JR東海10月末でワゴン販売中止 | 米の心

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もうあのカッタイアイスが食べられなくなるのかとSNS上で新幹線のワゴン販売のアイスを購入している知り合いなどもよく見かけるようになりました。JR東海が10月末でワゴン販売を中止するとのニュースがありましたね。

個人的には高いのもあってワゴン販売はあまり利用したことがないですが、あのワゴン販売に何があるかというのは機内販売員次第だそうです。

では、なぜ、無くなるのかというのはまぁ単純に言ってしまえば需要がなくなったからということでしょう。そもそもの新幹線の楽しみ方というのも以前とは変わってきているのも理由の一つかと思います。

昔は、新幹線での移動というのは長旅の一つの象徴的なシーン、風景だったと思います。これは、新幹線というよりは列車での旅行がそうだったとでもいう話とでもいうべきでしょうか。

東京ー新大阪間なんてどんどん速くなってきていますし、3時間ももうかからないでつくようになりました。リニアモーターなどが実装されれば、もっと速くなりそうなることでしょう。

以前落語家の桂枝雀さんが新幹線が速くなっていることについてマクラで話しているのを聞いたことがあります。このままどんどん速くなれば、弁当を買って食べようとするともう目的地についているなんてことをネタとして面白く話していたのですが、それがある意味では現実になったと言えます。

4時間5時間の長旅ですと途中でお腹も減りますし、弁当を食べるともなります。しかし、今や多くの場所に3時間台くらいで行けるようになりました。電車や飛行機などの活用で4時間以上かかるのが想定されそうな国内旅行といえば、東京広島間とかでしょうか。限定的になります。

3時間くらいで移動できれば駅弁を無理に食べるなら、目的地でご当地グルメを楽しむという人の方が多いかもしれません。移動時間が短くなったことで食事をどこでどう楽しむかということも変わってくるわけです。

また、最近はコーヒーなどもどこでもあったかいもの、冷たいものを買えるようになっていますし、コンビニグルメやコーヒーも力を入れているので新幹線のコーヒーをわざわざ買う必要がないわけです。お値段も高くなりますしね。

ワゴン販売をして収益をあげようと考えた場合、そのためのコストが発生しているわけですから、十分な売り上げが上がる必要があるわけですが、弁当などを買ってくれないというのであればワゴン販売そのものの運用が難しくなるというわけです。

また、デジタル化が進む中で、新幹線などの中でも個人の時間として過ごす人が増えてきた印象があります。昔は、家族などで旅行している場合は家族の時間として移動時間も楽しんでいたわけです。

家族として和気あいあいとしていると販売員もそこに声をかけやすくなります。もしよろしければ、お弁当はいかがですか?と。家族などの単位であれば、購入も1個とかではなく、家族の分となりますので自然売り上げも高くなります。

個人での時間を楽しんでいる、イヤホンで音楽を聞いているそのような人に対して営業をかけるというのも簡単ではありませんから、販売員としても売りにくくなるわけです。結果、基本的には販売員が通った時に、何か欲しい人が自ら声をかけて購入するそういった形以外での購入ケースが減少しているというわけです。

デジタル化や移動時間が短くなったことが一つの原因かもしれませんが、結局のところは、旅の楽しみ方が変わったということなのでしょう。

移動がスムーズにできればできるほど、移動は移動手段でしかないとなります。また旅行する際の情報も溢れている中で、旅行の目的で何をするかということも明確になりました。

ネット社会になる前ですと、旅行先のプランをどうするかというのは、旅行雑誌を購入してそこであれこれと考えたり、旅行会社のプランに従ったりというケースがほとんどでした。今はツアーなどを見ても添乗員付きで一緒にどこそこというよりはフリープランのツアーも多いですね。フリープランが成り立つほどの情報が溢れているわけでdす。

その上新幹線などは基本的には定刻通りに動いてくれるわけですから計画が立てやすいです。旅行先であれこれする、どこでご飯を食べるそのようなものが決まってくると、新幹線の中でご飯を食べるにしてもおにぎりやサンドイッチで軽食で済ませたり、新幹線の中での利用の仕方がも変わってくるわけですね。

ある意味ただの移動手段になってしまったというのは、旅の過ごし方とすれば少し悲しい気もしますが、その象徴とも言えるのがワゴン販売の中止とも言えるのかもしれません。

冒頭で新幹線のカタイアイスを友人が購入しているというのも、そのカタイことを含めて、ワゴン販売があった旅行そのもののをどこか懐かしく感じ、だからこそそれを感じられる今それに浸っているのかもしれませんね。