本校では12月6日(金)と7日(土)に宗教行事の1つである「臘八摂心(ろうはつせっしん)」が行われました。本校は曹洞宗の宗門学校です。曹洞宗の寺院では、12月1日~8日まで、お釈迦様が悟りを開かれたことを追慕して行われる坐禅修行が行われます。曹洞宗の寺院では朝から晩まで坐禅をします。これが臘八摂心とよばれるものです。「臘」とは「臘月(12月)」のことを表し、「八」とは8日間のことを指します。お釈迦様は悟りを開かれた時、8日間飲まず食わずでひたすら坐禅をして悟りを開かれました。「摂心」とは「心を集める」ということで、お釈迦様を偲び、その姿勢と姿を同じくしようとする、ということです。本校ではこの曹洞宗の寺院に倣って、一日中の坐禅は出来ないので、早朝に坐禅をしています。朝7:30から約30分間。新体育館を本堂として坐禅します。
通常は12月初旬から1週間行いますが、本校では感染症が猛威を振るっており、学級閉鎖のクラスの多数あったことで今年は2日間の開催となりました。以前は全学年で一斉の実施でしたが、ここ最近では、宗内生(寺院のご子息・ご子女)が少なくなり、準備に時間もかかることから学年別に開催しています。以前は多くの部活動が強制参加していましたが、最近では生徒の自主性に任せる部活動も多いようです。ソフトボール部は残念ながらというか、未だに強制参加させています。理由は簡単。私も実は駒澤大学高校出身です。生徒の時からこの行事には参加しています。強制参加というと必ず生徒や保護者の方から疑問の声が上がります。生徒からは試験1週間前で勉強時間が削られる、朝早すぎて起きられないなど、親御さんからは朝お弁当を作る時間がとんでもなく早くなるなど・・・。ごもっともではありますが、私が強制させているのは何も生徒や親御さんを苦しめるためではありません。この臘八摂心という行事が駒澤大学高校でしか体験できないものであること。坐禅というものの本質を知って欲しいからです。ここ最近では(もう古いかもしれませんが)アップル社のスティーブ・ジョブズ氏が坐禅を好んでいたという話は余りにも有名です。あれだけ会社を大きくした彼が坐禅をしていたということで坐禅の認知度が上がりました。坐禅の目的とは「頭を空っぽにすること」「何もしないでただ坐ること」です。この忙しい世の中で何もしないで、ただ坐る。そこには誰もいません。自分との対話です。そして頭が空っぽになることなんてそうそうありません。でも、この頭を空っぽにしようとする姿勢が大切だと思っています。ソフトボールでもここで打ったら勝てる場面、ここを守れば勝てる場面。その時自分を保てるかどうか。自分との闘いです。そういう時、自分と対話する方法を知っている人とそうでない人では絶対に差が出ます。自分を見失う人がほとんどです。坐禅をしていても同じかも知れません。ですが少しでもそうした経験を積んで欲しいし、人生に役立つと感じて強制参加させています。
かといって部員たちにとっては試験前で朝早く起こされ寒い中坐禅させられた、という嫌な記憶しか残らないかも知れません。親御さんにしても朝早くお弁当を作らされて大変だったという記憶しか残らないかも知れません。今年は各学年1日ずつ。部員たちも頑張って坐っていました。保護者の皆様におきましては朝早くの準備大変だったと思います。ありがとうございます。これからは2学期期末試験。しっかり頑張りましょう。