人生において大切なものは、
何かと訊かれれば自分は「運」だと答える。
「運」が悪ければ、どんなに努力しても
望むような成果は得られないと思う。
こう言うと「運」は偶然の産物であるし、
どうしようもないのではないかと思われるかもしれない。
しかし、自分は「運」は自分で向上させられるもの
だと思っている。
このように考えるようになったのは、
30代後半くらいからである。
このことに気付いたきっかけは、
仕事をするなかで良くない出来事が起きると、
さらに良くない出来事が重なって起き、
逆に良い出来事が起きるとさらに良い出来事が起きる
といった連鎖があるように思えたからだ。
こう言うと「運」というよりも「人生における流れ」
のようなものがあるといった方が妥当かと思う。
「良い流れ」がさらに「良い流れ」を呼んで、
「悪い流れ」はさらに「悪い流れ」を呼んでしまう
という具合である。
では、「良い流れ」を作って、運を呼び込むには
どうしたらよいか?
個人的には、流れを形作るのは、
①自分の認知と、②他者からの認知だと思っている。
まず①自分の認知であるが、これは「自分はできる」、
「自分は運が良い」と自分で思い込むことのように思う。
そのため、日々のルーティンをこなし、小さな目標を
設定して達成していく。このプロセスを経ることで、
「自分はできる」「自分は運が良い」という自分の認知が
形成されて、本当に良い流れができるのだと思う。
次に②他者からの認知であるが、
これは第三者からどう思われているかという問題である。
例えば、小学生や中学生の頃に先生や親から
「他人から応援される人になりなさい」といった講話を
聞かされた人は少なくないと思うが、
この「人から応援されること」が、他者からのプラスの認知と
なって、良い流れを形成していくと思う。
逆にいうと、第三者から応援されず、悪く思われていると
良い流れを形成するのは難しい。
この点、心理学でピグマリオン効果というものがあり、
これは教師期待効果ともいわれ、教師が学力向上を期待する生徒は
実際に学力が上がりやすいという内容である。
このピグマリオン効果について、自分はもっと広く一般に妥当する
理論であると考える。つま、り他者からポジティブに思われていると
実際にポジティブな方向に向きやすく、逆にネガティブに
思われていると、ネガティブな方向に向きやすい。
私自身の経験でいっても、職場で周囲の人と馴染めていない
場合、結果が出にくく、仕事もやりにくいように
感じていた。逆に自分が受け入れられていると感じる職場で
あれば、思い切って力を発揮でき、成果も得られやすかった
ように思う。
以上で述べたように、生きるうえで「運」や「人生の流れ」を決めるのは、
①自分の認知と、②他者からの認知だと思う。
ここでは認知が重要なポイントとなる。自分の認知も他者の
認知もうまくコントロールして、
自分の実力を最大限に発揮できるような「運」をつかみたいものである。