今回の病気で九死に一生を得て、しかも目立った後遺症もないということに皆さん喜んでくださる。
そしてさらに多くの方から「人徳があるからだ」って言っていただく。
ただ私としては、人徳が高い方々が支援してくださって、無事にいられたってことだと思っている。
人徳が高い人に囲まれているって非常にラッキーなことだと思う。
ちなみに辞書的に意味合い。
「人徳」
その人に備わった徳
「徳」
1 精神の修養によってその身に得たすぐれた品性。人徳。「—が高い」「—を修める」→徳目
2 めぐみ。恩恵。神仏などの加護。「—をさずかる」「—を施す」
3 ⇒得 (とく) 1
4 富。財産。
ついでに人徳で思い出した話。
関西の某鉄道会社の人事の方と喋ってきた時、「『徳』で人事制度を構築したい」って話が出た。
事業部門の事業部長は、自分で営業するわけでもなければ、物を作るわけでもない。その事業部長の方針や指示に従ってみんなが行動して、実績を出す。事業部長にとって大事なのは、メンバーがその人についていきたい、その人の考え方に従って行動したいと思い、実行をすること。事業部長にとって大事なのは「徳」だと。
これは面白い考え方だと思った。そしてその考え方に間違いないとも思い、その会社の人事制度改革を期待していた。
1年ぐらい経っただろうか。その人に訊いてみた。「徳の人事制度はどうなりましたか?」
すると「徳を測ることができなくて断念しました」って。
しくみはmesurable(測定可能)でないといけない。だから制度にならなかったことか。
残念だけど仕方ない。
でも考え方は間違っていないと思う。その話を聞いて既に20年経つが、その気持ちは変わらない。
逆にどこかの会社で社長を決めるのに、人事制度の評価点で決めてるところはおそらくどこもない。
社長こそ、実質の決定権者(例えば前社長)が主観で徳を測って、そこに後付けで理屈をつけるだけだと思う。