皆さまお疲れ様です。

 

 

今回は六行会ホールにて5/17~5/22に上演された舞台「素敵なカミングアウト」を観劇してきましたので、感想を綴りたいと思います。(私が観劇してきたのは5/18の昼夜公演でした。上演メンバーが2チームに分かれており、日によって入れ替わりで上演しています)

 

(わかりきったことだとは思いますが、私は厚木那奈美さん目当てで観劇に行きましたのでご理解いただければ幸いです)

 

 

 

 

 

 

 

1. あらすじ

 

 

母が亡くなって数年、4人の子供たちは家庭・仕事・大学と各自で暮らすようになり、苫米地家はバラバラになっていた。そんな折、父親の俊彦が再婚するとの連絡を受け、家族は久しぶりにホテルのレストランで一堂に会することとなった。しかしそこで父親は自身がゲイに目覚めたことをカミングアウトする。複雑な心境ながらも父の余生を応援したいという長女・朋美と三男・重彦に対し、次男の次郎はまだその場にいない長男・道彦と、家族に紹介しようと連れてきた婚約者・舞子には絶対に知らせてはならないと焦り始める。

そこに父の再婚相手であるケンジがやってきてしまい…。ホテルコンシェルジュの京本も巻き込んだ勘違いだらけの一夜が始まってしまう…。

 

 

 

2. キャストごとの感想(パンフ掲載順、キャストはteam moon)

 

 

〇苫米地次郎(次男)(小澤亮太さん)

 

苫米地家の苦労人ポジ。父の会社を継いだり、母の3回忌を取り仕切ったりと、本来長男の道彦がすべきことを何かと押し付けられている様子。婚約者の舞子を溺愛している。

 

父のカミングアウトを道彦や舞子に隠し通そうと、その場しのぎの嘘を重ねていった結果自身の胃を痛めるだけ痛めてしまった苦労人。でも関節も腎臓も大丈夫。結婚歴も隠し子もありません。だけど全会一致でマザコン。

うろ覚えで申し訳ないですが、「隠すことで上手くいく人間関係だってある」という考えはとても深い言葉だと思いました。もちろんそうなんですけど、この考え方は他人に対するものであって、家族に対しての考え方じゃなかったんですよね…。その価値観でいうと、登場人物の中では異質な考え方の持ち主だと感じてました。

最終的には舞子と仲直りし、経営がうまくいっていない事実を伝えつつも改めて将来を約束しあう場面、素敵でした。

 

「彼女、別れ際に『ごきげんよう』って言うんだぜ?そんなの皇族以外にいるかよ?」

目の前の方、『ごきげんよう』が挨拶ですよ?笑

 

 

 

〇苫米地道彦(父親)(中西良太さん)

 

頑固な父親。仕事を辞め、妻に先立たれて以来色々な趣味に挑戦しており、その中で自分を見つめなおした結果ゲイに目覚めた。

検査入院した時に看護師として世話を焼いてくれたケンジと恋仲。

 

本作の元凶。テニミュ履修者。宝塚が受け入れられなくてテニミュがいけるというあたりにもゲイの資質が感じられた 笑

とはいえ本人は今回のカミングアウトを悪いことだとは思ってない様子(「すまん」という言葉はあったものの)

「開き直ると世間は意外にも明るい」といった旨のセリフ、本当にそうなんですよね。私もオタクだっていったところでそんなに扱いが変わったわけでもないですし、今のご時世は本当に他人の趣味に対して寛容です(無関心なだけ?)

写真撮影の時、ケンジと一緒に♡作ってたのが可愛かったです。

 

 

 

〇苫米地道彦(長男)(猪爪尚紀さん)

 

既に独立して家庭を築いている長男。父親とは折り合いが悪く、何かにつけて取っ組み合いの喧嘩になっていたらしい。高校教師をやっている。

 

勘違い被害者の会代表。ケツにポリープという名の爆弾を抱えている。舞子に母になる心構えをさせる練習のくだり、絶妙にキモイマザコン演技が好きすぎました。キレた後に出口を間違えて気まずそうに去っていくのも好きですね。

思ったことはすぐに口に出さないと気が済まないタイプのようで、勘違いもあるとはいえ、会話の地雷原を平気で踏み抜いていくおじさん。ケンジを芸人と勘違いしたうえで「どうですか?ゲイの世界は?」と聞くのはアンジャッシュすぎる 笑

 

「中三の息子がいじめにあい、家庭内暴力で手に負えない、教師という職業柄誰にも相談できない」←そうだったのね厚木

「奥さんの実家と上手くいってない」←そうなんだ厚木

「ケツにポリープができて座るだけでも痛い」←そうなんだ厚木

「頭皮が…」←どんだけあんのよ!

