軒先を飾る寒椿。山中の城下町ならではの風情。
その津和野からSL「山口号」に乗車。車窓からの景色が素晴らしかった。
中でも沿道の人々がこぞってSLに手を振る様子が.....。愛だなあ。SL愛。
もう自分はブログを書かないのかなと思っていたけれど、書く。
何かの拍子に誰かが読んでも問題のない日記のようなものだと考えて。
ある人が峠で一匹の白い犬に逢った。
毛並みは薄汚れて、痩せたみすぼらしい犬という以外に特徴はない。
ただ、首にはこれも薄汚れた風呂敷包みを巻いている。
人には慣れているようで、警戒心はなくとことこと近寄って来る。
そこで、自分の弁当の残りの魚肉ソーセージを与えてみた。
犬は喜んで食べた。
首を動かして食べる動作で首の風呂敷から何かがこぼれ出た。
見ると数枚の銅貨。それも随分古いもののようだ。
犬が少し困ったような顔をしたように見えた。
犬が食べ終わるのを待って拾い集めた銅貨を風呂敷の中に戻し、
緩んだ結び目を直してやると、犬は又とことこと峠道を歩き去ってしまった。
峠を降りて街中に出たその人はある商店の店主にその話をした。
「ああ、それはきっとおかげ犬だ。このあたりではたまに見かける人がいる」。
おかげ犬というのは主人の代わりに伊勢参りをする犬の事なのだそうだ。
お伊勢さんにお参りをするにはそれ相応の費用が要る。
そこで、経済的に余裕のない人々は自分の飼い犬に代参をさせた。
餌代とお賽銭を首の風呂敷に収めて、お札と奉納受領者を持ち帰らせる。
もちろん犬が伊勢神宮への道筋を知る訳もないので、
伊勢参りをする人にお願いして犬の綱を引いて行ってもらうのだ。
けれども中にははぐれる犬がいる。
主人の言いつけを守れず、帰るに帰れない。
さりとてどちらがお伊勢さんへの方角かもわからない。
そんな犬を見る事があると言う。
峠の犬は一体いつから伊勢神宮への道を探しているのだろう。
だから私は犬が苦手なのだ。
せつない話が多すぎて......。
