本書は、北条氏康の生涯を取り上げたものである。

氏康は同時代のライバルである上杉謙信や武田信玄と比べると

やや影が薄い存在であるが、卓越した手腕で巨大な版図を築いた。

 

氏康の業績として、軍事面が取り上げられることも多いが

本書ではむしろ、内政に着目し、「祿壽應穩」「四公六民」といった

統治を詳述する。このような政治手法によっていかにして氏康が

関東に「王道楽土」を築いていったのか、そして氏康の死後

どのような経緯をたどって北条氏滅亡へとつながっていったのかを

本書は明らかにする。