今流行の本書をBookoffで見つけ購入。早速読んでみました。
この本は流行している反面、日本史の「研究者」には不評です。
一応自分も「研究者」の卵を自称しているので、眉につばをつけて読みました。
読んでみた結果、この本はすばらしいとの結論に至りました。
たしかに史実のディティールの部分では「トンデモ」な説もあります。
しかしこの本は歴史の専門家にむけたものではなく、教育の一事例として著されたものです。
日本史なぞ未知の世界で、知らなくても一向に構わないハーバードの学生を、日本史に夢中にさせるというその方法こそが本書の主なのでしょう。
著者の言いたい事は第五章に凝縮されています。
まず学者が狭い動きをすることを指摘、そうではなくもっと広く、もっとたくさんの人に歴史の楽しみ方や語り方を発信することが重要で、若い歴史家が発信できるメッセージがあるとします。
そのメッセージとは、「日本のイデオロギーを目に見える形で作ること」で、それを皆でアクティブに考えるという「難題」を提示します。
要するに日本のアイデンティティとは何かということです。日本史はそれを考えるヒントを与えてくれます。そのために日本人は日本史を学ぶのでしょう。
そして著者はサンデル氏の言葉「わたしたちは、地球市民なのです」を引用し、地球市民に向けた日本史の語り方を考えるべきだと強く主張しています。
まったくうまいまとめが出来ませんが、つまり本書では、日本史を世界にむけて発信し、文化的な交流やコミュニケーションツールとして発展させていくためにはどうすればいいか、そのための一つのヒントを示しているのです。日本史のことなどなにもしらないアメリカの学生へ教えている著者だからこそ、その説得力があるのでしょう。
とても感銘をうけたと同時に、狭い時期の狭い地域を重箱の隅をつつくように研究しようとする自分のスタイルを大いに恥じました。おおかたの「研究者」はこの部類でしょう。だから批判するのです。
ちょっとやる気でました。世界に恥じない日本史の構築のためにがんばろうと思います。
