新庄トライアウトでタイムリー | 米の心

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流石に役者が違うとでもいうのでしょうか、7日、プロ野球12球団合同トライアウトに参加した新庄剛志選手が4打席立ち、2ゴロ、四球、2ゴロ、レフト前タイムリーで3打数1安打1打点の活躍をみせました。

トライアウトに参加する選手というのは数多くいますがこれほどまでにトライアウトで注目され、話題になる選手というのは今までにいなかったかもしれません。

新庄さんは最近はテレビなどにも出現し、どこからどこまでが本気かわからないけどあけすけな発言をしていますが、こうして結果を出せるというのは流石ですね。

トライアウトに参加した選手の質そのものはやはり高くなく、最初に対戦した平岡投手にしろストレートは143キロという事ですから今のプロからすれば決して速い方ではありません。その意味では、ストレートについていけるかという点は問題があるかもしれません。

確かに48歳でこのスイングが出来る選手、143キロのプロのストレートに当てる事が出来る人がどれほどいるかというといないかもしれません。その点でいえば、新庄選手はやはり別格な存在とも言えます。

しかし、プロをもう一度やりたいという人に対して、真摯に向き合うのであれば、年齢の割にすごいなどといった年齢の話をするのではなく、プロで通用するのかという点でみる必要があります。

その点で、セカンドゴロになった2回はどちらも143キロと速いボールでは決してないというところを球団側がどう評価するかという話になるかもしれません。

ただ、一方でこういう新庄の姿というのは野球ファンにとっても、そして選手にとっても非常に刺激的なものです。

人はすぐにいい訳をしがちです。限界を決めてしまいがちです。しかし、そこで無理だと言われても結果を出そうとする、子供の頃のままの姿を見せてくれる存在がいるというのは純粋に動かされるものがあります。

野球を始めた少年が野球をする喜びを体現するような、プロ野球のテレビ放送にかじりつくように見ていたその時の様な、そういう野球って面白いなってものを感じさせてくれるものです。

こういう選手がいるとチームというのは活気づきます。若手からすれば新庄をみていいわけは出来ません。自分ももっとやってやろうとなるわけです。熱量が生まれるんですよね。

正直なところをいえば新庄選手というのは、非常に人気のある選手でしたが成績でいえば超一流とまで言える存在ではなかったかもしれません。(まぁどこでも同じ様な結果を続けるってのもすごいんですけど)

しかしスター性という意味では別格な存在です。それだけの熱量を持った存在です。熱量のある存在がいれば、若手もベテランも、チームも、ファンも熱を帯びていきます。そうすると、あの頃の日本ハムの様な一体となった何かというのがそこから生まれてくる訳です。

その意味で言えば、今のプロ野球で本当の意味でスター選手と呼べる様な誰かというのは一体果たしていないのかもしれません。一つのプレーが一挙手一投足が注目される様な存在がいないからです。

トライアウトしても無理とは言われて続けていました。しかし、こうして実行に移す、いいわけをするのではなく突き進む、そういう行動力というのはある意味野球だけではなく今の日本の多くの人が本来やりたかった姿の様にも思いますね。

さて、それほどに話題性がある新庄選手ですが、プロ復帰となると球団がどう判断するかはやはりわからないところがあります。

可能性があるとすれば、やはり日本ハムなどになるでしょうか?日本ハムは、今年西川選手がポスティングを利用してMLB挑戦を表明しており、有原選手もそうであり、チームの顔となる存在というのがいなくなってしまいます。

近藤選手などは素晴らしい選手ですが、チームの顔という感じではないですね。その中で話題性が豊富な選手というのは広告的な意味を考えても非常に大きな意味があります。

スター選手は何がすごいか、先述の様に一挙手一投足が話題になることです。

今の新庄選手であれば、プロに再びなれたらそれだけでビッグニュースとして日本中を駆け巡ります。1軍登録されるだけでもしかりです。キャンプでは1軍でも2軍でも常に報道陣が構え、毎日新庄選手にスポットライトを当てた記事があがるかもしれません。

1軍で全く通じなくてもそれも話題になります。三振一つが話題に、絵にもはやなってしまう存在になっているからです。

そうすると広告的にはこれ以上ない存在です。特に日本ハムの様な非常に身近なものを取り扱っているメーカーからすればなおの事です。新聞にネットにスポーツ紙に新庄選手と日本ハムの名前がバンバン流れていく訳です。数億かけて広告するよりよほど高い広告効果が期待で来ます。

ユニフォームなどは飛ぶ様に売れるでしょう。今の日本ハムなら新庄のユニフォームが売り出されたらたちまち売上げ1位になるかもしれません。

成績がダメでも本人が続けるというのであれば、球団側としても安く高い広告費、グッズ収益を期待できます。エンターテイナーですからテレビなどにもどんどん出てくれるでしょう。その度に日本ハム新庄の名前が出るわけです。

元々こういう効果も考えている球団であることを考えると日本ハムというところが動く可能性というのは確かにあるかなと思います。

日本ハムはベテランに優しい球団ではないですが、割と来るもの拒まずではないですが試す事はやる球団です。オープナーとかも積極的に試していましたし、MLBのようなシフトを試したり、ソフトボール選手のプロ入りなども話題になったチームです。他の球団なら戦力として必要?って言われるところも日本ハムなら古巣というのもあって許されるところがある様な気もします。

パリーグでは他では楽天などはめざといですからその辺り球団の印象がこのところよくないところも踏まえると入れる可能性はなくはないですが、成績に厳しい、ドライな評価を続けている中で新庄を入れると炎上のリスクもありそうですね。

この辺りはパリーグの方が今の直球の速さを考えると通用しないとは思いますが、柔軟性がある対応というのをする可能性はある様に思います。割とパリーグって選手の受け入れに対しては最後そういうのを設けることって多い印象がありますね。

反対にセリーグは、鳥谷選手や能見選手の時とかもそうですけど、最後割とばっさりとそういう別れ方するんだということも勝手ながら多い印象もあります。

セリーグで仮に動くとしたら、ヤクルトくらいでしょうか?阪神は古巣ですが生え抜きスターを出しておきながらって感じでもありますし、中日は厳冬、またそもそも新庄の広告効果をうまく使える会社ではないですし、横浜はそもそもベテランにシビアに対応してきています。巨人は枠を考えても新庄を受け入れるのは難しそうですね。

まぁ実際にそうなるかとかは別に、またそういう広告効果などでのプロ入りは新庄選手も求めていないでしょうが、こういう妄想をさせてしまうほどにスター性というのがあるのは確かかも知れません。現役のころからずっとそういう存在というわけではなかったですが、MLBから日本ハム復帰後からは千両役者になった感じがありますね。

果たして、プロになるのか、果たしてなれなくてもそれはそれでバラエティが放っておかない存在となるでしょうが、どうなるのか、賽は投げられました。