対局者

 

水瀬夏海(ジャンバカくん)

和泉由希子(アルバン)

高橋侑希(まぁじゃん広場)

魚谷侑未(ラブリースマイル)

 

 

第1戦は個人戦の勢いそのままに、9連勝という偉業を成し遂げたジャンバカくんチーム水瀬夏海。

彼女の快進撃を止めなくては他の3チームに望みはない。

果たして夏海に土をつけるのはどのチームなのか!?

 

 

起家から

和泉→魚谷→高橋→夏海

 

 

試合が動いたのは東二局。親はゆーみん。ドラは白。

 

先制リーチをかけたのは和泉。

入り目十分。36mの平和リーチをかける!

 

これに対し押し返していくのはまぁじゃん広場・高橋。

なんとドラの白が暗刻。良い形とは言えないものの、当然まっすぐ手を進めていく!

 

そしてもう1人。

真っ向から向かっていくのが戦うマーメイド・魚谷侑未。

彼女の手牌はこちら。

 

マンズのチンイツが色濃く見える手牌!

36sは通っていない筋だがもちろん勝負!

初戦ラスのラブスマチーム。ここは加点するチャンスと見てぶつけにいった!

 

さあ和泉の36mであるが、ゆーみんがマンズのため当然場に高く、

またツモることもできないでいた。

 

そうこうするうちにゆーみんに絶好のテンパイが入る。

1副露してドラの白単騎に構えていたが、ここに持ってくるは8m。

 

チンイツテンパイ258m待ち。

しかし打ち出さなくてはならないのは生牌の、そしてドラの白。

 

しばし熟考する彼女。

巡目も深い。打ったら高い、致命傷となりかねないドラの白。

実際には前述の通り高橋に暗刻の牌であるが、それはゆーみんには分からない。

(気づいているかもしれないが100%という意味で)

リスクの高いこのドラを、この局面で切り切れるだろうか。

 

少し悩んでいたが、恐らく彼女の腹は始めから決まっていただろう。

そしてそれは解説の和久津も、俺も、普段から彼女を見ている人なら誰もが分かる答えであった。

 

ここは強くドラの白を勝負!

和了を狙って258mへと待ち替えをした!

 

常に前を向いた選択を、それでいて向こう見ずでない選択を取れる彼女!

そんな彼女に女神も微笑む!

 

 

見事次巡、5mをツモって4000オール!

前日の準決勝からの繰り言になるが、本当にこういう時の彼女は腹をくくった決断をできる!

親の満貫の和了で一歩抜け出した!

 

その後も攻める手を緩めず、先制リーチに対し七対子で追っかけたり(流局)、

和泉から5800を和了するなどして点棒を稼ぐ彼女。

 

このままでは魚谷に持っていかれてしまう。

こうしてはいられないと夏海が動く!

 

東二局2本場で見せた決死のタンヤオのみの和了。

2副露してまだイーシャンテンと非常に不安定な仕掛けであったが、無事成功させた。

 

これでゆーみんに傾きかけた勢いが再び揺蕩う!

 

東三局。

一段目にリーチをかけると、高橋から6400を打ち取った夏海!

その後ゆーみんも高橋に5200を放銃するなど場面は混沌。

選手間の点差が一気に縮まると、南二局にはこれ。

 

 

ゆーみんの親番。

夏海が絶好のカン3sを引き入れ高め三色のリーチ!

そしてほどなく…

 

高め2mをツモ和了!

3000/6000!

ゆーみんに親被りをさせると共に、大きく得点を稼いだ夏海!

他を引き離し、一気にトップへと躍り出た!

 

もはやフロックという言葉では片づけられない彼女。

確かに配牌とツモは良い。それは認めよう。

しかしその手を失敗させない確かな手順。

先ほどの遠いタンヤオ仕掛けに見せた勝負所の見極め、行かなくてはいけないところで踏み込む胆力。

 

この位置にいることが納得の、相応の力を身に着けているといっていいだろう。

これで南三局を迎え2着目のゆーみんとの点差は約10000点。

「10連勝」

その途方もない大記録が目前に迫っていた。

 

南三局。親は高橋。ドラは6p。

 

10連勝。一言で言うがとてもすごいことだ。

麻雀は運の要素の高い、しかも4人で争うゲーム。

比べるレベルにないのだが、俺は今年フリーで5連勝を3回くらいしている。

それだけでも相当の運、そして精神力を使うのにその倍。

しかも相手は場末のおっちゃんではなくプロ同士の対局なのである。

これが凄くなくて、何が凄いというのか。

 

その連勝に、ゆーみんも多分に関わってしまっている。

個人戦決勝の圧巻の4連勝。

その舞台に居合わせたのが他でもない、魚谷侑未なのだ。

 

彼女の実力を知っているだけに、この結果を聞いたときは心底驚いたものだ。

当然悔しい思いをしただろう。

今もその思いは残っているはずだ。

 

表情がカットインする度に必死の、険しい表情が映し出される彼女。

その悔しさを晴らすために戦っているのか?

 

いや、そうではない。

今はラブリースマイルチームの勝利のため、そのために彼女は戦っているのだ。

 

そのゆーみんの手。南が対子で入った好手。

6sが暗刻になり、ドラ1の先制リーチをかけることに成功した。

 

ツモれば三暗刻までつく大物手。

しかしこの手を和了りきれなければ、恐らく夏海には届かない。

そんな予感が漂う勝負手。

 

神は…まだマーメイドを見捨ててはいなかった。

 

 

親の高橋が一発で持ってくるはゆーみんの和了牌の南!

 

まぁじゃん広場チームも初戦3着、この半荘も3着と後がない!

最後の親番。字牌の生牌くらいでは降りられない!

 

 

リーチ一発南ドラ1!

高橋から満貫を出和了し一気に夏海へ肉薄した!

 

こんなごつごつした、待ち牌の少ない手牌がなぜか彼女にはよく似合う。

これで夏海とはわずか300点差!

オーラスの和了勝負、スピード勝負であればお手の物だ!

 

 

間違えることなくあっという間に平和の69pテンパイ。

その後4pを引き入れ369pに変化。

そしてその3pを…

 

 

和泉から打ち取る!

 

これで夏海を700点まくって勝負あり!

見事魚谷侑未がトップを飾った!

 

1着 魚谷

2着 夏海

3着 高橋

4着 和泉

 

個人戦の借りを返す、夏海の10連勝を阻止する価値ある1勝!

そして何より初戦ラスだったチームを救う、優勝へと大きく踏み出した1勝!

 

本当にこの人は頼りになる人だ。

昨日の準決勝に引き続き、この日も逆境を跳ね返してのトップ。

素晴らしいとしか言いようがない。

 

さあそして!

次に登場するはこれまた頼りになるラブスマチームの姉御!

今大会出場ナンバー1プレイヤー和久津晶!

 

残すは2戦!

まずは次の1戦を制し、最終戦を最もよい条件で迎えられるのはどのチームか!

 

第3戦に続く!!!