うれしかったことがある。
遺影の二男の写真と祭壇を、たくさんの人に褒めてもらったことだ。
我が子のお葬式で『うれしい』だなんて…
不謹慎かもしれないけれど、自分たちが二男にしてあげられる最後のプレゼントだと思ったら、それこそ手なんて抜けなくて。
遺影の二男の写真と祭壇を、たくさんの人に褒めてもらったことだ。
我が子のお葬式で『うれしい』だなんて…
不謹慎かもしれないけれど、自分たちが二男にしてあげられる最後のプレゼントだと思ったら、それこそ手なんて抜けなくて。
それでも、荷物の整理をしていると、「あぁ、これもお棺に入れてあげればよかった。あれも、それも…」と次から次に溢れ出てくるもので。
二男が寂しくないように、たくさんの思い出と一緒に見送ってあげたくて大人用のお棺にしたけれど、まだまだ足りなかった。
もっともっと入れてあげたかったな。
遺影は、ピカイチの笑顔の写真を選んだ。
長男の小学校入学に合わせて作った子ども部屋で、お気に入りのおもちゃに囲まれた、とびっきりの笑顔の二男。
笑顔の向こうには、大好きなにーやんがいて。
祭壇には恐竜たちが大集合!
病院のプレイルームからも、相棒たちが来てくれた。
相棒たちを病棟へ返しに行ったついでに、二男の写真を見てもらった。
というか、見せびらかせるために返しに行ったのだけれど(笑)。
というのも、家に帰って来た二男は、苦しい闘病生活なんかこれっぽっちも感じさせないくらい、とっても綺麗な、優しい、可愛い可愛い顔で安らかに眠っていたから。
決して穏やかとは言えない最期だっただけに、二男を看取った先生は、写真の二男を見て、スーッと胸のつかえが流れたと言っていた。
最期の瞬間まで二男に寄り添ってくれた看護師さんも、知らせを聞いて駆けつけてくれた元主治医の先生・プライマリーさんも、掃除のおばちゃんも、受付さんも、とにかくみんなに褒めちぎってもらって、写真の中の二男は、どこか誇らしげに見えた。
葬儀屋さんも、心を尽くしてくれた。
本音を言えば、トントンと準備を進めたかったと思う。
けれども、一晩かけてお礼状の文面を考えたいという自分たちのワガママを、嫌な顔ひとつせず快諾してくれた。
祭壇の上をプテラノドンが飛んでいるのを見つけたときは、思わず「すごーい!」と歓声を上げてしまった。
家族葬ではなかったので、ずっと二男のそばにいてあげられないことが心にひっかかっていたけれど、恐竜たちと一緒なら、一人ぼっちで祭壇にいる二男も寂しくないだろうなとホッとした。
そして…
諸費用を支払いに行った際にもらった写真を見て、家族全員大爆笑!!
史上最強のブレイブで、ケイリュウジャーに変身☆
ブレイブ イン!!
こうやって、笑顔で二男の思い出を語れることが、母にとっては、なにより一番うれしいことだ。
ブレイブ イン!!
こうやって、笑顔で二男の思い出を語れることが、母にとっては、なにより一番うれしいことだ。