飯、奢ったって。
しばらくです。
チームは秋季トレーニングが始まりました。
皆、きついトレーニングメニューをこなしています。
そんな中で、練習に参加していない選手がいます。
引退、もしくは解雇になった選手達です。
この選手達を解雇したのは僕です。
技術、選手の家庭環境など、いろいろな事を考えて判断するのですが、辛いですね。
それより辛いのは当然選手ですよね。
選手が好きな監督は、自分を使ってくれる人。
嫌いな監督は使ってくれない人。
究極に嫌いな監督は首にする人です。
だからこっちも辛い。
こんな事がありました。
1982年、プロ入り2年目のオフ、早くも解雇されてしまう選手がいました。
当時の2軍監督の国松さんが、その選手と仲の良かった僕の所にきて「今日だけは門限を破ってもいいから愚痴を聞いてやってくれ」って。
しかし、何の愚痴も言わず彼は実家の九州に帰って行った。
我々独立リーグは地域に根付いて存続しているもの。
僕は日頃から選手達を食事に連れて行って下さるファンの皆さんには感謝しています。
しかし、シーズン中は甘えも出て愚痴を言う選手もいたかと思います。
強くならなければいけない選手達にとって、その愚痴はあまり褒められるものではありません。
ですが、今は違います。
特に高知の皆さん。
選手に飯、奢ってやって下さい。
愚痴を聞いてやって下さい。
彼等らはもうこの帽子を被る事もないのですから。