進化するメッシ | 米の心

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もういつの頃からかもわからないほど長い間、リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドによるバロンドールの分かち合いというのが続いています。

 

また、その度に、ずっと話題として上がるのがメッシとクリロナどちらが優秀であるかという話です。

 

まぁ、これはどのようなものを選手に求めるかという話にもよりますし、そもそもバロンドールを分かち合っている最高峰のプレイヤー同士だからこそ比較の話となっていますが、正直タイプやポジション、役割などが違うためにこの二人を比較することそのものが個人的にはずれているように感じますね。

 

それこそ怪物ロナウドとクリロナを比較したりするのであればともかく、マジックジョンソンとマイケルジョーダンどちらが優秀かなんてことを比較するようなものですから、なんとも言いがたいものがあります。

 

また、バルサとレアルということもあって何かとどっちかみたいな選択肢を求める人もいますが、どっちもえげつなく、どっちもそれだけに値する選手という以上に私からはいうことができません。

 

さて、今シーズンが始まる前については、レアルマドリーの方が評判が高く、一方でバルセロナはネイマール放出などもありどうなるのかなどと騒がれていたところもありますが、蓋を開けてみれば、バルセロナの好調が光ります。

 

そのバルセロナの中心的な人物といえば、やはりメッシなわけですが、メッシについて言えば、これほど長く世界のトッププレイヤーであり続けていることも素晴らしいわけですが、そのスタイルを時代とともに変えながら進化している点についてもこの選手の誇るべき点だといえます。

 

ロナウジーニョが居た頃といえば、まだ決定力はそれほど高くない一方で、その飛び抜けた加速力のあるドリブルで切り込むことのできる選手でした。その後シュートの精度が非常に高くなり、ドリブルからシュートまで止められない選手となりました。

 

今についても、もちろんそのドリブラーとしての素晴らしさはあるのですが、やはり以前と比べるとスピードそのものは失われたところがあるようにも思えます。

 

しかし、その中でメッシは単純なドリブラーではなく、様々なオプション、選択肢を広げることでそのプレーの幅を広げるようの思えます。

 

以前からアシストもできる選手であったのは確かですが、ここ最近そのアシスト、パスのうまさ、視線の広さというのを非常に感じるようになりました。ドリブラーやスコアラーとしてだけではなく、パサーとしても非常に優れた才能を示し始めているのです。

 

実際、今シーズンについて言えば、得点王であるだけではなく、アシストでもリーガでトップを走っています。

 

スアレスなど周りに優れた選手がいる中で、何が何でも自分で決めるというわけではなく、ある程度力の抜いた様々な可能性を模索できる選手になったわけです。

 

また、以前より進化したと思われるのはFKの精度などについても、そうですね。

 

今シーズンについてはFKの精度が非常に素晴らしいものがあります。今シーズンに限って言えばリーガでもトップの精度を誇るといってもいいのではないでしょうか?

 

メッシのようなドリブラーであり、スコアラーがこのような様々な選択肢を持っているというのは相手にとっては非常に厄介ですね。

 

パサーとしても優種であるためにそちらを意識した瞬間に、抜き去りシュートを決めるなんてシーンも見られ、相手のDFの連携を非常にうまく崩すことができる選手となりました。

 

この辺りの選手としての成熟というのは、やはり、若い頃のドリブラーとしてその天賦の才能を示していた時にはない、サッカー選手としての完成度の高まりを感じさせるものです。

 

メッシはそのスタイルであるがゆえに、削られることも多いわけですがその中で、このように加速力のある選手がある程度そのスタイルを維持しながらも、これだけ長い間持続して活躍し続けるというのはサッカー史上においても稀有な存在であると言えます。

 

例えば、同じリーガのレアルマドリーに所属するベイルなどをみても、そのスタイルであるがゆえケガが多いですね。決定力もあり、ドリブルもできる選手というのはやはり削られやすくその結果大怪我をし、試合になかなか出られないというケースも少なくなかったりするわけです。

