はじめてリバプールに到着した今日、キャヴァーンクラブでビートルズ・トリビュート・ライブがあった。月に二度ほどしかないのに、偶然に。中学生の頃どっぷりビートルズにつかっていたバンド小僧としては、行かないわけにはいかない。
宿泊したハード・デイズ・ナイト・ホテルから、若きビートルズが出演ていたキャヴァーンクラブまでは、角を曲がればほんの百メートル。彼らはここで292回もライブをやった。1961年2月9日から1963年8月3日(「She loves you」がリリースされた一か月後)までのたった二年半ほどあいだに、である。
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入口で「今日午後九時からビートルズのトリビュートライブがあるんだよね?予約できるの?」と訊ねると、「ただ来て払って入ればいい」とのこと。「食べ物注文できるの?」ときくと、「飲み物だけ」とのこと。近くでちょっと腹ごしらえして開演の十五分ほど前に四ポンド払って入場した。
地下はもとは倉庫かなにかだったのだろう。天井は低いし、アーチ型の柱が並び、スペースを三つに区切っている。ステージは真ん中のエリアの突き当りに位置していて、まったく見やすくはない。
壁際に並んだテーブル席はすでにいっぱいで、壁際からフロアまですでにお客で埋まり始めていた。テーブルに座っているお客からはぜったいステージは見えない。
21時の開演時にはビールを持った観客がステージ周りをぎっしり固めていた。
おなじみのマッシュルームカットのメンバーが、おなじみの楽器をかかえて登場。このスタイルをしていれば、年齢や体型は問われないらしい(笑)
A HARD DAY'S NIGHTからはじまったステージは、初期のロックンロールナンバーを次々に演奏する。
I FEEL FINE,
PLEASE PLEASE ME,
FROM ME TO YOU
YOU'VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY
NOWHERE MAN、
BOYS,
あ、ビートルズってやっぱりロックンロールバンドだったんだ。
こういう場所で生演奏できいていると、イヤフォンで聴いているのとは違う曲の魅力が見えてくる。
YOU CAN'T DO THAT
これなんかはレコードでもCDでもそんなに一生懸命聴いたことはなかったのに、ここで聴くと実にキレがあって良い。
地下のクラブで演奏されるのにぴったり、ということなのかもしれない。
バラード曲はまったくやらなかった。
昨年の「こま通信」ミーティングで小松も演奏した THAT BOY,も演奏してくれた。ビートルズはコーラスも魅力だ。
いちばん遅い時代の曲としては
BACK IN THE USSR
が、演奏された。
これは、ポールが1999年の12月にここに戻ってきてライブをやった時にもやったかしらん。