで2着となっています。スワーヴリチャード産駒は仕上がりの早さというのあるように感じますが、一方で自身が古馬になってから活躍したというところからすると、クラシックでは後一歩及ばないというレースをする可能性は十分にあるように思いますね。

それは、スワーヴリチャードの父であるハーツクライがまさにそのものでした。ハーツクライも日本ダービーで2着であり、初のG1制覇となったのは古馬になった有馬記念です。成長力はある血統とは思いつつ、クラシックの段階では他の仕上がりの早い馬の方がという気がしますのでその点は少しマイナスと見ています。

ちなみに同じくスワーヴリチャード産駒では桜花賞4着のスウィープフィートが出走しています。桜花賞4着は警戒する必要があるかと思いますし、武豊騎乗で人気になりそうですが、今回は外しにしました。血統背景からすればこちらも2400はこなせそうな気がしますが、母父ディープスカイは、あまり長い距離で結果を出している印象がありません。自身が日本ダービーの覇者である一方で菊花賞ではなく天皇賞・秋に向かい、古馬では安田記念に使っているあたりをみると、1600〜2400を安定して走った馬ですが、マイル〜2000くらいがベストな馬ではないかという印象があります。

また、武豊さんは、偉大なジョッキーであり、初期は牝馬での重賞制覇が多かったのですが、最近のG1勝利は牡馬が中心であり、オークスで勝利したのも20年くらい前になるかと思います。ダービー男なイメージがある一方で、オークスではそこまで結果を出しせていないというのはたまたまかもしれませんが、人気になりそうなことを含めて外し判断としました。

×はミアネーロ。こちらは、フラワーCからの参戦。

あまり他にないローテだからということで警戒していてもあまり当たることがないのですが、それでも一応データが少ない分に警戒は必要かと思います。鞍上はVMの勝利で流れのいい津村騎手ですが、マークはあまりされないと思うので自分の競馬ができるかと思います。

血統背景で見ると父ドゥラメンテで母父がAPインディの系統となります。ドゥラメンテは産駒傾向がデータが少なく難しいところがありますが、その少ない世代で2000以上、2400で結果を見せている馬が多く、距離適性では問題ないかと思います。

フラワーCこそ津村騎手に戻りましたが、その前走の菜の花Sではルメール騎手が騎乗し、単勝1番人気のオッズだったという点からすると相応に期待された馬なのではないかなと思います。マイルで結果が出なかったのは必ずしも2400のオークスでマイナスとなるわけではないので、そこは都合よく解釈ですね。

ただ、桜花賞の登録馬の中にこの馬の名前はありません。フラワーCからの間隔の狭い日程を気にしたのかもしれませんが、フラワーC勝利馬ですので出場は問題なくできたはずですので、そのあたりしなかったのは、マイルより長い方がいいという点を菜の花Sの結果も含めて判断したからではないかと思います。

中断中ごろからレースができる馬ですが、枠を考えると少しレース展開をどうするのかは気になるところですね。穴馬としては面白い存在ではないでしょうか?

さて、今年のオークスどのような結果になるのか、素晴らしいレースを期待したいですね。