面会が終わり、一言しか話さない夫に苛立ちと心配を抱えていた。
息子を抱っこしたまま警察に長いすることも嫌だったので、しかたなく出口へと歩いき始めた。
「〇〇さん」
後ろから呼び止める声がした。
こんなところで知り合いはいない。
振り返ると優しそうな女性がいた。
「〇〇さんの奥さんでしょ?昔ね、あなたの義理のおじいさまに大変お世話になったの」
義理の祖父、つまり大舅は私が嫁いだ時は健在で(この時はもう亡くなっていましたが)、地域の役員をしたり色々なグループに入っていたので顔が広く、警察にも顔が広かったんです。
この女性は婦警さんで過去にとても大舅が可愛がっていただとか…
「すごく辛いと思うけど元気を出してね。
私からは何も言えないけど、警察は守秘義務は絶対に守るから、もしお子さんが結婚したりする時に調べられて何か情報が漏れるなんてこと、絶対にないからね」
いやいやいやいや!
それ、余計気になるやつやん!
そんな悪いことしたんですか?うちの旦那
とかなりモヤモヤ。
頼み込んでも絶対に教えてはくれませんでした。
もうすぐ娘のお迎えの時間。
泣くわけにはいかない。
暗い顔もできない。
私はお母さんだから。
娘は大好きなパパが帰ってこなくて寂しいって言ってるから。
気丈に振る舞わなくては。
そんな奮い立たせた気持ちも
帰宅後に崩れることになる。
私は全てを知ってしまいます。
警察で皆が私と話す時、辛そうな顔をしていた意味がわかった。
次は
『弁護士から届いた内容証明』
です。
フォローしていただけると嬉しいです。