MLB オールスターの話 | 米の心

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さて、先日行われたMLBのオールスターについて。大谷選手は、HRダービーには出場せず、本戦も投手としての出番はなく、打者として2打席という形で終わりました。

MLBのオールスターは本戦が1日で行われますので、その1日で選出された選手を起用しようとする傾向になります。そうすると、2打席で交代となるのは割と一般的な流れですね。投手としても選出されましたが、野手として出場することで、他の投手の出番を多くすることができるので、その点についてはやむおえないところだと思います。

日本のオールスターはオール阪神かと話題にもなりましたが、監督推薦であったりと他の枠からの選出も多い上に、二日に分けて行われます。(震災の時とかは応援?かなにかで3日に分けて試合があった時もあったような?)

交流戦などがある中でオールスターの魅力が失われたと言いますが、日本の場合は、2日間に分けてやるというのも理由の一つでしょう。ASの試合をそこまで何日もやる必要はないように思われます。

ちなみに、MLBのオールスターについては、最近は人気が下がりつつあると言われてはいますが、NBAのオールスターなどよりは人気が高く、また、HRダービーについては近年では本戦に負けない人気があるらしいです。

NBAは怪我をしたくないという思いもあってか、真面目にオールスターの試合をやることがないですし、その前にあるスキルチャレンジやダンクコンテンストなどもマンネリ化の中、こないだのダンクコンテストは盛り上がりを見せたとはいえ、基本的には人気が失われつつあるように思っています。

その点、HRダービーは単純かつ、ハードで明確な結果が出る分にわかりやすいコンテンツなのかもしれません。NBAもスキルチャレンジなどは人気がないですが、3pコンテストは人気であり、構造的には似たところがあるように感じます。

同じくASゲームということですが、NBAとMLBで本戦の人気になぜ差があるのか、それは、野球というゲームの構造的なものが、オールスターに向いているところがあるというのは一つにあるように思います。

NBAの場合は、祭り化しようと思うと、ダンクやハーフコートシュートなどが中心になり、怪我をしたくないという思いも含めて考えると、DFを真面目にしなくなり、その中で単調な試合になりがちです。

一方で、野球は攻守に分かれ、その中で1日のオールスターゲームで全ての選手を起用しようとすれば、1回限りの投球であったり、打席についても大谷選手のように2打席になったりと限定されたものになります。その中で、ある意味では投打の純粋な駆け引きであったり、勝負というのを見世物にしやすいんですよね。

オールスターだからといって投手や野手が特別なハッスルプレーをするわけでもないですから、疲労の蓄積という意味では出場を避けたいという話はあったとしても、オールスターのゲームそのものが怪我などのリスクにつながる可能性は低いといえます。よほどハッスルな守備でのファインプレーを見せようとでもしない限りはなかなか怒らないのではないでしょうか。

もし、大きな不調の原因となるのであれば、それはオールスターゲームではなくその前の日に行われる普段やらない打席であるHRダービーの方ですね。

短い間隔でトップクラスの投手と打者との共演を楽しめる構造であり、その点において、オールスターというお祭り向きなスポーツとも野球はいえるのかもしれません。

バスケの場合は、どうしてもAIやらコービーがいた時のようにガチガチにプレーをするという選手の前提のマインドが共通されない限りは難しく、カリーなどはお祭りとして楽しんでいるし、楽しませていますが、基本的には形骸化してしまっているともいっていいのかもしれません。

では、日本とMLBなぜオールスターへの印象が変わるのか。

MLBでもオールスター人気が下がってきているというのは前提としてありますが、日本にいるとどうしてもAS必要か?くらいまでの話も聞こえてきます。私自身必要性はあまり感じることはありません。

そこは、個人的には、オールスターの試合数、チーム数の違い、そして、放送権というところが影響しているのではないかと考えています。

オールスターの試合数が多いというのは、それだけじっくり観れるといえばいいですが、やはり1試合に限定した方が、どんどん違う選手も出てきますし、様々な選手を観れるというのは楽しみの一つだと思います。

次に、チーム数の違いです。

日本のプロ野球は12チームであり、一つのリーグは6チーム。これはMLBのア・リーグとナ・リーグと比較するとチーム数が少なすぎます。アメリカはそれぞれのリーグで15チーム、地区で5チームずつに分かれており、計30チームあります。30チームとなると、交流戦のように別のリーグと戦うことがあっても、試合数が限られますし、その中で自分の応援するチーム以外を見る機会というのは限定的になります。

また、オールスターに選出される選手も15チームから選ばれた選手になります。先発中継ぎ抑え、DF、野手枠と考えてもチーム数の方が多いくらいです。

今回日本で阪神が全てのポジションでといった勢いを見せましたが、これは、阪神が人気球団なのもありますが、6チームしかないからです。もっとチーム数が多くあれば、違った結果もありえたかもしれません。(日本の場合よりチームが増えてもパイの多い阪神一極になる可能性はありますけどね。)

15チームから選ばれた普段なかなか見れない選手の共演であるか、6チームから選ばれたでは正直なところ大きく違いがあると思います。

これは、対戦相手についても然りです、対するリーグのチームも6しかないわけですから、それこそ交流戦で3試合もすれば、相手のリーグのスター選手は一通りみたなって感じにもなってしまうわけです。

今ではネットなども増えていますが、アメリカはそもそもケーブルテレビなどの文化が根強いところです。その中で、自分が見たいチームのチャンネルを見るといった感じですね

そのため、WBCにおいても地上波でやる試合はなく、有料で見ないとダメというケースもあったようです。

それがゆえに、自分が応援しているチーム以外を見る機会はなかなかないがゆえに、ASは特別感がより生まれるわけです。

日本の場合は、DAZNに入れば一部のチームを除きホームゲームが全て見れたりとネットでの放映は割と定額で多くの試合を観れるケースが多いですし、それぞれの地方TVで地元の試合は地上波でやっていたりとある意味ではファンではないチームも観やすい環境にあります。

しかし、そうなると、逆に手軽に見れるので見ることへの価値が下がり、それはASの特別感を失わせます。

MLBのオールスターが成功しているのか、あくまで視聴率などは下がってきている面もあるので一概にはいえませんが、様々な状況を考えると、NPBであったり、NBAなんかよりはまだ恵まれた環境ではあるのかもしれません。