日曜日は浅利演出事務所主催の『アンドロマック』を
観に行きました。
キャスト 2022.10.23(日)マチネ
アンドロマック 野村玲子
ピリュス 阪本 篤
エルミオーヌ 坂本里咲
オレスト 近藤真行
ピラド 坂本岳大
クレオーヌ 田野聖子
セフィーズ 服部幸子
フェニックス 山口嘉三
オレストの部下
(兵士)
折井洋人
関 廣貴
高山裕生
政田洋平
『アンドロマック』はフランスの劇詩人ジャン・ラシーヌの代表作で、
トロイ戦争後のギリシャを舞台とした男女4人の恋愛悲劇。
主な登場人物は4人。
歌もダンスも場面転換もなく、
「朗誦術」という手法を使って話される台詞のみで確立する物語です。
この作品を観るのは初めてで、なじみのない台詞のみの舞台。
普通のストレートプレイより難易度が高いお芝居に
眠くならないか心配でした。
まずは、寝なかった自分をほめてあげたい
とにかく台詞、台詞、台詞の嵐。
古典劇なので言葉や言い回しも難解。
最初は言葉のシャワーを浴びながら、
状況を理解するのに頭がフル回転でした😵
物語の概要は事前に頭に入れていましたが、
言葉だけを聴き続けて理解するって
想像以上に難しかったです。
古典だから仕方ないですが、どうも登場人物に感情移入できず
囚われの身ながら敵方ピリュスの愛を受け入れるのも嫌、
息子を取られるのも嫌、というアンドロマック。
敵国の妃アンドロマックか自国の許嫁エルミオールか
揺れてばかりの優柔不断かつ傍若無人な国王ピリュス。
愛するピリュスに振り向いてもらえず、自分に好意を寄せるオレストを翻弄し、
感情のままに突っ走るエルミオーヌ。
エルミオールを愛するあまり自分の使命を忘れ、
一挙一動に振り回されるオレスト。
現代風に考えると、なんて自分勝手で傲慢なやつらだ
とツッコミを入れつつ観ておりました…
野村玲子さん(アンドロマック)
前回『李香蘭』で拝見したときは
歌がちょっと…と思いましたが、お芝居はよく通る声で
かわいらしく凛としたアンドロマックを演じていました。
亡くなった夫に操を立てるあたり、
野村さんご自身と重なるところもあったりして…
1幕ラストの長台詞は、素直に素晴らしいと思いました
2回くらい噛んでましたけどね💦
坂本里咲(エルミオーヌ)
年齢を感じさせないかわいらしい声で、
喜んだり嘆いたり、感情の起伏が激しいエルミオーヌを演じていました。
どんなに感情的になっても台詞がクリアで
聞きやすかったです。
女が黙ると怖いのは、いつの時代も変わらないのですね
阪本 篤(ピリュス)
浅利演出事務所の作品に出演するのは初めてだそうですが、
野村さんと坂本里咲さんに朗誦術を叩きこまれた成果か
セリフが聞き取りやすかったです。
張りのある声で存在感があり、
堂々とした立ち居振る舞いは国王の風格が漂ってました
近藤真行(オレスト)
終始エルミオーヌに翻弄されっぱなしの
情けないオレストを演じていた近藤さん。
ストーリーテラー的な役割もあって
オレストのセリフから現状を読み取っていた感じでした。
寝ずに済んだのは近藤さんの心地いい声と
セリフ回しのおかげかもしれません
最後5分間くらいの長台詞と演技は鳥肌ものでした
ラストシーンは「これで終わりなの…」って感じでしたが。。。
俳優さんの使い方がゼイタクなお芝居だな~と思いました
感想をまとめると「やっぱり、難しかった」に尽きます。
また観に行きたいかと聞かれると「・・・」って感じです
会場で佐久間仁さんをお見かけしました。
長身でかっこ良かった