 

メッシについていえば、そこはそもそも削られることが多い中で、うまくかわす、ケガをしにくいようにかわすことを身につけていたでしょうし、それに加えて、パスなどの様々な選択肢を持つことによって、そのリスクを減らすことができているといえるのかもしれません。

 

メッシとしばしば比較されるクリロナについても、非常にケガの少ない選手でありますが、(こっちは本当にバケモンのようにケガしないですね。)クリロナの場合は、ストライカーの道を選ぶことによってそれを回避したところがあるように思えます。

 

マンチェスターユナイテッド時代のクリロナといえば、リーグを代表するドリブラーの一人でしたが、ストライカーとしての道を見出して移行については、そのスタイルを重視しなくなったところがあります。

 

反対にそのストイックに鍛え上げたフィジカル、身長の高さやジャンプ力の高さを利用したストライカーとして、ヘディングであったり、決定キーで決める役割に徹し始めたといった感じでしょうか。

 

ストライカーであれば、ケガをしないのか、といえばそうではないですし、削られないかといえばやはりW杯などでもあったように削られることもしばしばあるわけですが、それでも、以前のプレースタイルで起こりうるケガのリスクというのはある程度避けることができるようになったところはあるように思えます。

 

もう何年もこの二人がトップで入られ続けるのは、その当時のプレースタイルをある意味で捨てて、その時々に合わせて変えることができたからというのはあるように思えますね。少なくとも以前のごり押しスタイルをしていたのであれば、もっとケガのリスクはあったでしょうし、それによって以前のようなパフォーマンスができなくなる可能性が高まったのではないでしょうか?

 

メッシといえば守備の意識があまり高くない選手のようにしばしば言われます。よく、試合中に休んでるみたいに言われたりしますね。

 

まぁ、これはそうといえばそうなのですが、メッシは守備の意識が高い選手ではないですが、守備が下手な選手ではありません。

 

この辺りがメッシの扱いのいやらしいところでもありますね。

 

今シーズンのバルセロナの強さの一つは、メッシ抜きで守備が機能している点です。

 

これの意味合いがなすことは、守備が機能する上で、休んでいるメッシをうまく活用することによるカウンターが成功しやすいというのがひとつありますね。今のバルセロナはカウンターによって相手を撃破するというシーンも珍しくはありません。

 

もう一つ、ある話が、高い位置からのプレスによるボール奪取によるカウンターの話です。

 

こちらは、誰がするのかというと、守備意識の低いメッシなわけです。

 

メッシの守備意識の低さというのを相手が認知してしまうと、メッシに対しての警戒が薄まります。

 

メッシはスピードのある選手ですし、プレスなどの守備そのものはうまい選手ですから、この警戒が失われた中で前線からのプレスによるボールの奪取するということが可能なんですね。

 

この辺りを考えると、チームに貢献的である守備意識の高いFWというのも確かに素晴らしいですが、自分の役割に徹するメッシの守備というのも相手にとっては非常に厄介なところと言えるのかもしれません。

 

メッシについていえば、前述のように時代に合わせて進化、変化をし続けているというところでは非常に興味深いものがあります。

 

バロンドールを何回もとっているメッシですが、では、そのメッシの全盛期はいつだったか?と言われると、その答えは人によってまちまちになるのではないでしょうか?ある意味で、それが分かれる選手というのもそう多くはいないように思えます。

 

個人的に言えば、以前のキレッキレのスタイルも好きですが、今のスタイルの方がサッカー選手としての成熟度、怖さを感じ、徐々に選手としての集大成に近づいてきているのかな?という印象があったりしますね。

 

今後メッシがどのようにそのプレースタイルを変えながら進化しているのか、ということもまた、非常に楽しみですね。今年はW杯もありますし、ますますメッシの活躍から目を離せないところがあるように思えます。