村田修一の移籍先が決まらないのはなぜか? | 米の心

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松坂がテストからの即決での中日入りが決まり、また、キャンプではこれまで好調を見せ、当初の想像以上にすでに話題となっています。連日の様にニュースが流れる選手といえば、国外ではMLB挑戦の大谷選手、そして、国内では松坂大輔くらいからもしれません。

その松坂と同じ世代、松坂世代であり、その中でも野手としての活躍であれば世代トップクラスである村田修一選手の移籍先というのが今のところ決まっていません。

独立リーグからオファーがあったものの断ったとの話もあるところからすれば、村田選手とすれば、独立リーグも視野に入れながら未だにNPBの球団との契約というのを考えているのかも知れません。

その中で、時期はすでに、2月に入り、キャンプインそれぞれの球団がしている現状からすれば、村田選手への需要があるとすれば、キャンプでの故障が多く発生した場合やペナントレース始まった後のてこ入れなどのタイミングくらいしかないかもしれません。

MLBでは今シーズン大幅なFA選手の契約の遅れなどがあったために、今後もチーム編成のために選手を獲得するなどの動きはあるかもしれませんが、NPBにおいてはFA選手の獲得も早々に決まり、各チームチーム編成もある程度済み、後は、ロッテが大隣をテスト入団で獲得したケースやソフトバンクがキューバ代表のユリスベル・グラシアルを獲得した動きなど編成固めへの動きとなりつつあります。

さて、その村田選手ですが、テスト入団の話すらないというのはどういうことでしょうか?実績からすればベテラン補強としては悪くない選手であるのは間違いないからです。

まず、村田選手の現状を把握してみると、

年齢は松坂と同じ37歳。超ベテランへとさしかかる年齢であり、衰えが見えるのも仕方がないといえる。

ポジションは、サード。昔は、守備は良かったが最近では高齢のため守備力は激減。一昨年GGをとったもののUZRはマイナスだった。

最大の特徴は怪我の少なさ。怪我による離脱が少ないというのは非常にメリットである。

打撃については、長打力が持ち味の印象はあるものの、コンスタントにHRを打つ一方で、HRの数は実は多くない。30本越えのシーズンは3シーズンでアベレージで言えば24本。立派な数字だが、現状の打撃の衰えを込みで考えると中軸におけるほどではない。

また、打率は期待できるタイプではない。一昨年こそ3割越えであるが、3割を越えたのは2回のみ。2割5分から6分くらいの打率に落ち着くと思われる。ちなみに昨年の代打率は.158と代打での活躍が期待できるタイプではない。

通算安打数1865本。2000本まで200本をきっている状態である。村田選手を雇うということは、この2000本安打をある程度受け入れる=出場試合数を求められる可能性がある。

性格については、良くも悪くも波があるタイプと思われる。横浜時代も、巨人時代もやる気を開幕前は非常にあったかと思えば、ベンチなどでの悪態、試合での怠慢な姿勢がみられるということはあった。原監督はこの性格を理解して、しばしば懲罰的な行為をし引き締めていた。

ちなみに個人的な印象で言えば、中村紀洋と似ていると言われる人もいますがが、全く似ていないと思っています。(結果的にチームに当てる影響は似ているかもしれませんが。)ノリはあくまで王様で野球が好きで、野球そのモノに対しては真摯です。そして、結果については出していますね。黒ノリ、白ノリといわれるのは、チームプレイに対する姿勢であったりとか、自分のプレーに集中させろという傲慢さであったりとか、お金に対する主張が強いとかそういう話であって、野球への取り組みで怠慢さを見せたという印象はあまりありません。一方の、村田選手の場合は、もっと気分屋的なところがあり、お山の大将的な側面も確かにありますが、すぐにふてくされ、野球への態度も散漫になるという印象です。

あくまで印象ですが、ノリの方が野球そのモノに対しては、それが出来る喜びを感じ、その中での自分の立ち位置はこれだという主張が強かったという感じですかね。

さて、この様にみてみると、村田選手の場合、本当に各球団から魅力的かといえば難しいところがあるのは確かです。

育成中心の若手のチームへ切り替えようとする中で、37歳というのは高齢ですし、2000本安打と代打成績を意識すれば、ある程度1軍でレギュラーも意識して使う必要があります。しかし、レギュラーにするには、打率が低く、守備も衰えがあるというのが現状です。長打力には魅力がありますが、現状で言えば、長距離ヒッターというよりは、中距離ヒッターとの間といったところでしょうか?その割には、打率を残せている方ではないという印象にどうしてもなってしまいます。

また、現在サードというポジションで考えると、そこが足りないというチームはあまりありません。各球団の現状を見てみると


SB サード松田。今回はグラシアルを獲得、川島はユーティリティの活躍が期待でき、代打でも優秀。グラシアルの獲得は村田獲得の意志がないという事だと思われる
西武 サード中村。超攻撃打線に村田の必要性なし。
楽天 サードウィーラー。控えに今江。昨年度の活躍、人気共にウィーラーが素晴らしく、またベテラン今江も控える中では不要
オリックス サード小谷野。中島もサード可という中で、若手にチャンスを与えるならともかく、必要性なし
日本ハム サードレアード。若手の横尾にも期待できDHでの出場が多い近藤もサード可。
ロッテ サードは今年から鈴木大地が挑戦。昨年は中村奨吾がつく事もあった。これにドラ1の安田も控える。


