プレミア席からは、エジンバラ城の正面入り口から堂々と入場する楽隊が見える。どの国でも軍楽隊の行進というのは堂々として勇ましい。※オープニング動画
背景の城に映し出される画像と共に見ると、バンドのパフォーマンスはさらに効果的に見える。だから、正面の席のうちでもプレミア席は横からの席の三倍の料金なのか。
今年は、インドがイギリスから独立して七十年の節目。インドの軍楽隊がパフォーマンスを行うときにはインドの国旗が映し出された↓
インドらしいダンスを披露する一団↓
フランスは、イングランドと争っている時代にもスコットランドとは良好な関係だった時代がある。
18世紀、名誉革命を認めない「ジャコバイト」の反乱を支援したフランスが登場すると、ひときわ暖かい拍手がおくられた↓
★★世界中から軍楽隊が集まる「ミリタリー・タトゥー」は、8月にエジンバラを訪れるなら是非見たいイベント。2017年は8/4から26まで毎日行われている。
今年は、1950年にはじまって以来はじめて、日本の自衛隊が参加した。パフォーマンスがはじまって、城に映し出されたのは・・・富士山↓
和太鼓が登場して、必然的に日本的な音になる。
甲冑姿の侍が刀で切りあう演技は、我々日本人からみるとちょっとあざとく見えるか↓※下の写真で一番下にちょっとだけ映ってます
↑背景は北斎ですね
日本の次にアメリカ(ナポリの駐屯部隊)が登場したのは、偶然だろう↓
こちらも「陽気なヤンキー」をことさら演出しているように見えた。
「お国柄」というのは、こうして同時に並べてみてはじめてよくわかる。日本の自衛隊の演奏もパフォーマンスも、律儀に日本的に思えた。
最後には参加したすべてのバンドがフィールドに登場し、大迫力の演奏を繰り広げた。
トリをつとめたのは、もちろんスコットランドのバグパイプ軍団であります。※バグパイプ軍団による「スカイ島の舟歌」の動画
★これは、ただの軍楽隊フェスティバルではない
長い歴史の中で世界中に散って行ったスコットランド系の人々が、年に一度故郷に集まり、自分たちの故郷への愛を確かめあう祭だ。
※エンディングで演奏される「国家」の動画それぞれの国が「らしい」パフォーマンスをしています
イングランドに吸収されてしまったスコットランドは、今でも各地に「クラン」と呼ばれるファミリーを受け継いでいる。
タトゥーのパンフレットでは四ページにわたって、「クラン」の紋章であるキルトが、その発祥の場所をあらわす地図とともに掲載されている。↓
それぞれの「クラン」のキルトのデザインもともに掲載されている。
我々の目からは同じように見えているキルトだが、クラン毎に決められた伝統を守っていたのだ。
それぞれのクラン名を見てみると多くがMac・・・ではじまっている。そのクランからのバグパイパーが、何日の何時のショーに出演するかも書かれている。
たとえば、スコットランドから移民してきたアメリカ人たちが、自分たちの祖父が大事にしていたキルトのルーツに出会える。
エジンバラのミリタリー・タトゥーはそういう場所だったのだ。