舞台の背景にゴヤの絵が大写しになる度にプラド美術館を思い出していた。
特に、「戦争の惨禍」の銅版画が大写しになると、舞台で演じている役者よりもそちらに目を奪われた。
ゴヤが見た残虐を正面から描いているように見える。
ゴヤの後半生は、フランス革命からナポレオンがヨーロッパを制覇し・失脚していく時期と重なっている。
つまり、彼の人生を描くには歴史への理解があるていど不可欠になるのだが、
一般的な日本にどこまでそれが伝えられるかしらん。
まぁ、それを言えば、
名作ミュージカル「レ・ミゼラブル」だって、
あのややこしいフランス革命を背景に描かれたドラマだ。
ややこしい歴史を背景に描いているドラマだから舞台として・ミュージカルとして成立しないということはない。
かなり手ごわい題材であったのは確かだけれど。
主演のジャニーズスターよりも、
脇をかためる面々の方が唄も動きも力をかんじさせてくれたように思う。
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あぁ、またプラド美術館でゴヤの絵をゆっくり見て回りたいなぁ。
1990年代からの二十数年のあいだに二十回近くはマドリッド市内観光をしたから、プラド美術館も同じ回数をガイドさんと訪れたことになる。
グループへの日本語説明は日本人ガイドさんにまかせて、現地の英語ガイドさんに裏話をきかせてもらい、根掘り葉掘り質問しながらまわっておりました(^^)
今となって、あの時の経験がどれほど貴重なのかが分かる。
そして、還暦の今になってやっと少しゴヤの気持ちがわかるようになってきた気がする。