大阪への説明会旅で「偶然」、あべのハルカスの美術館でやっていた「川喜田半泥子物語」という展覧会に行く事ができた。




そこでいちばんぶっ飛んだネーミングだったのがこの作品「ねこなんちゅ」

nekonancyu


美濃で出土した安土桃山時代の欠けた小さな器に上部を足して茶碗にしてある一品。




まずは、こんな風につくろうと思うところが、変わっている。そして友人が「これは珍椀(ワン)じゃ、珍椀(ワン)じゃ」というので、本人が「ワンじゃなくて猫に見せたらなんちゅうでしょうな」と言って、そのままこの茶碗の名前にしてしまったと説明書きされていた。




これこそ「芸術は本来遊びである」と言った半泥子が本領発揮したエピソードである。




誰よりもまじめに一生懸命事にあたるが、それでいてどこかで超越した遊び心を忘れずにいる。




昨年三重県の津市へ行く機会があり、そこで百五銀行の頭取だった人が陶芸の世界で際立った人だったのを知った。それがこの川喜田半泥子。さらに、しばらくしてからNHK日曜美術館でとりあげていたのを見て「面白い人だなぁ」と記憶していた。




この展覧会にはNHKの番組でとりあげていた多くのの作品が集まっていたが、「ねこなんちゅ」は番組には出ていなかったので不意打ちをくらった感じ。




にやにやしながら「ねこなんちゅ」を来客に披露している姿が目に浮かぶようである。




これを造りだした人に会って話してみたいと思わせる一品。