ソダシ引退 | 米の心

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白馬で初のG1勝利馬であり、G1を3勝しているソダシの引退が発表されました。安田記念の後局部不安となっていたソダシですが、妹のママコチャが先週のスプリンターSを勝利したのもあり、オーナーである金子さんかたちょうどいいタイミングなのではないかとお話があったそうです。

ちなみに妹のママコチャは父がクロフネ、母がブチコということでソダシと血統背景は全く一緒になっていますが、こちらは鹿毛であり、白毛にはなりませんでした。白毛馬は全体の0.1%しかいない極めて少ない血統である上に、同じ配合でも必ずしも白毛が遺伝するわけではないということですね。

ソダシの母であるブチコはその名前の通り、白毛にブチ模様のようにブチが入った馬で現役時代その見た目もあって人気のある馬でした。芝とダートを併用された馬であり、最終的にはダートが中心でしたが、4勝しており、準オープンクラスまで勝ち上がった優秀な馬ですね。

そのブチコの最初の仔がソダシであり、2頭目同じ配合で生まれたのが、ママコチャです。2頭連続でG1馬を輩出しているというところを見ると今後もブチコの仔には期待したいですね。

ちなみにそのブチコの仔は全て金子さんがオーナーとなっていますが、3番目以降の仔は全てモーリスとの配合となっています。

クロフネ産駒の特徴を見てみると、牝馬の活躍が多い印象があるのとともに、比較的短い距離で結果を出す傾向があげられるかもしれません。

ソダシにしろマイルくらいまでがベストであった印象がありますし、ママコチャにしろスプリンターSで1200という距離での勝利となります。

過去のG1勝利馬をみても、スリープレスナイト、カレンチャンがスプリンターズSを勝利しており、フサイチリシャール、ホエールキャプチャ、クラリティスカイ、アエロリットがマイルG1勝利であり、マイル以上の距離での平地でのG1勝利はありません。アップトゥデイトが障害G1を2つしていますが、このあたりはサクラバクシンオー産駒が障害でG1を輩出していたりと、障害は折り合いと潜在的なスピードが重要であり、必ずしも平地で短距離メインの種牡馬だからフィットしないという話ではないかと思います。

クロフネの父であるフレンチデピュティもマイル前後を現役時代は得意としていましたし、クロフネもジャパンCダートの世界記録の異常なスピードもありましたが、NHKマイルや武蔵野Sの結果というところからすればマイルあたりが得意だったのかもしれません。

ソダシについては、勝利したG1は全て牝馬限定G1となっていますが、3歳の時に札幌記念で勝利していますし、他フェブラリーSで3着などもあり牝馬のレースでの結果が多いものの混合G1でも馬券に絡めるくらいの実力はあったように感じますね。

金子さんは、数々のG1馬を輩出している名オーナーの一人ですが、信念があるのか白毛の馬に対しては非常に強い関心があるように感じられます。

ブチコの母であるシラユキヒメはずっと手放さなかった繁殖牝馬ですし、希少な白毛の馬を繋ぎたいという思いがあるのかもしれません。

今回妹のママコチャが結果を出したことによってソダシの引退を決意というのも、ソダシに無理に現役を続けてもらうよりは、繁殖として頑張って欲しいという思いがあるのかなという印象を受けます。

さて、ではそのソダシについて、血統背景を見てみますと、父クロフネ、母ブチコ、母父キングカメハメハとなっています。

父親系をみてみますと、父クロフネ、父父フレンチデビュティであり、クロフネの以外であれば日本だと主流という印象はないですね。フレンチデピュティ産駒をみても、他種牡馬として活躍している馬はあまりいません。

クロフネがブルードメアサイアーとして活躍したケースで言えば、ノームコアやクロノジェネシス、レイパパレなどがいますが、オスで活躍した馬はヴェアラズールくらいであり、現在種牡馬として活躍する馬にはいません。

母系統をみると、ブチコが父キングカメハメハということで、キンカメの直系については近親交配がちょっと気になるところもありますが、サンデー系になると5代前になるため、サンデーサイレンスの直系についてはそれほど近親交配を気にする必要はなさそうです。

そう考えると、割とソダシについては相手となる種牡馬については選ばなくてもいい感じがありますね。

キングカメハメハ産駒の種牡馬で筆頭となる活躍をしていたのがドゥラメンテですが惜しくも若くしてなくなってしまいました。

ドゥラメンテが早くになくなってしまったことで、キングカメハメハの直系を残せそうなのはあとは、ロードカナロア、レイデオロあたりくらいしか現状いないんですよね。3代血を残すということが大種牡馬として活躍した馬ですら難しいということを改めて感じるところです。

トゥラメンテ以外で今活躍している馬で言えば、キタサンブラックなどが面白いですが、こちらに関しては、血統背景城問題がなさそうです。

キタサンブラックの父はご存知の方も多いかと思いますがディープインパクトの全兄であるブラックタイド。このブラックタイドも実は現役時代にオーナーだったのが金子さんだったりします。

白毛がどうして出るのか、という話になるとそれは遺伝性であり、単純にメラニン細胞がほとんどないからだそうです。よって、遺伝子の中に鹿毛などがあっても、体の表面にメラニン裁縫がないためそれは現れないということになります。メラニン細胞が少ないというところが遺伝されれば白毛になるというわけです。つまりは、これは父親側が芦毛や白毛であるなどといった条件は必ずしも必要ではないということを示しています。

実際、ブチコについては3番目からは鹿毛のモーリスと配合され、3番目のカルバ、そして5番目の仔は白毛として登録されています。クロフネとの配合でも、ソダシは白毛であり、ママコチャは鹿毛と1/2で発生しており、モーリスのケースも同様であり1/2くらいの確率では遺伝されそうです。

ちなみにブチコの母であるシラユキヒメは、12頭産んでおり、その中で白毛でなかったのは、2頭のみと非常に高確率で白毛の馬を生んでいます。シラユキヒメの白毛遺伝子は優性だったそうで50%の確率で白毛が生まれるとされていますが、かなり高い確率で白毛の馬を生んでくれたことになります。

シラユキヒメは白毛馬として初の3着以内に入った馬だそうですで、父サンデーサイレンスで母系統はノーザンダンサー系と良血であり、良血の白毛馬だからこそ、繁殖牝馬として可能性が見出され、ユキチャンやブチコといった馬を産み、そこからソダシが生まれたと思うとこの馬に着目した金子さんはさすがだなと思います。

リアルダビスタとも言われることが多い金子さんですが、金子さんのリアルダビスタぶりが一番よく出ているのが、この白毛の一族である気がしますね。

白毛馬で初のG1勝利馬となったソダシですが、引退後この血統図をさらに広げていって欲しいのですね。これまでお疲れ様です。G13勝は本当に素晴らしい結果だと思います。