絆の向こうへ的エピソード

事の起こりは2015年9月。我が鉄道研究会ダイヤモンドクロスが、新潟県、群馬県の旅行をした時だった。

我々は北陸新幹線の上越妙高駅で集合。shukura、ループに乗って群馬県水上温泉で宿泊。翌日は土合駅や谷川岳の入口あたりまでを散策。夕方には水上に戻って、SLみなかみで高崎に行く行程となっていた。

水上駅で不思議な光景を見かける。女の子がSLの前に立ってポーズを取り、それをカメラを持った男たちが順番に写真を撮っていた。その集団はSLにも乗ってきた。途中渋川駅で若干の停車時間があったが、そこでも男達が女の子を撮っていた。ただその女の子の側には、スキンヘッドのいかつい男性がいて、しっかりガード役をしていた。

きっとアイドルなのだろうと「アイドル、みなかみ、SL」というキーワードで検索したが、当初は何も出てこなかった。ただ1ヶ月後ぐらいにチャレンジしたところ、まさにその日の赤い服の女の子が出てきた。名前を森下純菜というらしい。そのブログによれば、それは純なトラベルと称して、純菜さんの誕生日を祝う旅行。土合駅も谷川温泉も行っている。つまり我々鉄研と時間は違えど、同じ行動をとっていたらしい。

 

森下純菜さんのライブに行きたい。そう思うようになった。ほぼ月に1回ほどライブがあるらしいことはわかったが、いろんなスケジュールとぶつかって思うように行くことができなかった。チャンスができたのは年を跨いで2016年1月。行くことを心に決めた私は、まずその1週間前にファンレターを書いた。自分の旅行中(鉄道研究会合宿)に、森下純菜さんと、ファンと思しき約20名の姿を見かけたと。そしてライブ当日。話す機会があるかどうかもわからなかったがい、ライブ終了後に物販があり、1対1で話せそうと言うことだった。A4のブロマイドを買い、それにサインをしてくれてる純菜さん。宛先を書くために「お名前は?」って言われて「こっまちゃい(本名で)です」と言ったら、「こっまちゃいさん?」って目が止まった。ファンレターを読んでてくれたようだ。

翌月には撮影会があってこれにも参加。ファンの皆さんデビュー当時からファンを続けてる方が多いようで、逆に新参者が入ってくることに物珍しさを感じていたかもしれない。ちなみにSLにいたスキンヘッドの人が事務所の社長であることをしる

何度かライブに通う中で、翌年の純なトラベルの時期が来る。私はドリカムのライブと被ったので、ドリカムを優先した。

その翌月のライブで、ファンのY氏から「旅行の行程に銚子電鉄があったが、『銚子電鉄はこまっちゃいさんがくると思って入れた」と事務所の社長がバスの中で言ってたよ」と伝えてくれた。おおなんと新参者に合わせたプログラムを組んでもらってたのに、それに行かなかったという大失態。

 

以降純なトラベルは最優先。翌年の2017年以降3年間、コロナを挟んで2022年と4回足を運んだ。

2023年は7月の最終土日に日程が決まった。同時にこれは4年ぶりに開催される隅田川花火の日。純菜さんや事務所の社長O氏には、「その日程は隅田川花火の日なので行けません。」と報告。

我が家から隅田川花火がよく見えるので、その日はいつも知人を呼んでいる。だが、すっかりと散らかった部屋を片付けないと知人は呼べない。どうしようかと思ってたら、O氏が「部屋を片付けるな」と。部屋が片付かないと知人は呼べないから隅田川花火を諦めろと。かくして、その年も純なトラベルに行くことになった。

実はそれがO氏が私に放った最後の命令となった。

2023年10月、O氏が亡くなられた。社長と二人三脚で活動をしてきた森下純菜さんもしばし活動が保留状態になった。

O氏はカメラマンとしても有名だし、昔大手事務所のファンクラブを運営された経験もお持ちだし、実は弟子入りしたいと密かに思っていた。そのいろんなノウハウを教えていただきたかった。

 

2024年4月にO氏の追悼ライブが開催され、純菜さんも一歩ずつ活動を戻しつつある。

そこに向けて、少しでも力になることができれば幸いだ。