 

 

 

〇苫米地朋美(長女)(厚木那奈美さん

 

会社を辞めて絵本作家をやっている苫米地家長女。順番的には次郎の妹、重彦の姉。独立してはいるものの、ちょくちょく父親の世話をしに行ったり、道彦と連絡を取ったりしている様子。苫米地家の調停者。

 

今作の中で一番家族のことを大切に想っているであろうお方。父のカミングアウトに対しても真っ先に「応援してあげたい」と発言していた。次郎がどうにか誤魔化そうとするのに協力しつつも、「ちゃんと説明すればわかってくれる」とどこかで考えてはいたんじゃないかと思ってます。ところで、この娘だけ劇中で目立ったカミングアウト発言がなかった気がする…?

というかこんな美人で面倒見のいい妹or姉がいたら恋愛観壊れちゃう…。

 

 

以下、公演中の私の心の声

 

・いや長女美人すぎだろ…

・えっ、厚木さんお兄さんのことを次郎「ちゃん」って呼ぶの!?!?!?!?!?

 えっ、上のお兄さんのことは「道にぃ」って呼ぶの!?!?!?!?!?

・厚木さんに靴下を直されたうえで脛を蹴られたい人生だった…

・「これが冷静でいられるかなぁ!?(腕ブンブン脚ダンダン)」←かわいい

・「それは違うと思う!」←論破されてぇ…

・今作も面倒見が良い苦労人ポジだなぁ、ウンウン

・ケンジのチャック開いてるの見て顔覆うのかわいい

・ドタバタの中で絵本を開けてしまうの面白すぎるwww

・お母さんって呼ぶ練習のくだり、厚木さんにもやってもらえませんかね…?

・「そう!私の彼氏なの!!」←は??????嘘でも認められんが??????

・「どうですか?ゲイの世界は?」からのくだり、横の方で苦虫嚙み潰したような顔してる厚木さんがかわいい

・「おとうさーん!」って言って手を握りに行くの、俺がお父さんならもうこのまま看取られてもいいわ

・「膝は英語で?」「にー」←くっそかわいいんだが!?

・そうなんだ厚木

・「ごきげんよう」→「本当に言った…!」←いや貴女いつも言ってるでしょwww

・「才能ないから辞めた方がいいよ!(超絶笑顔)」←言われて脳破壊されてぇ…

 

 

 

 

〇苫米地重彦(三男)(優さん)

 

大学に通っている苫米地家の三男。シチュエーション的には正装が求められそうな場に、平気で私服で来ちゃう末っ子。

 

次郎の嘘に乗っかり、何とかして場を切り抜けようとする胃痛マンその2。ケンジと初めて挨拶をする場面では全然発言しておらず、兄や姉に合わせて行動しているあたり、末っ子感を強く感じてました。

貸し出しのジャケットに始まり、お笑いをやっているという意味不明な嘘を重ねていたが実は本当にお笑いの養成所に通っていたというオチ、伏線だったのか偶々だったのか…?

 

ところで、厚木さんに脛を蹴られた感想を聞かせてもらっても良いですか?

 

 

 

〇城ケ崎舞子(田口華さん)

 

次郎の婚約者。次郎との婚約の挨拶をするために、今回の家族の食事会に呼ばれた。天真爛漫で我儘な、絵にかいたようなお嬢様。

 

勘違い被害者の会2人目。母になる女性。去り際に「ごきげんよう」と言うお嬢様。世間知らずという感じではないが人を疑うことをあまり知らないようで、苫米地家兄妹が生み出す勘違いの嵐に違和感は感じつつも同調していた。そして奇跡的に首の皮1枚つながっていた。

前々から次郎の「仕事のことは君は心配しなくていいよ」という言葉に不満を感じており、もっと相談してほしいという願望があった様子。今回のことも「最初から言ってくれればよかったのに!」「そういう悩みを共有するのが家族でしょ!?」と怒っていた、このあたりの考え方は婚約者の次郎とは真逆。

最終的にはお互いの秘密を打ち明けたうえで結婚式を待ってあげるの、すごく良い女性だと思いました。

 

果たして彼女のカミングアウトの内容はなんだったのか…?

