2016年 旅の記録 3（お婆二人）

どんな角度から撮ってみても....「わからんかったんかい」さんは美人やなあ。サマになる。
私は.....目が元気な５歳児のようで自分が好きだ！

小樽駅。人生初の旅の思い出は蒸気機関車でした。京都から新潟まで１５、６時間かかった。
その頃を思い出させる小樽駅のホームにはむき出しの鉄の梁とランプが。
駅の構内にも無数の石油ランプ。夕暮れ時に訪ねてみたかった。きっと又来れる。

生鮮市場での「わからんかったんかい」さんとそのお母さん。
お母さんも往年の美女を彷彿させる綺麗な人。でも、「わからんかったんかい」さんの勝ち。
ホッケが食べたくて油の乗っていそうなのを買い、お母さんに焼いてもらった。
うーん。想像していたのとは少し違う。後で考えるとユズかカボスが必要だったんだ。
ホッケって随分淡泊で身にうま味がほとんどない。失敗した。でも勉強しました。

小樽の鰊御殿。屋根の上に見張り台が。そこから鰊の群れが来るのが見えたんですね。
数百、数キロメートル先から銀鱗のさざ波が押し寄せて来たんだなあ。鳥肌立つような光景だ。
この建物はその名も「銀鱗荘」。昭和天皇も行幸なさったらしい。さもありなん。
外観だけでも内部の格式、豪華さが見てとれる。今は昔の栄華だった。
ちなみに、小樽へ行ったらぜひ見学したかったオタモイ岬は冬季通行止め。
さすがは北国。次回に期待しよう。

「ランチが美味しいから」とご馳走になったホテルのラウンジ。本当に美味しかった。
二日二晩お世話になり、お腹いっぱい手料理を食べさせて頂いた上に着物の着付けも。
これは行く前からお願いしていた事で、お母さんも快く引き受けて下さった。
お母さんの着物の数とセンスの良さには度肝を抜かれた。大島紬だけで１５着。
着付けを教えて頂くだけでなく、ご自慢の着物の中から似合う物を持って行け、と。
いやいや、とてもとても....。まずは着こなせる腕前がなくては。猫に小判です。

小樽に来られて良かった。母親のいない私には家庭の味がなんとも言えず嬉しい。
仏さまのように円満で穏やかなお父さんと、話好き、世話好きのお母さん。
が、そこで育つ事とたまたま訪ねる事とは全く違う。その違いも見せてもらった気がする。
私にとって大切な大切な友人「わからんかったんかい」さん。
彼女の哀しみも小樽にはあった。知った以上は分かち合おうと思う旅でした。
まだまだ先は長いつもり。お婆二人は前向いて生きて行きます。