広島 サードは昨年素晴らしい成績を残した安部。それに控えにするにはもったいない西川と若手が豊富
阪神 サード鳥谷。昨年ドラ1の大山が本職サードで期待値高し。
横浜 サード首位打者宮崎。今年はキャンプで今永から2HR打った28歳外国人ソトが加入。こちらもソトの早期の加入発表は村田獲得意志なし表明だと思われる
巨人 サードマギー。控えには成長を期待したい岡本。昨年はセカンドにマギーをまわしたが、今年は吉川に期待されるだろうと思われる
中日 サード福田。控えには大器とされる高橋周平。どちらも荒削りな分、厚みは欲しいが、チームとしては若手へ転換中
ヤクルト サード安打製造機川島。控えに藤井、西浦、期待の若手廣岡など。怪我が多い分厚みは欲しい。

このように考えると、正直なところサードというポジションでレギュラーを渡せる球団は一つもありません。もちろん実績では村田の方が上という選手は多いですが、それでもベテランの村田にわざわざその席を渡す必要がなく、現状の成績、これからの成長などを加味するとどのチームも現状のサードレギュラーには困っていないということになります。

また、では、控えではどうか?という側面でみても、セリーグのBクラスの3球団にオリックスが入るかどうかです。

しかし、控え選手となれば、当然チーム編成からすればチャンスを与える、与えたい選手を起用したいという思いがあります。ベテランでの控えとなるとよほどゲームを理解し、試合の中での役割を演じきれる人かフランチャイズ選手になるでしょう。代打で活躍できるのであればともかく、代打成績がいい選手ではありません。

また、選手を獲得するとなると枠が一つ減るということになります。

現状はもうチーム編成は末期となり後は、開幕後の状態に合わせて補強ポイントとして欲しいところを補強していくということになります。その時に、枠が足りないとなっては、どうしようもなく。多くのチームは最低でも1枠、できれば、3枠くらいは状況に対応できる枠の余裕を設けたいところです。

また、村田選手についていえば、結局のところ、松坂選手との最大の違いとしてあるのは、人気そのものかもしれません。

村田選手は立派な成績を残してはいるものの同時代においてトップであり続けた選手ではなく、インパクトに欠けるという印象の人もいるかもしれません。例えば、同じサードであれば、小笠原選手、中村ノリ、おかわりくんなどそうそうたるインパクトと実績のある選手と比較して村田選手の方が上という声が聞こえるかといえばあまりそうではありません。

世代の旗頭の松坂選手の目覚ましいインパクトと比べるとどうしようもない差というのはそこに出てきてしまいます。

仮に、村田が松坂ほどのアイドルであり得たら、移籍もあったかもしれませんが、客寄せ力がありインパクトがありチームに良い影響を与えることが期待できるかといえばそうでもないんですね。

村田選手の態度が原因ではないかという声もありますが、この態度も含め、ベテランに要求されるものというのは、単純に控えであったりというだけの話ではありません。

ある意味でのコーチング能力が求められるという側面があります。

例えば、今回中日入りした松坂についても、投球など様々なところで若手への刺激を求められての入団というのはあると思います。中日と縁切りを果たした井端選手を巨人が拾ったのは、明らかに控えとしての活躍を期待してだけではなく、坂本選手などへの良い影響を考えての話です。横浜が、昨年ヤクルトの田中浩康を獲得しましたが、これもセカンドの補強も意図にあるでしょうが守備への選手のコーチングなども踏まえての話だと思われます。

MLBではイチロー選手のロッキーズとの交渉などの話も出ていますが、こちらについても、単純に4番手の野手などの役割だけではなく、若手への見本としての価値もまたみい出しているからだと思われます。

ベテランで戦力外になった選手が再度契約されるパターンは3つしかありません。

一つは、コーチや監督として修正などを加えればまだまだ主力として活躍できるのではないか?という期待がされるパターンです。中村ノリや山崎などはそうでしたね。ただし、高過ぎる契約は望まれない傾向にあります。

二つ目は、主力はまだしも、あたれば一儲けといった感じの話です。過去に実績がありつつもここ数年落としているパターンなどが当てはまります。松坂は一部これが理由です。

三つ目は、先ほどのコーチング、周囲への影響を考えてという話ですね。

村田選手の場合、これらのどれにも当てはまらないんですね。そういうベテランの補強をよしとするか、というとなかなか難しいところが出てしまうというわけです。

正直なところ、現状からして開幕までに村田選手の契約が決まる可能性は非常に低いと思います。もしあるとすれば、開幕後に一時的なポイント補強としてということになりますが、いずれにしても、メインストリートを球団側が求めているわけではないということがいえます。

2000本安打やこれまでの実績そういうものを一切捨てて、本当にただ野球ができれば幸せだ、そういう姿勢でもない限り、契約は望めないということになるかもしれませんね。