Yahoo!社員の居住地に関する制限を撤廃へ | 米の心

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Yahoo!が社員の居住地に関する制限を撤廃し、全国どこにでも住むことができる制度を4月に導入すると発表しました。また出社の必要がある場合は、電車や新幹線、バスなどだけではなく飛行機も認められるとのことです。

これまで1日の交通費の上限が6500円でしたがこちらについては撤廃、一方で月の上限の15万円は残すという事になる様です。

地方や海外での仕事を想定しているという事だと思われるので、そもそも月に何度も出社を要請するということは前提にしていないという事だと思われます。

ちなみにYahoo!はこれまでは午前11時までに出社できる範囲に限っていました。午前11時という時間は飛行機を利用すれば多くの場所が対象になりますから、飛行機での出社も認めるという話の段階で、もう出社範囲については制限するつもりはないということだと言えます。

他ではメルカリも国内での居住区や働く場所は自由に選べる制度を昨年9月から導入している様です。

ITの大企業などでもリモートワークをどこまで認めるかなどは企業によって対応がまちまちですが、働く場所を自由に選択できるというのは一つ働き手側への労働環境の提示ということでもあります。

その意味で言えば、どこでも働けるというのは一つアドバンテージと言えますし、そういう自由を許すということによってより優秀な社員の獲得、及び、その引き止めの意味合いを強く示すということに繋がるのかなと思います。

最近はIT関係のワーカーについても国内だけではなく東南アジアやインドなども優秀な人が多く、国内だけに働き手を求めない動きが出来るというのは大きいですね。

まぁとはいえ、こういう働き方が許されるというのは結局のところそういう人たちということでもあります。

例えば、大卒すぐの新人がこういう働き方が出来るかというと少し厳しい気がします。Yahoo!が求める労働環境で労働するための技術などが必要であり、新人研修の様なものはどうしても対面などの方が効率性がいいシーンなどもあるので、その辺り戦力になる状態の人向けとでも言うべきでしょうか。

リモートワークの場合はどうしてもある程度見える場所と見えない場所がある分、成果というところがしっかり見られる様になります。

映っていないところで別に何をしていても求められている結果を出せば問題がないというわけです。よって、逆にいえば結果を出せない様な人であればリモートワークだと厳しい評価をされてしまうということにも繋がるかも知れません。

ただこういう働き方が出来る人であればそれは積極的にそういう流れになってもいいのではというのが個人的な感想です。

地方がどんどん廃れていくのは単純に人がいないからです。人がいれば活性化します。地方再生を唱えるならばIT系の技術者が地方に住むだけで大きく変わります。そして、そういう技術者が地方にいるということは地方におけるデジタル化を推進させるチャンスでもあります。

IT関連の仕事をお願いしたいとなっても、結局のところ地元の人に任せる方が色々と都合がいいからです。逆に言えば地方に人がいるということはその人が新たな仕事をとってくるチャンスになるとも言えます。

もちろん中央集権的に発達した方がいいところもあります。それはバランスであり、地方には地方で人が必要というのもまた事実なわけです。

コロナ禍、緊急事態宣言が出ている際、ビジネス街においては人がおらずそれによって飲食店もガラリとしていた時期がありました。

逆に言えば人が地方に分散すれば、また飲食など他の産業に置いても活性化する可能性があるという事です。

職種によってはリモートワークそのものが不可能というものはもちろんあります。まぁ、正直言えば本来そういう人たちへの負担が高まる一方でそういう人たちのサラリーが高くなるわけではないというのは少しどうかなという気もします。

地方などに分散する事はそれによってサラリーの配分の調整をするというメリットも発生すると言えます。東京で必要な生活コストは他の地域でも同様ではないからです。アメリカのIT大手などは、地方に居住する場合は既にサラリーを調整するなどのことをやっていたりしますね。

これは企業側からすると人件費の削減にも繋がります。

一極集中型のモデルの利点もありますが、出来るのであればコロナ関係なしに今後もこういう人の分散というのがより積極的に行われていって欲しいですね。そしてそれが当たり前になって欲しいものです。

その意味でYahoo!やメルカリなどがこういうことをするというのは大きな意味があります。

一つは他の大手企業への意味合いです。今はその事が労働者側からするとアドバンテージに映りますから同じ様な業種であればより労働環境が魅力的な方を選択するという人は少なくないはずです。

よって、他の大手企業も可能な仕事であるならばそういうことを今後積極的に認めざる得なくなります。そうしなければ優秀な人材を確保するのが難しくなるからです。よって大手がこういうことを始めるとIT業界ではより積極的にこの動きというのが活発になる可能性があるということです。

もちろん給料など他の部分でアピールすればいいということにもなるので、その意味では動きというのはある程度二極化するかもしれませんね。

そしてそういう考え方が浸透していくと、大手企業だけではなく、業界、や中小などにも徐々に影響していきそういう考え方が当たり前になっていきます。

もちろん、そんなうまい話の流れになるかというのはわかりませんが、ぜひそうなって欲しいですね。

Yahoo!は今回こういう動きに方針を示したわけですが、一方でここから前の様な働き方に戻すということがどれだけ可能かというとそれは厳しいかもしれません。

出社しろなどという事になるとモチベーションが下がり、離職する理由に繋がるからです。

特に優秀な人材であればあるほどその企業に残る必要性というのはありません。よく優秀な人材が去っていくといいますが当たり前の話です。優秀であればどこででもいい条件で働けるからです。

無能であれば今よりいい条件の場所で働けるか、そもそも転職できるのかという話になります。だから無能な人ほど残っていくという話は当然起こりうる現象というわけです。

よって、優秀な人材を引き止めるための努力、あるいは、優秀な人材がどんどん入ってくるサイクルというのを企業は必要とします。そのために労働環境の提示というのは欠かせないというわけですし、労働環境で方向転換を示した以上、それを戻すというのは簡単にできる話ではないというわけです。

それこそ地方などに居住して仕事が今までできていたのに出社しろとなってもそれは労働者側からすると無理があるともなる根本的な労働環境の話だからです。

その意味で言えば、Yahoo!のような大手がやったということは確かに大きな話ですが、一方で他の企業もそれにどこまで続けられるかというのは慎重になる側面もあるかもしれませんね。元に戻すというのが難しいからです。

一方でこの2年間、コロナ禍の影響もあって様々なリモートワークを実験的に行えて来たという点はあるでしょう。その中でどの辺りに落としどころをつけるかというのは各企業によって考えがある程度まとまっているはずです。

それをふまえると、続けて動けるところというのはこれまでのリモートワークから得られた結果があるでしょうから早期にある程度同じ様な動きを見せて来そうですね。

今後働き方がどうなるか各企業の動きに注目したいですね。