「財政危機なのに大統領が贅沢な政府専用機を使う必要はない」
オブラドール新大統領が就任早々売却を実効したことを、日本のBSニュースが報じた。
メキシコの大統領就任式は日本のニュースにならないが、これは報じる価値があったのだ。
「新大統領は先住民出身なんです。12月1日の就任式には部族の代表がメキシコシティに来て『権力の杖』を渡すと言っています」
11月21日から訪れたメキシコの旅で、前半行程をガイドしてくれたセザールさんは、新大統領オブラドール氏に期待している。メキシコ人だからこそこういう話をしてくれる。
就任式の様子、youtubeでみつけた↓右手に持っているのがその「権力の杖」だろう。
となりの先住民代表はテオティワカン遺跡で描かれていたほら貝を吹いている↓
メキシコという国は、いわゆる「先住民」がまだまだ生きているのだと知った。
ガイドのセザール君の祖母はイタリアからの移民で、白人と先住民の両方の血をひいている。
「兄はほんとに白人の顏でしたが、ぼくは先住民の血が濃くでたようです」
セザールくん↓
「オアハカの祖母はスペイン語がしゃべれなくて、ぼくと話す時は通訳が必要だったんです」
ラテンアメリカという地域の多数派は、先住民の血を引く混血のひとびとなのだ。
富や権力には縁がないかもしれないが、先住民のスタイルを守って生きている人々が、メキシコという国の主要な民衆なのだ。
オブラドール新大統領はこれまでの大統領が使っていた贅沢な官邸も不要だとして使わない。
引退した大統領が毎月百万円以上もらっていたのも廃止する。
こうした措置を先住民の人々は支配者への意趣返しのようにも感じるのだろう。
だが、変革を成そうとする時既得権者に憎まれずにはすまない。
オブラドール新大統領が、なによりも無事に、そして信念を曲げずに、良い結果を出せますように。
メキシコの大統領任期は六年。気にしておきたい。