 

 

 

〇川島ケンジ(クァンミンさん)

 

俊彦の再婚相手。大学病院で看護師をしており、検査入院で知り合った俊彦と恋に落ちたらしい。

 

もはや一目見ただけでそっち系の人とわかる容姿、しぐさ、話し方をするお方。この演技にはもう拍手を送るしかなかったです。でも名前はけっこうゴツめなギャップが良い 笑

嘘と勘違いが重なった結果、舞子からは「俊彦の介護士」、道彦からは「朋美の彼氏の芸人」と思われている。どうしてそうなった…。でも「次郎」という名前から別に長男がいることを勘ぐったり、会話が嚙み合ってないことから勘違いを指摘したりと、外見とは裏腹に中身はとんでもなくまとも。

両親とは死別しており、自身がゲイであることを打ち明けられなかったことを強く後悔している。そのため、俊彦の家族には自身と俊彦のことをしっかり話して、理解を得られずとも知っておいてほしかったんでしょうね。

 

 

 

〇京本真佐史(ヨンミンさん)

 

ホテルのコンシェルジュ。予約の時間までラウンジで待機している苫米地家の面々に、様々なかたちで絡んでくる。

 

本来苫米地家のいざこざには一切の関りがないにもかかわらず、興味本位で首を突っ込み始めた結果、この人がいないと物語が成り立たなくなってしまったくらいの重要人物と化した男。長年勤めているが、苫米地家のカミングアウトは彼が遭遇したトラブルの中でも No.2 らしい。1位はどんなトラブルだったんだ…?

言動に見合わず有能で、次郎の助けを求めるサインに応じてその場にいてほしくない人物をどうにか理由をつけて離脱・隔離させる臨機応変さを見せたり、部外者だからこそなのか「これまでの状況を整理しましょう」とまとめ役を買って出たりしている。探偵かお前は。また時間を追うごとに苫米地家からの信頼を厚くしており、どういうわけか後半は舞子への事態の説明を完全に一任されるほどに信用されていた。いやそれはおかしいやろ…?

会話には入らずとも舞台上には登壇している場合が多く、会話内容に色々とリアクションしているのが面白かった。この舞台を何回も観劇するという方であれば、一回くらい「京本だけを目で追う回」を設けてもいいんじゃないかって思ってます。

 

…で、ホテルの従業員でないなら結局こいつは何者だったんだ…?

 

 

 

 

3. 全体の感想

 

 

そんなわけで厚木那奈美さん目当てで観劇してきたんですが、すごくコメディコメディしてて楽しい舞台でした。

 

(これは言い訳なんですが、そもそも舞台を観劇する経験が浅い中、前回観劇したのが「誰かも知らない」という結構シリアスで考えさせられる内容の演目だっただけに、今回の「素敵なカミングアウト」とのギャップがありすぎて戸惑った部分が大きかったです…)

 

惜しむらくは、初日だったこともあってかアドリブらしい要素はあまり見られず、昼夜公演で変化が感じられなかったことでしょうか。それでも内容をある程度分かっていたので、夜公演では「あぁ、これって伏線だったんだな」と感じるところもありましたし、2日目、3日目と公演が進めばアドリブとか出てくるかも知れませんね。

また、もう一方のチームの雰囲気も気になるところです。どちらにも出演している小澤さん曰く、全然違う舞台になっているとのことだったので…都合が許せば観劇してみたかったです。

 

もちろんコメディとはいえ、「家族の絆」というメッセージは強く感じることができました。私は長年実家を離れてますし、たまに帰省するくらいで連絡もあまりとらない人間なので…家族に打ち明けてないことなんて山のようにあるので、作中でいえば完全に次郎と同じ「隠すことで上手くいく人間関係もある」という考え方をしてます。まぁカミングアウトと言えるほどの重要な事柄はそもそもないんですが 笑

 

今度帰省した時には、悩みの一つでも打ち明けてみましょうかね、と感じさせられる舞台でした。

 

 

それでは、前回にも増して内容がまとまっておらず取っ散らかった駄文でしたが、読んでいただきありがとうございました!