次期開催は48カ国へ | 米の心

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この時期のW杯でなんか盛り上がらないなんていう声もあった(私)カタール大会ですが、終わってみれば日本代表の躍進もあって楽しまれた方も多かったのではないでしょうか?

終わったばかりで次のW杯の話をするのもなんですが、4年後アメリカで行われる大会については、今大会以上に様々な変化がありそうです。

すでに決まっているのは、出場国の大幅増加です。今の出場枠の32から48カ国へと一気に12カ国増加ということになるようです。

増加にともない、予選グループをどうするかというのも様々な意見が出ているようです。一つ案として出ているのは、3カ国のグループを16グループ、そのうち上位2カ国のグループリーグ突破の決勝トーナメント32カ国にするというもの。他の案として出ているのは、4カ国グループ12で、上位2カ国と3位のチームの成績上位8カ国の突破で決勝トーナメント32カ国にするというもの。

どちらにしても今回の動きというのは、ビジネスとしては大きいものかもしれませんが、これまでのW杯の感覚からするとかなり変わってくるものになるかもしれませんね。

決勝トーナメント出場が32カ国なら、もはや今大会の出場チームすべてがそのまま決勝トーナメントに出場できるといっているようなものだからです。

FIFAランクでみて上位48カ国として考えても、やはり上位20とそれ以下あたりになるとかなり力に隔たりがあるように思います。そのあたりを踏めて、では参加国が増えるということが単純に大会の盛り上がりにつながるかというのは難しいかもしれません。

もちろん、参加国が増えるということは、それだけ各大陸ごとの枠も変動が生まれるということでもあるかと思います。そうすれば、欧州の枠も増え、それによって今大会出場ができなかったイタリアなどの出場が可能になり、強豪国の参加というのが増えるという話にもつながるかと思います。

ただ、同様に他の地域も枠が増えるということにもなるので、欧州や南米からの他の国の参加は大会出場国全体の質を向上させる動きになる一方で、他の地域の枠の増加はそうはつながらず、全体的に見た場合に果たして今のやり方より盛り上がりがあるものになるかというと難しいところになるのかなという印象を受けます。

特にグループリーグのあり方が変わるというのは、決勝トーナメント出場のドラマを大きく変動させる可能性があります。

3カ国のうち上位2チームであれば、1勝もしないで決勝トーナメント出場という国も出てくることになります。また、4カ国で3位のチームの上位8チームとなると、こちらも、そのグループで上位に進出もできていないのに決勝いけるの?という疑問にもつながります。

野球の話になりますが、日本のプロ野球で6チームのうち3位までがCSに出場でき、3位のチームですら日本シリーズに行ける可能性があるのにすら批判が出ているわけですから、どうなのかと。

特に今回の日本の場合、同じグループ内でも、最終戦どのチームにも出場できる可能性があり、スペインとドイツが先制し、後半を迎え、その中で日本が逆転、コスタリカが得点を入れるそういった同じグループ内でのめまぐるしいドラマというのがありました。

これが、3位でもokとなると、他のチームの3位同士の勝ち点をみて争うという話にもなりますが、当然日程上3位決定戦を同時進行で行うなんてことは、不可能ですし、3位という順位での上位8位争いというところにどれほどのドラマが生まれるのかともなるわけです。

この辺り、今大会と同じように果たして熱狂する大会になるかという意味合いでも参加国が増える次の大会は様々な変化が生まれそうです。

ただ、運営側としてはこれ以上に収入やサッカー人口の増加を考えた場合、今まで出場が難しかった国が参加するというのは大きなポイントとなります。すでにW杯常連のような国というのは十分なサッカー人口があり、これ以上の盛り上がりを希望するというのは難しいかもしれません。

一方でまだサッカーで結果が出ていない国からすれば、W杯出場となるとそれは盛り上がりを見せるでしょうし、そうなると新たなサッカー人口の獲得にもつながります。

日本もかつてはW杯出場というところが一つの目標でした。それがある程度継続的に可能になり、今は決勝トーナメントでの結果を求めるところまでサッカーが根付き、成熟してきた市場になりました。

同じような形でまだとりこめてないところを取り込んでいきたいという話になるわけです。

ただ、それが今までのサッカーファンが望むW杯かといえばそれもまた難しいかもしれません。この辺りどう変わっていくのか気になるところです。