東京不倫中毒

つねに不倫の妄想に駆られ、動き喜び後悔する。

そんな日々の連続をありのままに投げてます。

どちらかと言えばつらい日々が多いのですが

そのほうが生きてる実感を味わえる、そんなダメ人間の日記です。


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なまあたたかい液体

なまあたたかい液体が顔にかかった。

バイブくわえ込みながら女は果てた。

不倫ではなく、今日は商売女とSEX。

ただ抜くだけの作業でしかない。

その日のこと(3)

待合室の奥の控え室にはいくつかのベットが置かれていた。

すでにカーテンが閉じられ、人の気配を感じることができるベットもある。

看護師に案内されるままについていくと

カーテンの隙間から布団を頭までかぶった彼女が見えた。

「こちらです。声をかけますからしばらくお待ちください」

そう言って看護師は消えていった。

僕は掛ける言葉を捜しながら、ベットの隣の丸イスに座った。

空気の重さを感じる。

意味もなく、カーテンを閉めなおしたりしてみる。

状況は何も変わらない。

薄暗いベットの脇で、僕は布団のしわを数えたりしていたと思う。

どのくらいの時間が流れたのか。カーテンの向こうから声が聞こえててきた。

「では、こちらで、服を手術着に着替えて、しばらくお待ちください」

「手術着の下は何もつけないほうがいいんですよね」

「パンツは大丈夫ですよ。ナプキンも持ってきているなら用意してください」

「はい、分かりました」

中絶手術を受けるであろう若い女性の声が拍子抜けするくらいカジュアルだった。

どんな理由で子供をおろすのか。

「手術は初めてですか」

「1回あります」

僕の目の前で布団をかぶっている彼女が

すすり泣く声が聞こえてきた。

同じ手術でも、こうもちがうのか。


つづく

やばい、どうすれば・・・?

やばいメールが届いた。

愛人の出血が止まらないという。

精神的にも「自分だけ損をしている」という妄想に駆られているようだ。

このままでは僕の自宅に電話をしてくるかもしれない。

まいった。

彼女にかける言葉は心がないだけに思い浮かびもしない。

全て失う。

そんな恐怖心が僕を苛む。

胃が痛くなってきた。

彼女は立ち会ったときせめて謝ってほしかったといってきた。

どうすればいいんだろうか?

 

その日のこと(2)

病院の中はリアルな世界だった。

意図的にやわらかい色合いの壁紙に消毒液のにおい。

「流産の手術」と愛人が行った瞬間に

機械的になった気がする看護師たちの対応。

何もかもがリアルで

自分の存在だけが嘘みたいだった。


2人は無言のまま待合室のソファーへ。

愛人は問診票の記入を始めている。

「電話番号は?」

僕が自分の電話番号を告げると

すらすらと書き込んだ。

よく見れば名前は僕の妻の名前になっている。

保険を使わないので

どんな偽名でも、他人に成りすましてもそれを証明する必要はない。

愛人はあえて妻の名前を記入した。

僕に罰でも与えているつもりなのか?


やがて機械的な声で呼ばれ、彼女は診察室へ吸い込まれていった。

ついていくつもりでいたが体が動かなかった。

一人残されたのではなく残った。

内心ほっとしていた。

いったいこれまで何人の男がこの空間で居心地の悪い思いをしたんだろう?

そう考えた瞬間に診察室の扉が開き若い男が出てきた。

茶髪にTシャツジーンズ。

同じ年くらいか。

理由は分からないが僕を見て少し驚き、

それから少し離れた場所に腰掛けた。

しばらくその男がここにいる理由を考える。

出産。しかし、男は子供が生まれてくるのを待つ親の持つ自身を

持ち合わせておらず、不安をにじませた目で待合室の一点を見つめていた。

不妊手術。性病。妊娠中絶・・・。

しばらく理由を考えていたが、どうでもいい。

ただ、僕と同じ気持ちの人間を一人でも増やして、気休めにしたかった。

そのとき若い看護婦が消毒液にしばらく浸して無菌状態にしたような

さわやかな声をかけてきた。

「どうぞ中へ」。

あっけに取られながら、努めて冷静に「はい」という声を出した。

やはり手術に付き合うことになったのだった。


つづく



その日のこと(1)

その日、愛人は手術前の問診票に僕の妻の名前を書いた。

電話番号は僕のもの。

待合室は幸せを囁きあう男女が2組。

思い空気を持ち込んだ僕たち2人を意識しているようだ。


その日は快晴だった。

街は僕の気持ちとは関係なく、

ごく一般的な日常が流れていた。

待ち合わせに愛人が遅れてきたので

コーヒーショップでタバコをくゆらせながら

そんな景色に溶け込もうとしていた。

コーヒーの味は苦味しか感じなかった。


突然電話が鳴った。

愛人からだ。

「おまたせ」

待ち合わせに遅れたことをわびる言葉はない。

周囲を見渡すと店の外に愛人はいた。

サングラスで表情を殺している。

僕は最初に彼女にかけるべき言葉を探したが

結局、見つからなかった。

無言のまま2人は肩を並べて歩き出した。手術を受ける病院に向かって。

途中、愛人は立て続けにタバコを2本吸って、

「最近はタバコをやめてたの」と誰に語りかけるともなくつぶやいた。

「それはどういう意味」と聞こうと思ってやめた。

本当は子供を生み、育てたかったのか?


病院が見えてきた。

建物を見て、正直、拍子抜けした。

なぜだろう。

予想に反して、明るく、小ぎれいだったからか。

考えてみたら、産婦人科なんてこんなものか。

愛人に先導され、建物の中へ。

僕は否が応でもリアルな世界に引き込まれていった。


つづく




飲み込まれる恐怖

いよいよ明日に迫った。

中絶手術の日。

オレは現場で何を感じるのか?

何も感じないのか?

愛人にどんな言葉を用意しておけばいいのか?

辛いのか?

楽になれるのか?


まったく、想像ができない。

ただ、「得体の知れない不吉な塊」が

だんだん大きくなっているのを感じる。

飲み込まれそうだ・・・。

怖い。


50万円也

中絶費用を女の後輩から借りた。

最悪だ・・・後悔・・・。

50万円也。

円は閉じるのか?

ストレスか?十二指腸潰瘍が発覚した。

1日中シクシクと痛む。

医者は胃カメラを進めるが

そんな気になれない。


今週、土曜日にひと区切りつく。

一方で

罪を背負い込んで汚れていく。

果たして円は閉じるのか?

グラスのふちで不器用に踊る

結局、愛人は中絶していなかった。

今週末行く予定。

今度こそ同行する。

前回は仕事を優先した。

今回は愛人を優先すると言うより

自分の罪悪感を消すためだ。


割り切れれば楽になる。

でもそれができない。

中途半端で生きていく。

だれも助けてくれない。


今宵もグラスのふちで

不器用に踊るだけ。


おれは人間なのか?

中絶手術を愛人が決意した。

手術には付き合うはずだった。

しかし、現実は・・・

おれは仕事を優先させた。

手術に付き合わない。

仕事なんて誰だってできる。誰でもかわれる。

でも、それをしなかった。

なぜ?

結局自分を優先させた。

自分が可愛いのか。

そうだ可愛い。

でもこのモヤモヤは何だ?

晴れない気持ち。

酒を飲んで忘れる気にもなれない。

おれは人間なのか?